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次期教育振興基本計画にパブコメしてみた!

次期教育振興基本計画(案)の内容・概要

自分のパブコメの内容


(総論Ⅱ)


〇5つの基本的な方針②の「共生社会の実現に向けた教育の考え方」について
・「一人一人が多様な他者を理解・尊重し、包摂的な社会を築いていくためには、自らとは異なる立場や地域にいる人々と接する機会や異なる環境に身を置く機会を持つことが重要である」ことには同意する。しかし、その具体例として挙げられている「交流及び共同学習」については、健常者と障害者は基本的には違う場にいるのが自然であるという認識を生みかねない(自分自身がそうであった)。真の意味での共生社会を目指し、全ての子どもが同じ場でともに学ぶことを前提とした教育システムへの転換を明言していただきたい。先の国連障害者権利委員会からの勧告をふまえ、早急にインクルーシブ教育推進に関する期限を明確にした計画策定を進めていただきたい。
・いじめ、不登校、児童・生徒の自殺といった諸課題への対応も見据え、「異なる立場や考え、価値観を持った人々同士が、お互いの組織や集団の境界を越えて混ざり合い、学び合うことは、「同調圧力」への偏りから脱却する上で重要であり、学校のみならず社会全体で重視していくべき方向性である」ことに同意する。現状の同質性の高い通常の学級の在り方を問い直す必要がある。具体策として、インクルーシブ教育の推進、誰でも使える支援教室の設置、異年齢学級、複数担任制、本人の希望により留年も可とすることなどが考えられる。他国の仕組み・運用を参考にしながら、国内の事例について積極的に取り上げる、研究指定校を各自治体に設置するよう指示するなどして横展開を図っていただきたい。これについても、期限を明確にした計画を策定していただきたい。

(総論Ⅲ)


〇(2)教育投資の在り方の「本計画期間における教育投資の方向性」について
・教育投資の重要性については言うまでもなく、議論を後回しにしがちな政治家には、国民とくに子育て世代にとって最も関心の高い論点であることを認識していただきたい。そのための文科省の働きに期待したい。
国公立の大学院まで無償化することの重要性を強調していただきたい。そのマイルストーンとして、財政支出における教育費の対GDP比をOECD諸国並みに引き上げ、具体的な数値目標として明言していただきたい

〇「国民の理解醸成」について
・肌感覚にはなるが、国民、少なくとも子育て世代は教育投資に最も期待を寄せている。率直に申し上げて、理解醸成が必要なのは政府側であることを認識していただきたい。

(目標1)


〇「幼児教育の質の向上」について
・まずは、幼児教育に携わる教職員の待遇改善が必要不可欠である。

〇「高等学校教育改革」について
高等学校の特色化・魅力化は、偏差値偏重・過度に競争的な教育システムからの脱却に不可欠な要素であり、インクルーシブ教育推進の観点からも非常に有意義である。ぜひとも推進していただきたい。
少なくとも公立の高等学校に関しては入学者選抜試験を廃止していただきたい。入試がある以上、中学校の現場においては生徒・保護者からも授業内容や学習評価が入試につながるものになってほしいというニーズがあり、学習指導要領の内容を終わらせることに追われ、探究的な学習やSTEAM教育など本来子どもがもつ主体性や自由な発想を引き出す学びの実践するうえでボトルネックになっている。

〇「全国学力・学習状況調査」について
・学校現場では、調査結果について「我が市は全国平均を上回った」程度しか触れられていない。教育委員会や管理職の考え方によるが、「授業改善に生かす」という本来の目的とは遠くかけ離れた受け止められ方をしているケースが多いと予想される。このような学校現場・文科省間のミスコミュニケーションが常態化するのであれば、率直に申し上げて予算と時間の無駄遣いであり、廃止を検討していただきたい。
・授業改善の目的とするのであれば、教育行政が現場にもっと足を運んで、良い事例を発信していく方が有意義だと考える。

(目標2)


〇「道徳教育の推進」について
・「人間の『心』の教育はどこまで可能か?」という線引きは難しいが、教科化されたことにより、時数の確保がされるようになったという点は一定の成果であるといえる。
・その反面、扱わなければ道徳的価値項目が24個あるが、道徳科として扱う必要性を感じない項目もある。内容・時数を精選し、創出した時間を例えば地域に出て実際に違った立場の人とかかわる体験をした方が道徳教育としても効果的ではないだろうか

〇「いじめ等への対応、人権教育の推進」について
・いじめ等への対応については、まず予防的対応が最も肝心である。そのために、通常の学級をできるだけ同質性の低い構成にするとともに、活動の内容によって流動的にすることが効果的である。具体策として、インクルーシブ教育の推進、誰でも使える支援教室の設置、異年齢学級、複数担任制、本人の希望により留年も可とすることなどが考えられる。

