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地域移住の【コレいい、コレあかん】VOL.5 イベント戦国時代 その①概要編

移住してすぐにパクられた原付が半年後に見つかった話は以前しましたが、見つかった場所は家から徒歩5分の団地でした。普通原付をパクったら河川敷に乗り捨てるのがセオリーだろうがよー

さてさて。

やってまいりました、今回の地域移住のコレいいコレあかんのテーマはコレっ!!

【戦国時代突入っ!イベント乱立の世を生きるための考え方!!その①概要編!!】

たかがイベントされどイベント、大小合わせれば無限にあるのではないかというイベントの考え方を今回は記述していきます。
あくまで主には自治体や協議会などが主催する集客型のイベントについて記述していきますが、民間企業やイベント会社が主催する営利イベントとは大枠としては異なりますので、悪しからずご了解ください。

前回の悪口大会とは裏腹に、今回はなかなか真面目な内容となります。

っとその前に。

地方創生界隈では著名な木下氏のこの記事、よければご参照ください。
東洋経済:『地方は儲からない「イベント地獄」で疲弊する』

また木下氏が著作の「地方創生大全」、これは地方創生に関わる人は必読だと思いますのでお読み頂いて損はないかと思います(ってか地方創生に携わっててまだ読んでいない人いるのか?)。特に地方公務員にはバイブルみたいなもんです。

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それでは本題へGO!!

地方創生イベントには大きく分けて2種類あると考えてます。それは『実施(継続)することが目的のイベント』『実施(継続)することが手段のイベント』の2パターンです。
それぞれについて詳しく記述していきます。

【① 実施(継続)することが目的のイベント】

私の中では目的が抽象的かつ非現実的なイベントとも呼んでいる。例えば各地で実施されている「だんじり祭り」は五穀豊穣を祈願するものであったり(当然地域によって様々)、博多の夏の風物詩「山笠」は疫病退散だったりする(諸説あり)。考えてわかる通り、イベントを実施することで元来の目的を達成することがどう考えてもできないのである。

ではなぜこのようなイベントがあるのか?私は2点に分けて記述していきたいと思います。

A.シンプルな観光資源として
上記している通り、有名な「岸和田だんじり祭り」「博多山笠」だけでなく、「ねぶた祭」「祇園祭」「よさこい祭り」etc…あげればキリはないですが、多くの観光客で賑わいます。当然人が多く来るということは、そこに来るまでの交通費、滞在するための経費(食費・宿泊費・体験費等)が発生するため、イベントを実施することでの経済効果が多く見込めます。
実施するための諸経費等を鑑みると“やや怪しいイベント”も多くありますが、大枠としてはイベントを通じてたくさんの人に来てもらい、お金をたくさん落としてもらいながら地域の文化や魅力を感じてもらう。これは非常に大事なことであるのは言うまでもない。

地域の零細イベントを実施する人間からするとうらやましすぎる限り。ただ、阿波踊りみたいなゴタゴタも多そうだが、、、

B.地域コミュニティの構築として
イベントの実施を通じて地域のコミュニティ機能を高めていく、ということも大事な視点の一つです。上記Aのような著名なイベントだけでなく、観光客等がほとんどいないが伝統的に引き継がれているイベントも地域の中には多々あります。例えば「神輿を担いで町内を練り歩き最終的には境内までお運びする」というお祭りがあるとするとしよう(おそらく近いものは各地にあるかと思う)。目的としては五穀豊穣や家内安全を祈願したりというものだが冷静に考えてほしい。

「神輿を担ぐだけでその目的が達成できるわけないし、観光目的にもならないのだったらやる意味なくね?」

今の時代的なごもっともな意見である。それでも継続しているのには、何か理由があるのだろうか。私は当然あると考えている。
イベントはその日だけがどうしても目立ってしまいますが、実行するまでには多くの準備が必要である。そこには人々とともに様々な地域の情報が集まってくる。「あそこの祖母さんが入院している」だの「子供が都会にでていった」だの「あそこの田んぼができなくなった」だの。そういった情報を共有することでいわば社会福祉の一端を担うことができる上、地域の治安の向上にもつながる。もちろんそのような村社会が今の時代には受け入れがたいという人もいるとは思うのだが、高齢化の進む地域において、互いが互いを知ることは生活をしていく中では不可欠とならざるを得ないのである。
そのようなイベントを作り上げるプロセスこそが、実施(継続)することが目的のイベントの本質なのだと考えている。

このAとBのどちらかを満たしていればイベントを実施(継続)することが目的であったとしても意義はあるものだと考えられます。

【② 実施(継続)することが手段のイベント】

こちらがまさに近年のイベント乱立を巻き起こしている張本人なわけです。
なかなか定義づけは難しいのですが、ここ10年以内に新しくできたイベントに関してはほぼほぼこちらの位置づけになるかと考えてます。
詳細を書いてしまうとなかなか長くなってしまうのでざっくりと説明しますと、国を挙げて地方創生を推進していくというのは皆様もご存じのことかと思いますが、いわゆる「ばらまき交付金」も含めて地方に対して交付金を増やしていく動きがあります。
そしてその交付金の活用方法を各自治体で検討していくわけです。「観光推進」「農林漁業振興」「商店街活性」etc…自治体により様々活用方法を策定することになるのですが、簡単に思いつく発想&やってる感を出すためにも結局その目的を達するために「イベントを実施しよう」との流れになるわけです。

この場合は当然ながら「イベントを実施する」とは別に目的があるのが明らかです。例えば「農業振興」を目的とするならば、イベントを実施してそれをいかに農業振興に繋げれるかが目的となるわけです。そして、そこには「農業振興に繋げる」といったあいまいな基準値ではなく、具体的なKPIが存在します。

私と一緒にイベントをしたことがある人は百万回くらい聞いたと思いますが、『イベントが終わってからが本来の意味でのイベントのスタート』と言いまくった意味はそこにあります。

ところが、そのKPIを達するために手段として選択した「イベント実施」がいつの間にか目的化することが多い。あまりにも多い。多すぎる。時々「ボケてんの?」って思うことさえある。何故そのような考えに至るのか?
このあたりは次回のイベント実施編で詳しく記述していく事にしよう。

このイベント戦国時代、予算をかければいいイベントができるわけではないし、先述している通りいかに目的を達するかが重要なわけです。目立つイベント、集客が著しいイベント、にぎやかなイベント、もちろん悪いことではありません。但し、イベントに関わる方々は「本来のイベントの目的は何か?」を必ず問いただし、客観的な数値をもとにイベントの役割を認識していくことを心がけていってほしいと思います。

次回、地域移住のコレいいコレあかんはイベント実施編、イベント戦国時代の第二章をお届けします。

お楽しみに!

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