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【教育】

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憧れのお爺ちゃん先生

憧れのお爺ちゃん先生

新卒一年目。教師という職業は、怒らなければ成立せぬものだと早々に思わされた。声を荒げて怒るか、ネチネチと嫌味ったらしく言うか。当時の学年団はそんなカラーだった。廊下で説教されている児童の姿を頻繁に見た。「先生、もっと言った方がいいよ。」とよく言われた。怒ることは必要条件なのだと思わずにいられなかった。

新卒二年目。この年の学年主任は、カラッと怒っていた。怒る言葉の最後に、「まったくも〜」という笑

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怒りたい人々

怒りたい人々

20代半ば以上の方は、平成に流行った『あたしンち』という漫画を知っているだろう。アニメ化もされており、金曜夕方の『あたしンち』→『ドラえもん』→『クレヨンしんちゃん』のゴールデンラインナップを楽しみにしていたあの頃。

『あたしンち』の漫画を今読み返してみると、お母さんはなかなかクレイジーだ。
みかん、ユズヒコに叫び散らすシーンの多いこと多いこと。平成のお茶の間には受け入れられていたが、令和のお茶

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父親の役割

父親の役割

「学校に行けない」という低学年の児童がいる。その児童はこう主張する。

「ママがいれば行ける。」

母親が「子供のために」と思って学校へ付き添う。愛する我が子から「ママがいれば行ける」なんて言われた日には「私がこの子を支えてあげなければ」と思うはずだ。親ならば誰もがついて行ってあげたい気持ちが芽生えるだろう。

そして母親と共に学校へ到着。
母親に促されて教室へ入る。母親が付き添っていることもあり

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『FACT FULNESS』~学校異動~

『FACT FULNESS』~学校異動~

積読していた『FACT FULNESS』に手を伸ばした。学校は異動の時期だ。両者には重なるところがあった。実に面白い。

『FACT FULNESS』とは、「事実に基づく世界の見方」のことだ。本書では、「分断本能」「ネガティブ本能」など、私たちが捕らわれている「ドラマチックな見方」に警鐘を鳴らしてくれる。

例えば、「分断本能」。分断本能はこう語られる。

人は誰しも、さまざまな物事や人々を2つの

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【新書】ケーキの切れない非行少年たち 宮口幸治 2019年

【新書】ケーキの切れない非行少年たち 宮口幸治 2019年

教員である私にとって、本書は
「子どもの将来まで考えているか??」と
突きつけられる内容であった。

児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務した著者、宮口さんは「褒める教育だけでは問題は解決しない」と警鐘を鳴らしている。

教育現場でよく取り上げられる「この子は自尊感情が低い」というフレーズ。
そこに続くのは、だから問題を起こしてしまう。よって、自尊感情を高めなければならない。
そのため、

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【絵本】はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう! くぼまちこ

【絵本】はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう! くぼまちこ

私は小学校の教員をしています。今年は児童会主任。
児童会をざっくりいうと、「学校を自分たちの手でよくしていこうぜ!」っていう組織です。

児童会といえば、当番活動。「気持ちのいいあいさつをしよう!」「廊下の右側歩いてね!」など児童が呼びかけます。でも、なかなか上手くいかない。
そりゃそうだ。呼びかけで済むなら、そんな世の中なら誰も苦労しない。
「ちょっとあんた、洗い物しといて!」と言われて、気持ち

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【教育】『自立論』赤坂真ニ

【教育】『自立論』赤坂真ニ

 赤坂真二先生の隠れた名著、『自立論』

初めてこの本に出会った時は衝撃を受けた。大学の図書館。
「勇気づけのバイブルだ!」と感動したなあ。

社会人になって4年が経った。(現在は6年)
大学時代は勇気づけの「方法」に目がいっていたことがわかる。
今は「在り方」に目が行く。


宿題をやっていて「こんな問題分かんない!」と声を荒げたら、「一生懸命やったから、腹も立つよね」と言ってやりたい。

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【教育】『一斉指導10の原理100の原則』堀裕嗣

【教育】『一斉指導10の原理100の原則』堀裕嗣

授業づくりには教師の仕事のすべてが凝縮されている



冒頭の一文で背筋が伸びた。
時代の主流となっている「協同学習」や「ファシリテーション」。
それらを機能させるためには、子供たちを納得させたり捌いたりする手法を身に着けなければならない。まさに、その通りだ。一斉授業の中で、ヒドゥンが生まれている。子どもが「教師を見る」大部分は一斉指導場面だ。この一斉指導を上手く成立させなければ、すべての教育活

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【教育】『学びの責任は誰にあるのか-責任の移行モデルで授業が変わる-』

【教育】『学びの責任は誰にあるのか-責任の移行モデルで授業が変わる-』

尊敬する岩瀬直樹先生が勧めていた本。読まないわけにはいかない。
久しぶりにノートへ読書記録をとりました。



あくまでも僕の主観に基づいた記録です。
詳しく見ていたらもっともっと細かくなるのだけれども、そこは本を読み返して学ぶことにする。

本書では、「責任移行モデル」について、ケータイの例を取り上げて分かりやすく説明してくれている。ざっくりと言うと、こんな感じ。
1、焦点を絞った指導

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