〇「生命の安全教育の推進」について
・性暴力、性犯罪の撲滅に向けては、「心」だけでなく、包括的性教育を通して、性に関する実質的で科学的に正しい知識を身につけられるようにしていただきたい。

(目標3)


〇「学校保健、学校給食・食育の充実」について
・学校給食は有意義な取り組みである。これも公が行う教育投資として捉え、給食費を無償化するよう働きかけを強めていただきたい。また、働き方改革の側面からも、教室配膳ではなく、食堂の建設を検討していただきたい。

(目標5)


〇「探究・STEAM教育の充実」について
・答えのない問いに向かって協働的に学習することは、学びの本質に迫るものであり、かつ工夫次第では誰でも自分の役割を持って参加できるという点においてはインクルーシブ教育とも親和性が高く、今後の学校教育の中核として期待している。
・しかし、公立中学校においては、高校入試と学習指導要領の内容の厚さの相互作用が障壁となり、推進しにくい状況にある。少なくとも公立の高等学校に関しては入学者選抜試験を廃止していただきたい。入試がある以上、中学校の現場においては生徒・保護者からも授業内容や学習評価が入試につながるものになってほしいというニーズがあり、学習指導要領の内容を終わらせることに追われ、探究的な学習やSTEAM教育など本来子どもがもつ主体性や自由な発想を引き出す学びの実践するうえでボトルネックになっている。

(目標7)


〇「特別支援教育の推進」について
・「障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件整備」とあるが、「全ての子どもが共に過ごすことを前提とした条件整備」を進めていただきたい。国際的な障害やインクルーシブ教育の捉え方を齟齬があるように感じられる。特別支援学級や特別支援学校といった所属としての別枠は廃止し、通常級への在籍を原則とした上で、支援教室・教員を設置して、誰でも教育的ニーズに応じて使うことができるような、柔軟なシステムが適切であると考えている。
・引き続き分離教育を前提をする場合、「本人や保護者の意向を最大限尊重した適切な就学先決定の促進」とあるが、現状の決定権は教育委員会にある。これを本人、保護者にうつすべきであると考えている。障害を持つ子どもの保護者からは「通常級に入れたかったが断られた」という不満もあれば、「子どもの障害特性に合った教育を受けさせたいから特別支援学校に入れた」というニーズもある。つまるところ、納得感を持てる民主的なプロセスが重要であり、制度を当事者に寄り添う形に変更していただきたい
・先の国連障害者権利委員会からの勧告をふまえ、早急にインクルーシブ教育推進に関する期限を明確にした計画策定を進めていただきたい。

〇「不登校児童・生徒への支援の推進」について
・登校しないこと自体に問題があるのではなく、その原因に寄り添えないことが問題であるという認識を共有したい。
・「不登校特例校の各都道府県・政令指定都市での1校以上の設置を本計画期間内において進め、将来的には、不登校特例校への通学を希望する児童生徒が居住地によらずアクセスできるよう、全国で 300校の設置を目指す」ことについては、目標が具体的で素晴らしい指針だと感じる。

〇指標候補について
 ・就学先決定に際して、本人・保護者の希望とは違う決定を下した件数と内容
 ・小学校~高等学校段階における特別支援学校在籍者数の推移
 ・一学級の人数
 ・支援教員数

(目標8、13)


生涯教育の促進やリスキリングの機会の創出といった観点から、国公立の大学院まで無償化することの重要性を強調していただきたい。これは、例えば「リストラされたが、大学に入り直して新しい分野を学び職を見つけた」というようなキャリアパスを容易にし、経済的なセーフティーネットとしても機能も有する。そのマイルストーンとして、財政支出における教育費の対GDP比をOECD諸国並みに引き上げ、具体的な数値目標として明言していただきたい

(目標12)


〇「初等中等教育段階の指導体制の整備」について
一学級の児童・生徒数については、率直に申し上げて、35人でも多い。教師不足が深刻化する中、状況はさらに悪化する可能性もある。OECD諸国並みの20名程度を目指し、具体的な施策を提示していただきたい

〇指標候補について
 ・一学級の児童生徒数

感想


割と締め切りに近い日にパブコメを募集していることを知ったので、次の日は普通に仕事にも関わらず21時~28時ぐらいまで文章を推敲する始末…。
いち個人の意見がどこまで通るかはわかりません。
それがガンガンに通ってしまうようでは民主主義とは言えないですからね。
でも、アウトプットしようとすることによって自分の考えていることが跳ね返ってくる感じで、整理することができとても有意義でした。
これぞまさにリフレクション!!

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