万業破印

PNは大好きな果物からとって『マンゴウ パイン』と読みます。 感想をいただけると発狂す…

万業破印

PNは大好きな果物からとって『マンゴウ パイン』と読みます。 感想をいただけると発狂するくらいには喜びますのでお気軽にお声がけください。  受賞経歴 ァンギルド原作シナリオ大賞 審査員賞受賞 ●汝に我が尾と獣耳を捧げよう━━。その他2作品受賞。今度コミカライズされます。

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居酒屋のマスターが教える超絶簡単レバニラ炒め

 自分は居酒屋を経営しながら作家業を営んでいる者です。  本日は誰でも作れる超絶簡単レシピをお教えしようと思います。  しかも、調味料などをいちいち合わせたり新たに買って来る必要は一切ございません。  手抜きレシピでありながら誰でも簡単にプロ並みの料理を作ることが可能です。  では、まずは以下の材料をご用意ください。 【超絶簡単レバニラ炒め・材料 2~3人前】 1,レバー→豚でも鶏でもお好きなものをご用意ください。200~300g程度。 2,ニラ 一束 3,玉ねぎ一個 4

    • 居酒屋マスターの独り言

       いらっしゃませ、空いているお席にご自由にお座りください。  居酒屋を経営しつつ作家業を営んでおります万業破印でございます。  本日は料理人の裏話などを幾つか呟きます。  まず初めに、隠語のご紹介。もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。 『アニキ』という隠語がございます。  厨房に入ると、必ず聞く言葉です。使い方はこう。 「アニキ、アニキを出せ!!」とか「アニキから食え。そっちじゃない手前のほうだ!」  とにかくアニキアニキうるさいのなんの。どうい

      • 元空港長の父は飛行機が苦手

         航空局職員であった父は現役時代、様々な事件や、とんでも人間を目の当たりにしてきたという。  今から語りますのは、かつて某空港長まで勤め上げた父から聞いたお話になります。  1,セキュリティ   ある日、父は空港の監視カメラを見ていると、信じられない光景が映っていることに気付いた。  1台の乗用車が誘導滑走路を走っているのが見えたのだ。  その乗用車は駐機場に向かい、そこで停車した。  車の中からは中年男性が降りてきて航空機の周りをウロウロしていた。  父は慌ててその中年男

        • 剣鬼の帰還 第3話 聖者ファルス

          ■ 勇 過去回想  ナレーション〈剣鬼勇と剣姫遥の名はハンターの世界では最強の双璧として広く知れ渡っていた〉  ダンジョン内で決闘を行う勇と遥。二人は嬉しそうに微笑みながら剣を身構えている。 ナレーション〈二人は互いを好敵手と認める一方で『剣聖』を目指す障害であるとも認識していた〉 ナレーション〈同じ頂を目指す二人は出会えば必ず殺し合った。しかし、そこに憎悪は無く、十年来の友人が出会った時の様な穏やかで楽し気な空気が流れていた〉  勇と遥は無邪気に笑いながら互いに激

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          剣鬼の帰還 第2話 魂食い

          ■ ダンジョン内部  茫然としている勇に一匹のゴブリンが襲い掛かってくる。  我に返った勇は身構えるも身体が鉛のように重くなっていることに気付く。   勇「何だ、この貧弱な肉体は⁉」  勇は持っていた剣でゴブリンの小剣を防ぐも押し返すことが出来ない。  その間にもゴブリンやキラーラビット、ポイズンバットなどの低級モンスター達が襲い掛かってくる。  勇は辛うじて最初に襲い掛かって来たゴブリンを斬り倒すも完全に消滅させることは出来なかった。  斬り倒されたゴブリンは獰猛な唸り

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          剣鬼の帰還 第1話 転生

          あらすじ 世界唯一にして最強のSSS級ハンター剣鬼伊庭勇は、世界を滅亡させる可能性を持つ神災級ダンジョンの攻略に向かった。そこにいた神災級モンスター『魂食い』の討伐に成功するも、そこで親友の聖者ファルス他、S級ハンターの仲間達に裏切られた勇はダンジョン消滅に巻き込まれ死亡し、異次元世界で魂だけの存在になり果ててしまった。だが16年後、奇跡が起こる。勇はとある少年に転生し衝撃的な事実を知る。勇の妻である伊庭遥は裏切者の聖者ファルスと再婚し双子をもうけていたのだ。そして、自分が転

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          八重桜の花嫁 第3話『第三話 クチナシ ~喜びを運ぶ~』コミックシナリオ

          ■ 第3話『第三話 クチナシ ~喜びを運ぶ~』 ■ 紫苑園 庭園   園内にある庭園を散歩している柚葉と大和。  二人は一言も言葉を交わさずただ黙って静かに歩いている。  柚葉の表情は緊張のあまり強張っている。頭の中では必死に会話の糸口を探しているが、どうしても話しかけるタイミングが計れずにいた。 柚葉〈緊張のあまり言葉が思い浮かばないわ……〉  柚葉はチラッと大和の横顔を見る。穏やかな日差しに照らされ、大和の白銀の髪が宝石のように輝いているのが見えた。大和の美貌も相

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          八重桜の花嫁 第2話『向日葵 ~貴女だけを見つめる~』コミックシナリオ

          ■ 第2話 『向日葵 ~貴女だけを見つめる~』 ■ 紫苑園 古場大和の部屋   柚葉は大和の美貌に見惚れて放心状態に。  矢代園長はトントン、と放心状態の柚葉の肩を指で叩く。 矢代「柚葉さん、大丈夫ですか?」 柚葉「え? あ、はい! すみません、大丈夫です!」  我に返った柚葉は慌てて矢代園長に返事をする。 矢代「顔が赤いようですが、風邪ですか?」  柚葉は驚いたように自分の両頬を両手で押さえる。手のひらに熱を感じ、ようやく自分の顔が熱を帯びていることに気づく。

