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#映画レビュー
欧州で映画を観る(2023年1月)
さあ1月はなんの映画を観ただろうか?と思ってメモを開いたところ、年末年始帰国していた時期だったので、まったくもって「欧州で映画を観」ていなかった。日本の映画館で観た1本と、日本を出る機内で観た4本の合計5本、観た順です。
『THE FIRST SLAM DUNK』
原作未読了勢です。読め読めと言われて読み始めたは良いものの、前半のまだギャグ感が強いところを読んでお腹いっぱいになりそのまま脱落し
『ドライビングMISSデイジー』の「人種を超えた友情」への疑問
■ Watching:『ドライビングMISSデイジー』
この作品のあらすじや作品紹介では「友情」という言葉が使われているものがほとんどなんだけど、これを「友情」という言葉で説明してしまうんだ?!マジ?!というのが率直な感想。
高齢になった白人(ユダヤ人)のミス・デイジーが運転を誤るところから物語は始まる。そして、それを不安に思った息子が、母のために黒人の運転手ホークを雇う。初めは強く反発してい
『パラサイト 半地下の家族』に沈む
■ Watching:『パラサイト 半地下の家族』
メッチャクチャ面白かった。
見終わった瞬間から「もう一回観たい」と「もう勘弁してください」とが綯い交ぜで馬鹿デカ余韻です。
どっしり重いテーマである反面、しっかり笑わせてくるシーンもある。暴力的でありながらあまりに精緻。韓国エンタメのパワーを感じる一作。
主人公家族が大雨の中、豪邸から半地下の家へと逃げ帰るシーンが忘れられない。彼らがどこ
『アメリカン・ユートピア』一人ひとりが作り上げる理想郷
■ Watching:『アメリカン・ユートピア』デイヴィット・バーンによるブロードウェイショーを映画化した作品。
絵本みたいだと思った。言葉と音と動きによって作り上げられた、観る絵本。歌われる言葉が音と動きと共鳴して、目の前にその世界が広がるみたいな感じがした。
中盤、デイヴィット・バーンがバンドメンバーの名前と出身地を紹介するくだりがある。名前と出身地を紹介されたメンバーがソロを演奏する。そ
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』憧憬の交差点
■ Watching:『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』私が小・中学生だった2000年代、もちろんインターネットは今ほど普及していなかった。携帯を持っておらずパソコンだって毎日起動するわけじゃなかったけれど、それで特に支障なく過ごしていた。今は何をして過ごすにしても大抵インターネットに繋がった状態でいるなあと、改めて振り返って驚く。自分が大人になったからという
もっとみる『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』不器用に少しずつ愛に向かって手を伸ばしていく物語
■ Watching:『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』「愛とはどのようなものか?」
高校生のエリーが、他人の言葉を通してしか知らなかった(他人の言葉ではよく知っていた)それを、自分の体験を通して少しずつ知っていく物語と言ってもいいだろうか。
どこがどう、という説明をするのが難しいのだけど、とても好きな物語だった。これから先も繰り返し観たいと思える作品に出会うことができて嬉しい。
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』水溜りの上に立つ人、その鏡
■ Watching:『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』- 私の『若草物語』幼い頃夢中になって読んだ本を思い出すとき、『若草物語』は間違いなくその筆頭に挙げられる。兄弟姉妹のいなかった私は、それぞれに個性の異なる4人のお姉さんたちに、そして四姉妹の関係性に憧れた。
当時、好きだったキャラクターはベスだった。心優しく、音楽の才能に溢れ、人形を友達にしている、病弱な三女。
『ストー
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』感想
■ Watching:『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
これまでのMCU作品はすべて字幕で観ており、トムホ声のピーター・パーカーが私のピーター・パーカーだったので今作ももちろん字幕で観るつもり…だったのですが、のらりくらりとしているうちに近所の映画館では吹替版のみしかなくなってしまっていた。それに気づいたのが劇場到着の10分前。どうしようかなと迷った挙句、吹替版デビューしました。
特に
『キングスマン:ファースト・エージェント』感想
■ Watching:『キングスマン:ファースト・エージェント』やっと!公開になり、やっと!観られました(良かった間に合って)
これまでのキングスマン作品と比較して、かなり歴史物の色が濃い話だった。ボーア戦争から第一次世界大戦あたりのヨーロッパの歴史を把握してから観ると、より楽しめたと思う。
史実にフィクションを絡ませていく、その中でも特に事実が不明確な部分に登場人物たちを関与させていくと
『ドント・ルック・アップ』が怖くて泣く
■ Watching:『ドント・ルック・アップ』地球全体の危機を前に、己の利益や保身に捉われた政治家、企業家、マスメディア。スーパーヒーローになり得る人がいても、それがキャプテン・アメリカじゃなきゃ、アイアンマンじゃなきゃ、みんなを救うなんて夢のまた夢。地球に迫る彗星に「本当に状況分かってる?」と叫びたくなるような人々の行動。だけど現実世界で同じことが起こったとして、それを避けられる可能性があった
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