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おりたらあかんの読書ログ

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年間100冊を15年間続けてきました。でも、本当に知らないことばかり!というかアウトプットがまだ少ないなあと感じています。過去に読んだ本は「読書ログ」としてまとめてきたので、それ…
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#仏教

木村洋二「笑いを科学する」新曜社

木村洋二「笑いを科学する」新曜社

副題にユーモアサイエンスへの招待とある。関西大学教授である著者が関西大学講義「笑いの総合科学を目指して」において展開している「笑いの統一理論」をベースに人文科学・文学・医学・脳科学・社会学など他領域の泰斗新鋭たちが織りなす論文集だ。

笑いの負荷離脱モデルとは①ズレて(図式の予知)②ハズレて(図式の駆動離脱、連結)③ヌケて(駆動いていた賦活活動出力)④アフレる(余剰化したメモリー量)現象である。「

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庄野護「スリランカ学の冒険」南船北馬舎

庄野護「スリランカ学の冒険」南船北馬舎


スリランカには5年前に行った。カタール経由でいったたのだが、空からみたアラビア海、そしてスリランカの西海岸でみたインド洋の夕日の美しさが今でも目に焼き付いている。スパイシーなカレーと濃厚な紅茶もかなり印象的だった。まあ、いまは国全体が大混乱に陥っているけど・・。また行きたい国だ。この本で気になったテーマについてメモしておきたい。

セレンディピティ
セレンディピティいう言葉は、以前脳医学の本で聞

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鈴木大拙「大拙つれづれ草」読売新聞社

鈴木大拙「大拙つれづれ草」読売新聞社

鈴木大拙は金沢が生んだ世界的な仏教哲学者。単なる国内研究者ではなく、英語で日本の仏教思想を広く翻訳し、広めたという点で他を圧倒している。キリスト教の素養もあり、仏教を客観的な視点から実に深く観察している。俺が一番面白かったのは「エデンの園」と「自由」に関する考察だった。キリスト教的な思想では必ず一神教の神が存在し、その対象あっての自由であり、幸福ということになるが、そうすると自然と人間の位置は確定

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법정스님「산에는 꽃이 피네」 동쪽나라法頂「山には花が咲いている」東方の国(出版)

법정스님「산에는 꽃이 피네」 동쪽나라法頂「山には花が咲いている」東方の国(出版)

私が敬愛する法頂!この方は高僧であるが、山の奥で電気もガスもない生活をしながらこのエッセイを書いた。
「物を所有することによって、その物に所有される」という法頂節がここでも随所に見られるのだが、最後のところでパピヨンの話が出ていたのが興味深かった。そう俺が大好きな映画「パピヨン」希望を失わず最後まで脱出に命をかける男の話。失望、挫折に屈しない生き方、これは俺の人生観に直結する。この本ではあまりに多

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