セメント・モリ

メンヘラは他責で生き延びろ。

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マガジン

  • 読書感想文

    人に勧められた本などについて、原稿用紙3枚分くらいの感想を即興で書いていきます。

  • 今日の日報

    日報・日記程度にその日考えたこととかを書きます

  • 即興大喜利エッセイ

    他人にお題を出してもらったり、広辞苑でパカっと開いたページにあったワードとかをテーマに、即興でテキトーな文章を書いています。

最近の記事

成田名璃子『いつかみんなGを殺す』

他人から勧めてもらった本を読んで、20分で思いつきの感想文を書く遊びをたまにしている。 今日は成田名璃子の『いつかみんなGを殺す』を読んで。 * G屋敷に住んだことはあるかい。 ゴージャスじゃない。グレイトでもない。ジーニアスでもない。 わかるでしょう。ゴキブリ屋敷よ。セメントはある。5年前くらい。駅徒歩5分、築10年くらいのきれいなおうちだった。 見た目のきれいさとは裏腹に、とんでもなくGが出た。どれくらい出たかと言うと、度々依頼した駆除業者のお兄さんから「そろ

    • 240604いまさら扁桃腺備忘録

      最寄りの総合病院(でっかい)へ持病の検査に行く。半年に1度検査するように言われていたのに、3年空いてしまった。いつもそう。 検査は問題なかったが、せめて年1回来てくださいねとやさしく指摘された。私もそのとおりだと思います。 * ちょうど5年前。6月の第2週に、この病院の耳鼻咽喉科に8日間入院した。扁桃腺を取るためだった。 よく扁桃腺腫れた〜と言って熱を出している人がいるでしょう。アレです。目安としては年4回以上体調を崩すようなら、切除を検討してもいいらしい。セメントは月

      • 240531ログインキャンセル界隈。

        あらゆるサービスに、つねに、いつも、ログインできない。ログインIDもパスワードも、全てを忘れている。 おおよそ自分の中で使いまわしているパスワードがあるはずなのだが、サイトによって、サービスによって、必ず記号を入れろだの、必ず大文字を使えだの、英字と数字を混ぜろだの、注文に応えていたらいつの間にかわからない組み合わせが生成されているのが常だ。 わからなくなるからパスワードを再設定するが、再設定する際に過去使ったことのあるものは使えなくなる仕様だとさらにひどい。大文字にする

        • 240528身体の努力目標

          土日に友人と海へ行ったからなのか。掃除機をかけても、コロコロをかけても、家の至るところで砂に出会う。やつらはふとした瞬間にジャリ……と主張をしてくる。北茨城のかけらがある。 * 治した方がいいのはわかってるけど今すぐ死ぬわけじゃないしなぁ。 みたいな不調がたくさんある。フリーランスあるあるだ。 フリーランスはそもそも健康診断すら先延ばしにしている。なんやかんや年1回くらいは誰しも原因不明の不調があって、そうすると内科で血液検査や心電図検査をすることになって、なんかそれで

        成田名璃子『いつかみんなGを殺す』

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        • 読書感想文
          10本
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        記事

          240416人体のひとつくらい

          ぼんやり信号待ちをしていたら、横でガシャンと音がした。おじいさんがこけていた。 こけた、というよりもう少しおおごとかもしれない。大きめの電動自転車が覆い被さっている。そこは幹線道路。信号が変わるとともにバンバン車がやってきた。 駆け寄る。大丈夫ですかと声をかける。反応がない。つかまってくださいと手を差し出す。反応がない。こちらから手をとる。反応がない。どうやら自力で立ち上がれない。車道。こわい。 おじいさんの脇から手をいれる。持ち上がらない。電動自転車をどけようとする。

          240416人体のひとつくらい

          240410それができたらここには居ないよ

          首肩コリすぎなんだ村の住人である。もうこの村に、20年近く住んでいる。昔から、首と肩がずっと痛い。学生の頃、整形外科でレントゲンを撮ったら「こんだけなで肩だからもう諦めろ」と言われた。 とはいえ痛いのを我慢するにも限界があるので、あの手この手で解消する方法を探してきた。 マッサージ、エステ、整体、カイロプラクティック、鍼、などなど。 行きたくないけど、痛いんだから行くしかない。今日も近所の、初めて行く整骨院へ行った。先週から信じられないくらい肩が痛かったからだ。きっと後

          240410それができたらここには居ないよ

          240305ひとりぼっちのTOKYOへ

          3月5日の日記。再掲。 * 幼馴染からLINEが届く。 「4月から◎◎勤務やけ〜〜〜ウンタラカンタラ」 は?だ。は???である。この感情をなんと記そうか。悲しいでもさみしいでも怒りでも喪失でもピンとこない。 「東京で頑張ろうねってずっと一緒にやってきた小中高予備校全部同じの幼馴染がいきなり地元へ帰って地元で就職する宣言をしてきたときの気持ち」 である。そのままでしかない。強いて言い換えるなら「がびーん」だろうか。4文字になった。がびーん、便利すぎる。 え、本気?

