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読み切り恋愛短編集【れれこい】1.プロローグ 794

創作大賞22024
恋愛小説部門応募作品

読み切り恋愛短編集【れれこい】全20話+1

◆あらすじ◆
読者欄に投稿したことで編集部の目に留まり、フリーペーパーに月1回自作を掲載してもらえることになったれれ子は、書くテーマを「恋愛」に決める。
担当編集者岩崎から『れれこい(=れれ子の恋)』とタイトルの提案を受け、仄かに想いを寄せる。
れれ子は経験や伝聞を元に、様々なシチュエーションの片恋や失恋を各話異なるスタイルで書く。
岩崎を想うあまり打ち合わせで天然ぶりを炸裂させるれれ子に、岩崎はたじろぐが……。
note公式マガジンに選ばれた『パラレルワールド』を含む各話読み切り全20話+1の恋愛短編集。

※読み切りですが、関連のある章には同じヘッダー画像を使用しているので、ご参考になさってください


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第1話 プロローグ


れれ子「岩崎さん、こんにちは。
すみません、お待たせして……」

岩崎「れれ子さん、今日は急にすみません。
引き受けてもらえて嬉しいです。
オーダーしてきますよ、何がいいですか」

れれ子「いいんですか。
じゃあ、ソイラテのショートお願いします、ホットで……」

岩崎「ちょっと待っててくださいね」
「はい、これ。
勝手に選んじゃいましたけど、シナモンは大丈夫ですか」

れれ子「いいんですか……
実はちょっとお腹空いてたんです。
ありがとうございます。
シナモンロール、妹の大好物なんです。
外側から食べた方が最後まで美味しいなんていっつも言うんです。
シェア……しますか……」

岩崎「どうぞどうぞ召し上がってください。
お嫌いでなくて良かったです。
話、食べ終わってからの方がいいですか」

れれ子「いいえ、結構です。
お聴きします……」

岩崎「では、遠慮なく。
れれ子さんも遠慮なく召し上がってくださいね」
「お伝えしたように、れれ子さんには『クローバー通信』の中面のコラム欄をお願いしたいんです。
月1回の掲載で期間は一応4月から1年間ですけど、あってないようなものだと考えてください」

れれ子「内容や字数は決まってるんですか……」

岩崎「それがですね、丁度4月から内容とレイアウトを見直すことになってましてね、コラムとお伝えしましたけど実質は枠を用意しますのでお好きに使って何か書いてくださいってことなんです」

れれ子「好きに、ですか……」

岩崎「それこそ、日記でもレビューでも小説でも絵でも構いません。
テーマが一貫していれば、より有難いですけどね」

れれ子「鼻歌なら歌えますけど、絵は描けません……」

岩崎「ははは、歌を載せられたら面白いですね。
曲紹介でもいいですよ」
「2ヶ月前の締め切りを守っていただけるなら、毎月の字数が違ってもレイアウトで調整しますよ。
超大作感動巨編は載せられませんけどね」

れれ子「月毎に体裁が違っていても、書く内容が連続していなくてもいいんですか……」

岩崎「構いませんよ。
さっきも言ったように、もしテーマを決められるようなら決めていただけると嬉しいですけどね」

れれ子「テーマと言われても、専門分野があるわけじゃないので……」

岩崎「いいんですよ、できればで。
書いていくうちに変わってしまっても構わないくらいですよ」
「れれ子さんにお願いしようと思ったのは、半年前に応募してくださったお店紹介の評判が良かったからだってお伝えしたでしょう。
あれね、読者からの反響は勿論ですけど編集部内から『この人が書く他のものも読んでみたい』って声があがったからなんですよ。
だからこそ、お好きに書いていただきたいんです」

