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おりたらあかんの読書ログ

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年間100冊を15年間続けてきました。でも、本当に知らないことばかり!というかアウトプットがまだ少ないなあと感じています。過去に読んだ本は「読書ログ」としてまとめてきたので、それ…
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#人間

ロベルト・ユンク「テクノクラシー帝国の崩壊」藤原書店

ロベルト・ユンク「テクノクラシー帝国の崩壊」藤原書店


著者はドイツ出身のユダヤ系ジャーナリスト。1994年に亡くなっており、この著作は1988年に出ている。反核運動の旗手としても有名でヒロシマ被爆を欧州に伝えた。また、ザルツブルクに「未来問題のための国際図書館」を設立するなど、未来の問題に向けてあらゆる可能性を模索する運動家でもあった。

歴史的にみると啓蒙と抵抗は繰り返しながら支配者の権力をさらに強める結果をもたらしてきた。民主主義の礎とされるフ

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後藤広史他「ソーシャルワーカーのソダチ」生活書院

後藤広史他「ソーシャルワーカーのソダチ」生活書院


わかるようでわからない分野。しかし、これからの未来を考えると極めて重要な分野。少し知ってみたいという好奇心で読んだ。著者は地方の短期大学でソーシャルワーカー育成に携わっている教育者だ。俺と同じ教育現場の人だ。ソーシャルワーカーとは具体的にどんな職業なのか?わかっているようでわからない。ケアワーカーと何が違うんだろ?正直なところ明確な境界線ははっきりしていない。

「社会福祉士及び介護福祉士法」の

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木崎喜代治「幻想としての自由と民主主義」ミネルヴァ書房

木崎喜代治「幻想としての自由と民主主義」ミネルヴァ書房


この本に出会った時は「あたり!」って感じだったのを今でも覚えている。
参議院選挙でまた「その場限りの虚構を演じる政治家たち」の熱弁を聞かされると思うと気が重いが、自由とか民主主義を考え直す機会とするならいい機会かもしれない。本著はこういった問題意識に存分に多くを示唆してくれている。

著者は「勉強しない自由」を主張するある大学生の話を聞いて、反論できなかった教授の反応から、きっかけを得たという。

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平井敏晴著 岡本敏子監修「岡本太郎が愛した韓国」アドニス書房

平井敏晴著 岡本敏子監修「岡本太郎が愛した韓国」アドニス書房

1964年11月、俺が生まれた年に岡本太郎は韓国に初めて訪れている。
当時の韓国といえば一般家庭に電気の供給が行き届かないほど困窮し北朝鮮よりも貧しかったころだ。当時のイメージとしては、今の北朝鮮をみつめるような視線だった。しかし、岡本太郎の人間的な肉眼は韓国文化の真髄を見事に見抜いていた。
「ここは人間の本来的生き方のふるさとなのだ」
「貧困、そして苦しい闘いは必ずしも暗さではない。そんな生活の

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