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深淵を覗き込むかのようなエッセイ

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人間の心の奥を覗くという稀有な体験を提供。
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2020年12月の記事一覧

【エッセイ】2020年12月31日の覚え書き

今日のスーパーマーケットは、今年の漢字そのものだった。
あそこまで混雑するともはや怒りも湧いてこなくて、お祭りの実行委員になったような気分だった。

いつも大晦日は早上がりをさせてもらっている。
昔から年越しというイベントを神聖視しているからだ。
あの独特の高揚感は是非とも集中して味わいたい。
そんなワガママを毎年聞いてもらっている。

例年、15時ぐらいに上がり、混雑を極める店内で買い物をさせて

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【エッセイ】いらっしゃいませ音痴

【エッセイ】いらっしゃいませ音痴

仕事柄、「いらっしゃいませ」を多用します。
齢20まで使ってこなかった言葉に、初めはモゾモゾとした違和感を感じたのを覚えています。あれから5年。さぞ「いらっしゃいませマスター」かと思いきや、未だに最適なキーで歌い上げられたことがありません。「しゃっせぇ〜」と何ともグレーな意味合いの言葉になってしまったり、「らっしゃいませっ↑↑」とももクロの赤に声援を送るような語感になってしまったり。僕はいらっしゃ

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【エッセイ】「買いたい」とグズる子供たち

【エッセイ】「買いたい」とグズる子供たち

子供が苦手です。
弟や妹もいませんし、親戚は従兄弟を含め全員歳上でした。
それとトラウマがあります。
5歳の時、3歳の子に「クレヨン貸して」と言うと、問答無用で「ダメ!!」と断られました。
その後、俺じゃない奴(弟がいて年下に慣れてる)にはクレヨンを貸していました。
僕は5歳の時から子供が苦手です。
「早く大人になりたい」と、ベムのテンションで願っていました。
今や子供を可愛がれない25歳の妖怪人

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【エッセイ】2016年の日記を見つけました

【エッセイ】2016年の日記を見つけました

滅多に見ないフェイスブックにログインしたら、2016年に投稿した日記があったので、アンサーしてあげようと思います。
日付は9月14日。
この年の7月に縦隔気腫(肺に穴)で入院したので、いろんなことに一番モヤモヤしている時期です。
ちなみにアイコンは、中指を突き立てているエミネムの画像。虎の威を借りパクしていました。
それでは早速。

最近付き合う人間の中に、
「卑屈」と「傲慢」の二枚のカードしか持

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【エッセイ】一旦、ベンツの悪口を言わせてくれ

【エッセイ】一旦、ベンツの悪口を言わせてくれ

今回に関しては、ですます調を辞さるを得ない。俺は腹が立っている。
最近はCreepy NutsだのMr.Childrenだのを見出しに相撲を取る「三又又三Style」に胡座をかいていたが、今回はみんな大好き「何も成し遂げてない人間の卑屈講釈エッセイ」である。出来るだけ高台に避難し、この荒れ狂う卑屈の波を見物していただきたい。

俺の街には、やたらと内科が多い。内科が多い街は年寄りの多い街である。年

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【エッセイ】15年間服用している薬について

【エッセイ】15年間服用している薬について

YouTubeを観るとき、ほぼ同時にコメント欄を追ってしまうクセがあります。
例えば歌手のPVなら、ファンのコメントがほとんど。その歌手を無条件に好きな人たちが、その無条件さを競い合うように賛美するさまが見れます。
あと考察系。ここの歌詞はこういうことを言ってるんじゃないか、PVのこの描写はこのメタファーじゃないか、など。「ほお」と膝を打つものもあれば、「みんな気付いてることを自分だけが気付いたみ

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