れれ子「そんなことを言っていただけるなんて……」

岩崎「おっと、期待させちゃいましたか。
ちょっとしたお礼程度の金額しかお支払いできないので、ご負担になるようならこの場で断っていただいても結構ですよ」

れれ子「あのぉ……
恋愛……とか……でもいいですか……」

岩崎「恋愛?意外だなぁ」

れれ子「意外ですか、駄目ですか……」

岩崎「いやいや、駄目なわけないじゃないですか。
れれ子さんが書く恋愛、読んでみたです」

れれ子「自分でも意外なんです。
恋心なんてどこかに忘れて来ちゃったんじゃないかと思ってたんですけど、ひょんなことからこの人のこと好きだなと想うことがあって。
でもその後でいろいろとやらかして、お相手のことを困らせてしまいまして……」

岩崎「その顛末を書いてくださるんですか。
何なら連載にしますか」

れれ子「いくら何でも、そんな小っ恥ずかしいことは書けません……
ただ人を好きになったことで、感じ方や考えることが変わっていく自分のことが面白くて、いろんな言葉や文章が浮かんでくるんです……
嬉しいとか楽しいとかじゃなくて、殆ど後悔してばっかりなんですけど……」

岩崎「いいですね、それ、いっときましょう。
タイトルとペンネームはどうしますか。
何か考えていらっしゃいますか」

れれ子「考えてないです……
まさかこんな機会があるとは思わなかったので……
「あ、岩崎れれ子とかは?」

岩崎「ははははは、それ僕の名字です。
もっと考えた方がいいと思いますよ。
後で後悔しますからね。
仲違いしちゃったらどうするんですか」
「あ、タイトルを思いつきましたよ。
『れれこい』なんて可愛くないですか」

れれ子「れれ子の恋のお話だから『れれこい』ですね。
可愛すぎて私じゃないみたいです。
『岩崎れれ子のれれこい』ですね‼︎」

岩崎「可愛いは正義ですからね。
可愛すぎるくらいで丁度いいんです。
お気に召しましたか。
でも、岩崎からは離れましょう」

れれ子「可愛いは正義っていいですね‼︎
自分のキャッチにしたいです」

岩崎「どうぞどうぞ、使ってください」

れれ子「ここでのやり取りをノベライズして書いてもいいですか」

岩崎「テーマは恋愛に決めたんじゃないんですか?」

れれ子「そうですよ。
岩崎さんはご存知ないでしょうけれど、私って片恋が大好物なんです」

岩崎「そうなんですね。
僕なんかは両想いの方が良いような気がしますけどね」

れれ子「しかもですね、迷惑も考えずに告白しちゃうんです。
後は好きっていう気持ちにどっぷりと浸って、毎日ドキドキワクワクモヤモヤして過ごすんです」

岩崎「それって楽しいんですか?」

れれ子「とっても楽しいですよ。
まるで違う人生を生きてるみたいで苦しくもありますけどね。
だから、岩崎れれ子です‼︎」

岩崎「はぁ?」

れれ子「ご心配は要りません‼︎
押しかけたり押し倒したりはいたしませんから」

岩崎「え?僕……?」

れれ子「岩崎さん、このお話、喜んでお引き受けします‼︎」


岩崎「そもそも引き受けてくださるから、今日来てくださったんですよね」


れれ子「私、岩崎さんに気に入ってもらえるように頑張ります‼︎
これからも末永くよろしくお願いいたします」


岩崎「聞いてますか、れれ子さん?
いやいや、僕じゃなくて『クローバー通信』の読者さんに気に入られるように頑張ってくださいね」


れれ子「ということですから、早速LINEの交換をしなくちゃいけませんよね‼︎
勿論プライベートの方の、ですよ‼︎」


岩崎「ちょ、ちょ、ちょっとれれ子さん……」



後日譚⤵️


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第2話 メリーゴーラウンド

第3話 パラレルワールド

第4話 フォール

第5話 チェンジ

第6話 モノローグ

第7話 プログレス

第8話 ノスタルジー

第9話 ライン

第10話 ストレングス

第11話 インソムニア

第12話 ダイアリー

第13話 レター

第14話 メタバース

第15話 チャンス

第16話 リカバリー

第17話 マニア

第18話 ワンダー

第19話 アゲイン

第20話 エピローグ

+1話 あとがきという名の言いわけ





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