マガジンのカバー画像

80'sの詩

309
80'sの詩をまとめてみました!!読んでいただけたら、嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ 宜しくお願い致しますm(_ _)m♡♡♡
運営しているクリエイター

#人生

詩「追憶」

詩「追憶」

揺らめく夏の狭間にあなたが居た
水の上を風が走る
強い日差しが体の中心を通り抜け
心に危うい火をつけた

夏の夕暮れ
あなたの影が伸びるのを見た
手が届かない感情があるのを知った
名前を付ける暇も無く
鼓動が激しく波打った

手に入れてもいないのに
失うことに怯えていた
机の引き出しに仕舞うことすら出来ず
剥き出しになった感情は
私の頬を紅潮させた
悲しくもないのに
涙が流れ落ちていった
蝉の声が

もっとみる
詩「365日」

詩「365日」

言葉に出来なかった感情は
清澄な文字で空気中に浮かんでいる
膨大な数の一部分を拾い上げて
意地でも掬って
無骨に表現して
僕は詩を書いた

ある時は 筆が進むままに
ある時は イメージが進行するままに
ある時は 感情のままに
ある時は 緻密に計算して
ある時は 過去の自分に手を引かれるまま
ある時は 誰かの言葉に胸が弾んで
ある時は 自分の人生と他人の人生が並行して
ある時は 落ちてきた文字を拾い

もっとみる
詩「今日の続きを誰も知らない」

詩「今日の続きを誰も知らない」

昨日も私の為の予告は特に流れなかった
昔 センセイは予習の重要性について
非常に熱心に説いていたが
今日起こる出来事の詳細について
誰も把握していない

大勢の人の波に溺れながら
大海の真ん中に流れ着いた蟻について思う
=私みたいだね
なんてね

明日をよく知らないのに
グッスリ眠らないといけないなんてさ
毎日が舞台の初日に似てるね
この歳にもなると
もう
手に汗なんて握らないけどさ
毎日が修学旅

もっとみる
詩「ここに産まれてきたならば」

詩「ここに産まれてきたならば」

「足から根が生えて ここからは逃げられない。そのくせ 俺には翼が無い。」
電車の車窓から見えていた太陽は雲に隠れた
若者の悲痛な叫びは遠くで微かに聴こえるサイレンの音によく似ている
非常事態だと分かっているけど
私には手が届かない
関与できない

彼等が肩を落とす度
空気はか細く震える
吊り革を持っている手が揺れに合わせて
哀しく踊る
ほんの少しの温もりを分けてあげられない代わりに
今日も勝手に祈

もっとみる
詩「選択」

詩「選択」

生まれてから今日まで
朝起きてから今まで
僕は選択をし続けている

僕の不注意で
大事な場面を多々逃している

取捨選択の中で
損得勘定で選択をすると
人生は最小になる気がするんだ
(選択の失敗は人生の伸び代だ。)
僕は効率なんて重視したくはない

完璧な表現ばかりを求めて
手にした辞書を僕は本棚にしまった
俗物的で無駄な言葉に自分の人生を投影した
その方が より今の僕を表現できそうな気がするんだ

もっとみる
詩「僕の地図」

詩「僕の地図」

今日こそ
海に僕の地図を捨てるつもりだ
流されて
何処かへ行ってしまえばいい

そう思った僕の足元に
誰かが落とした古い地図が落ちていた
泥だらけで手垢だらけの
今にも破れそうな
汚らしい地図

恐る恐る開いて見てみると
知らない国の言葉ばかりが書かれていた
様々な国の形の上に
僕の知らない国の言葉
この地図の持ち主は
短い人生の時間の中で
これだけの国を巡ったらしい

そして地図の端っこに
日本

もっとみる
詩「天」

詩「天」

あなたは ごく普通のノートに綺麗な言葉を綴っていました
私は それを覗き見てしまいました
その時 空気が凄く軽くなりました
そして 粒子が輝いて見えたのです

「退屈な人生だろね。」
誰かの呟きが聞こえました
この歳で 抱えきれない事が沢山あるのに
本当に退屈な人生の人なんているんでしょうか?
誰もが想像でしか物を言わない
全ての人生を覗き見など出来ないのに

あなたはその綺麗な言葉を何に発表する

もっとみる
詩「たんぽぽ」

詩「たんぽぽ」

この種は どこから飛んで来たのだろうか?
最初のはじまりを私は知らない
風は どこから吹いて来たのだろうか?
私の胸をざわつかせる

この土手にも 咲いていなかったのに
たんぽぽは いつの間にか根付いていた
世界は一瞬で変わる時がある

私とあなたの人生も
交わる事なんてないと思って生きてきたのにね

あなたは 今まで
どこで どうして 生きてきたのかしら?
あなたの人生を私は知らない
あなたの一

もっとみる
詩「飛べ ルイス」

詩「飛べ ルイス」

飛べ ルイス
何処までも遠くへ
あの遥か彼方まで
僕も思考は飛ばせるから
君と一緒に飛んで行くよ

僕は現代の罠に嵌って
足が根っこの様に
雁字搦めになってしまった
もう身動きは取れまい
奴等も最初から
それを望んでいた
栄光が全ての邪魔をした
僕は僕で良かったのに
人生のやり直しはきかない

ルイス
君に僕の作品を記した
誰かの代わりではなくて
正真正銘
僕だけのものだ
僕の人生の為に書いた

もっとみる
詩「もう何も期待しなくなった」

詩「もう何も期待しなくなった」

植えても
植えても
芽を出さないダメな種
水を撒いても
肥料を与えても
土の中で腐っているのではないの?
そう言われてから僕等は
もう何も期待しなくなった
(芽が出て花が出て果実を付けるまで
 どれだけ押し潰されれば気が済むのか)

やっと芽を出した僕を
刺す様な目であなたは言った
「なぁんだ、この芽、他のよりも小さいの?」
そう言われても僕等は
ここで生きていかなくてはならない
(芽が出て花が出

もっとみる