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          八重桜の花嫁 第1話 『若返りの園』 コミックシナリオ

          ■あらすじ  水無月に咲く八重桜の前で二人は愛を誓う。  しかし二人は気づかない。桜の花の命は短く儚いことを。  世界にとある奇妙な死病が蔓延した。老人のみが発症する不治の病で見た目が若返ることから『若返り病』と呼ばれる。そんな患者を専門で世話をする者を終末介護士と呼んだ。  林柚葉も終末介護士を目指す福祉高校の生徒。ある日、柚葉は実習の為に紫苑園に訪れる。紫苑園の矢代園長は柚葉に絶対順守のルールがあることを告げる。  それとは、ここで恋をしてはならない、というものだ。  柚

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          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 最終話 一葉と二葉

           我が家こと高天家の食卓はかつてない賑わいを見せていた。  私が電話で家に連絡を入れると、お母さんは大喜びで快諾してくれた。  現在、宴が始まって小一時間も経過したが、宴は落ち着くどころか時間が経つにつれますます盛り上がって行った。特に喜びの感情を露わにはしゃいだ様子を見せているのは我が相撲部の面々ではなく、お父さんとお母さんの方であった。  お母さんは笑顔で次々と料理を運んできて、お父さんは木場先生と意気投合したのか、日本酒を酌み交わしながら話に花を咲かせていた。

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 最終話 一葉と二葉

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第34話 帰還

           私達は鬼門を通り、儀式の間を後にした。  最初はどうなることかと思っていたが、結果は悪神にも勝利するという大金星獲得で終わった。話が確かならば、二度とこの街が悪神に狙われることはないだろう。私達は平和を勝ち取ったのだ。もう家族が妖の餌食になる心配をする必要も無くなった。明日からはまた元通りの生活を送ることが出来るのだ。  少し前の自分なら考えもしないことだった。あんなにも憂鬱だった日常が戻って来るだけでこんなにも嬉しいと感じるだなんて。私もちょっとは成長したのかも、とち

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第34話 帰還

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第33話 決着

           ……かに思われたんですけれども!?  私は死を覚悟し、目を閉じた。でも、何故だか消滅する気配が微塵もなかった。  何が起こったの? と、私は目を開く。目の前にバチバチと稲光が走っているのが見えた。それは、雷電丸が先程神氣で創り出した雷神の大槌だった。大槌は私に振り落とされることもなく、寸前で停止していた。 「あれ? 私、どうしたの?」私はいつの間にか身体の自由を取り戻していたことに気付く。  さっきまでは悪神オロチに身体の支配権を奪われていたのに、何故? 「大丈夫

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第33話 決着

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第32話 雷神の咆哮

           私から肉の器の支配権を奪い取った悪神オロチが高笑いを上げると、たちまち全身から瘴気が噴き出し、雷電丸の神氣とぶつかり合った。  瘴気と神気がせめぎ合い、同じ極同士の磁石を近づけたかのように、両者は弾き飛ばされた。  雷電丸と悪神オロチは二人とも土俵際まで吹き飛ばされるも、寸前で踏みとどまることが出来た。  土俵際に佇む二人は互いに遠目で睨み合った。 「オレの瘴気を弾き返すとはなかなかやるな。流石は伝説の大横綱と謳われただけのことはある。まあ、人間にしては、だがな」

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第32話 雷神の咆哮

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第31話 代理戦争 其の二

           悪神オロチが作った肉の器に入り込んだ私は、ゆっくりと目を開いた。  何とも不思議な気分だ。目の前に私が佇んでいるのが見える。正確には雷電丸が、であるけれども。  雷電丸は酷く驚いた表情でこちらを見つめていた。  私は、そんな彼を無視して肉の器を見回した。何処からどう見ても元の私の肉体と造りが一緒だった。眼の端に銀色の輝きが見えたので手に取ると、それは私の髪の毛だった。どうやら髪の色だけが黒から銀色になっているらしい。身体を纏っているボディースーツも、雷電丸が身に纏って

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第31話 代理戦争 其の二

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第30話 代理戦争 其の一

          「雷電丸とは確か伝説の二代目大横綱と同じ名前だったような……何故一角鬼がその名を?」  沼野先輩は唖然としながら静かに呟いた。  一角鬼が消滅し、周囲は静寂に包まれた。それまで溢れ返っていた妖達の下卑た笑い声も獰猛な唸り声も聞こえて来なかった。彼等の表情は一様に蒼白し強張っていた。目の前で起った出来事に頭が追い付いていない様子だった。 「ごっちゃんです!」雷電丸は蹲踞しながら一礼する。  雷電丸の勝利宣言が場内に響いても誰も言葉を発することもなく周囲は静寂に包まれたま

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第30話 代理戦争 其の一

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第29話 穢れ祓い 其の七

           一角鬼は頭を下げ、額から鋭くそそり立った大きな角を使って雷電丸にぶちかましを仕掛けて来る。  雷電丸の眼光が鋭く光り、角を真っ向から額で受け止めた。  巨岩同士が衝突し合うような激しい音が響き渡った。    まさか、雷電丸、強いては私の額が貫かれたかも!? と一瞬だけ心配したのだが、それは杞憂に終わった。  雷電丸の額を貫いたかに思われた一角鬼の一撃は、雷電丸の薄皮一枚も傷つけることが出来なかった。大きな角の先端は雷電丸の額に浅く突き立ってはいるものの刺すまでには至ら

          女将ちゃん、ごっつあんです! ~伝説の大横綱、女子高校生に転生す~ 第29話 穢れ祓い 其の七