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2023年8月の記事一覧
📖【詩169】晩夏光
海に行かない
夏が往く
花火を観ない
夏が往く
浴衣を着ない
夏が往く
暑いのがつらくて
汗をかくのが嫌で
それでも夏が往くのは
物哀しくて
ああ今年も
食べなかったなかき氷
すいかマンゴー宇治抹茶
唇に冷たい夏が往く
秋よ来よと夏が往く
※晩夏光(ばんかこう)とは、夏の終わりのやや弱まってきた日差しのこと
🙇♀️感謝とお詫び
ご高覧、スキ、コメントなど、いつもありがとうございます
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📖【詩168】くるい咲き
同じ木に咲く花々は
夏の初めに開いては
真夏の前には散っていた
朝には蝉が鳴くけれど
昼間の雲は姿変え
日が沈むのは急ぎ足
夜の耳には虫の音
そんな夏の終わりの日
ただ一輪だけ咲いてみた
気づく人がいなくても
愛でる人がいなくても
くるい咲きだと言われても
可哀想だと言われても
変わりものだと言われても
間違っていると言われても
みんなと違うと言われても
ここを選んで咲いてみた
今を選んで咲いてみ
📖【詩166】君に会えて
君と初めて会えたとき
そのタイミングには笑ったよ
年の離れた姉兄は
ヤキモチすらも忘れたよ
赤ちゃんのままでいいのに
自分でお乳をやめちゃった
誰と居ても機嫌よく
君が一緒というだけで
皆んなが笑顔になったのよ
ご近所さんも
管理人さんも
レジのおばさんも
友だちのお母さんも
皆んなが君を好きだった
君が出て行く前にはね
準備してたの知ってたよ
黙っていようと堪えてた
ほんとは泣きそうだったけど