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日本一おいしい餃子・飯田橋「おけ以」

ー 自分で見つけてふらっと入ったお店がおいしかったときほど嬉しいことってなくないですか? ー


午前中、重めのテストが終わった。

開放感から私はおいしいものを食べに出かけることを決めた。


着いた先は飯田橋


まだ行ったことはなかったが、餃子の名店があることは知っていた。

その名も「おけ以」


食べログの「餃子百名店」に選ばれたり、ミシュランの「ビブグルマン」(安いけれどおいしいものに与えられる称号)に選ばれたりしているらしい。


「選ばれているから食べたくなる」という行動は、自分の食に対する受け身の姿勢を認めているようでなんだか悔しい。

インスタのグルメ垢とか「都内の餃子10選」みたいなブログを見ればそれなりにおいしいものを食べることはできる。

でもそれだとその食にたどり着くまでのプロセスが浅すぎるゆえ、ビッグな達成感が得られない。


自分で見つけてふらっと入ったお店がおいしかったときはかなり嬉しい。


私はおいしいものを食べるときに、そういうプロセスも含めて楽しんでいきたい。


と、ここまでインスタのグルメ垢とかグルメブログを見ることを批判してきたが、

私も結構そういう記事を見てしまうタチである。

日々そういうものを見ては、いきたいお店マップを作っているタイプだ。

(どの口が言っていたんだ。)


そしてこの日は「ホントにおいしい!!!」みたいなものを食べたい気分だった。

たまには冒険しない日があってもいいよね?

超高額の生命保険がバリバリにかけられた安心安全の餃子をめがけて私は飯田橋に降り立った。


着いてみてびっくり。

雨だというのに傘をさした人たちが外で並んでいる。

これがオフィス街の昼休みの日常なのかな。

一瞬怯んで隣の「中華そば 青葉」に入りそうになったが、意を決して列に並ぶことにする。


私の前の人も、その前の人もおひとりさま女性だった。

勝手に強まる結束感。

お店の外に並んでいると、厨房の窓が半開きになっていて、中にいたおじいさんと目が合った。

小心者の私、慌てて目をそらした。

「2人 目が合えばなぜかそらすのに 僕をまたすぐ見る 
君って もしかしてもしかして」 (AKB48/フライングゲット より)

(この歌詞が一瞬頭をよぎった。)


私の後ろにはサラリーマン3人組が並んでいて、楽しそうにお互いの自慢のグルメ情報をシェアしている。

どうしてもうさぎかよってくらい聞き耳が立ってしまう私。

飯田橋の隣町、神楽坂にはおいしいシュークリーム屋さんがあるらしい。

いいことを聞いてしまった。


しばらくして店内のカウンター席に案内された。

餃子6個を注文する。


ぼーっと待っていると、目の前に並べられた植木鉢の隙間から、厨房の様子が垣間見えた。

(植木鉢の間からとか、垣間感、。)


ここでも先ほど同様、小心者の私はチラ見することしかできない。

(なんか罪悪感すら芽生えるんですよ。)


「餃子お待たせしました〜!」

の声に、がばっと凄まじいスピードで顔を上げる。

しかしそれは私の前に入っていたお客さんの餃子だった。

(あるあるですよね。恥ずかしい。)


気を取り直してスマホを眺める。

でも前の人の餃子が運ばれてきたってことは次は私のだな〜

なんて思って、顔を上げる準備をしておいた。

お兄さんが近づいてくる。

「餃子お待たせしました〜!」

がばっ




と思いきや、今度は私の次の人の餃子だった。

なんてこった

(恥ずかしい。けどなんで私のじゃないの??)


もう顔なんて上げないもんと思っているうちに私の餃子も到着した。

テーブルの深緑色がまたいいよね。


急いで醤油と酢をとって混ぜ合わせる。

(酢多めが好き。)

ぱくっ


っくううおいしい!


外側はさすがに羽がついているだけあってかりっかりで、

肉餡は肉汁がしたたり落ちるほどじゅわじゅわで、

白菜がいい甘さを彩っている。

とんでもなく理想形な餃子。

餃子界の出木杉くん。


6個しかないのか〜と思って1つ1つを3口くらいかけて大切に食べていく。


隣のサラリーマン3人組の1人が、

「たれって、1:1:2が美味しいらしいですよ〜。前に味覚の勉強していた時に本で読みました!」

と言う。

へ〜そうなんだ、と思う私。


もう1人が、

「えー、好きなように食べればいいんじゃない?」

と言った。


うーん、それもそうだな。

(さっきから耳がうさぎのままです。)

(てか1:1:2って何の比だろう?酢と醤油はマストだとして、もう1つがラー油にしても、コショウにしても比率的に多すぎる気がするんですが、、。)


ぺろりと平らげた餃子にセイグッバイアゲインして私は店を出た。


自分で見つけたお店がおいしかったときほど嬉しいときはないし、

自分で見つけた食べ方がおいしかったときほど嬉しいこともない。


本やネットを見れば「正解」は溢れているんだろうけど、

自分の中の「大正解」を見つけるための直感を養うには、やはり常日頃から自力でトレーニングを積むことも大切なんだろうな


やっぱり自分で見つけたいなと反省した昼下がり。


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