          240305ひとりぼっちのTOKYOへ

          240227スーパーの袋でもって翔べ

          2月27日の日記。再掲。 * 風が強い。メリー・ポピンズじゃん。朝に弱いセメントは、不機嫌に思う。 台風の強風がなんかちょっとおもろいのは、風がぬるいからだ。早朝日陰で感じる冷たい風となれば話は別。いわんや花粉を運んでくるとならば。帰りたい。コートの襟に鼻まで埋めて駅まで黙々と歩く。こういう顔のお菓子あったよな。ぬぅんってやつ。チョコまみれだ。 小さい頃、メリー・ポピンズに憧れた。自分も風に乗って移動したくて、家の塀から飛び降りた。傘は何本ダメにしたかわからない。

          240227スーパーの袋でもって翔べ

          240324知らぬがイノセント

          先日知人とカラオケに行ったときのこと。 知人がMr.Childrenの『innocent world』を入れた。セメントは知らない曲だったので、知らない曲だな、と言った。驚かれた。innocent world知らないことある?、と。 「いやいや、絶対聴いたことあるって」 セメントは、ミスチルとスピッツの区別がついていない。どちらも90年代から活躍するグループで、ジャンルはJ-POPで、男性ボーカルで、今でも人気がある。同じ箱に入っている。特別音楽に興味がないわけでも疎い

          240324知らぬがイノセント

          240319屍の父

          Youtubeは自動再生にして、なんとなく流しっぱなしにしている派だ。 見るでもなく見ないでもなく。数年前までよくいた「とりあえず帰ったらTVつける」の感覚に近いのかも。誰かしゃべっていてくれたらいい、という感覚でつけている。さみしいから。わざわざ観ているわけではないので、広告もとくにスキップしない。 そんな中で流れていたのが、今日。「命の母」のCMである。 いや、命の母のCMが流れること自体はそんなに不思議じゃないよね。そうだよね。しかしだね、 出演していたのが、指

          240317生活は続く

          ちょうど1年前、セメントは美容の外科手術を決めた。平たく言えばあれです。整形というやつです。 腹を決めて、そこそこの金額を払い、手術日の予約をした。なんとなくまっすぐ帰る気になれず、友人に連絡を取って焼肉を食べに行った。 付き合いの長い友人だ。セメントの顔面なんて、セメントの親より見てるかもしれん。ほらとくと見ておけこれが私のBeforeだと思いながら行った。17年飼った猫が前日に亡くなった話をされた。セメントも何度か会ったことのある猫だった。整形の話はしなかった。 翌

          240317生活は続く

          240316 後悔ゼミナール

          大学からの帰り道。毎年呼んでいただいている、卒業したゼミの卒論発表会に今年も行った。いつも現役生の卒論は素晴らしい。着眼点も、先行研究の整理も、調査も、考察も。すごいし、もっと読みたいし、羨ましい。 羨しい。そう、羨ましい。 自分の中にあった感情に気づくと、それまでのホクホクとした気持ちがポロポロ散っていくのがわかった。 ひえ〜どうしよう。 甲州街道を歩きながら、涙が出てくる。 自分は、本当は大学院に行きたかったのかもしれない。 大学院に行って、もっと勉強したかっ

          240316 後悔ゼミナール

          迎えの来ないハンドクリーム

          マンションの1階には、宅配ボックスがある。入居する頃にはなく、最近新しく設置された宅配ボックス。とてもありがたい。いつも満杯。 今日その宅配ボックスの上に、ハンドクリームが乗っていた。メンソレータムのピカピカに光るオレンジ色のやつ。「手荒れ」と書かれているやつである。私はそれに、見覚えがある。見覚えがあるというか、ここ1ヶ月くらい毎日見ていた。2階の、205号室の前にずっと落ちていたハンドクリームだ。 1ヶ月前は、205号室の前にある階段の、手すりのところに乗っかっていた

          迎えの来ないハンドクリーム

          イッチョウラ の ラ って何ですか?

          日記のワークショップに申し込んだ。3ヶ月間、GoogleDocで日記をつけるだけ。2週に1度参加者が対面で集まって、互いの日記を読んだり感じたことを話し合ったりする。たぶんそれだけのワークショップだ。 日記のワークショップに参加するんだ、という話を他人にすると、だいたい「なにそれ」という反応が返ってくる。「いや、日記てw」という続きが見える。そうか。みんなにとっては日記なんてわざわざお金を払ってワークショップに参加してやることではないのだな。というか、そもそも何の役にも立た

          イッチョウラ の ラ って何ですか?

          まぐろはどこまで魚ですか?

          仕事でとある大手介護会社の方の話を聞いた。最近は介護も「食」に力を入れているらしい。 これまでは介護食や病院食って飲み込みやすさや栄養のことが優先だったけど、それは味気ないものだった。もっと美味しさや見た目でテンションが上がることも大事なんじゃないかと考え始めているとのこと。たしかに。食べるのって生きる活力だもんね。90歳手前でサーロインステーキをシレッと完食する祖母を見ていると同意します。 「先日施設の食事で、まぐろフェアをやったんですけどね」という話。施設の食事に、フ

          まぐろはどこまで魚ですか?

          浅倉秋成『6人の嘘つきな大学生』

          人に勧めてもらった本を読んで、瞬発力だけで書く感想文を残す遊びをしています。 今日は、浅倉秋成の『6人の嘘つきな大学生』。 * 人生最大の悪事を暴かれる最終選考は経験したことがないけれど、人生最大の後悔をわざわざ聞いてくる最終面接なら知っている。私が新卒で入った会社だ。 そしてそこで「友だちと遊ぶ約束をしていたのに、他の子とも遊ぶ約束をしてしまったことがある」という小学生時代のダブルブッキングを挙げて内定を獲得した人間を知っている。私の同期だ。 スピラリンクスの内定獲

          浅倉秋成『6人の嘘つきな大学生』