見出し画像

まぐろはどこまで魚ですか?

仕事でとある大手介護会社の方の話を聞いた。最近は介護も「食」に力を入れているらしい。

これまでは介護食や病院食って飲み込みやすさや栄養のことが優先だったけど、それは味気ないものだった。もっと美味しさや見た目でテンションが上がることも大事なんじゃないかと考え始めているとのこと。たしかに。食べるのって生きる活力だもんね。90歳手前でサーロインステーキをシレッと完食する祖母を見ていると同意します。

「先日施設の食事で、まぐろフェアをやったんですけどね」という話。施設の食事に、フェアなんてあるのか。お楽しみ給食みたいじゃん。

で、続く。「まぐろフェアをやったら、関西のホームからクレームが入ったんですよ」。

東日本出身の人は驚いていた。えー、マグロで?

西日本出身のセメントは思うのだ。マグロならあり得る。

だって西日本の人って、マグロ食べなくないですか?

正確に言うと、食べなくはない。食べなくはないが、べつにありがたがって食べるものではない。というか、なんか魚じゃない。肉。肉。あれは肉。

だってなんか赤いし。分厚いし。脂が多くて、デップリしてる。鮨めくってみなよ。血ついてるやんけ。鮨をめくるのは行儀が悪いとかそういう話は今してません。

決して嫌いなわけではないし、食べられないわけではない。ただなんか、魚ではない。西日本で魚というと、タイとかイワシとかアジとかだ。れんちょうとかタチウオとかふぐだ。

クジラはどうかと言われると、クジラは「クジラ肉」って呼ぶじゃん。肉じゃん。肉として好きじゃん。でもマグロは魚の顔してしれっといるじゃん。そこがなんかわかんないのよ。よくわかんないのに回転寿司だと高い皿の位置にいるし、鮨パックの半分くらいを占めてることもあるじゃない。

いや、嫌いじゃない。嫌いじゃないんだ。食べますよマグロ。

でもタイのような身の締まった歯ごたえのあるものと、マグロのような脂感しっかりもっちり溶けていくものを、同じ箱に入れていていいんですかという疑問があるわけ。肉だろ。肉だと言ってくれ。そしたらステーキにしてモリモリ食べるから。

まあでもマグロの頭や目玉は食べられるけど、牛の目玉食べろって言われたら躊躇するかも。じゃあマグロって魚なのかな? そもそも魚でも目玉はみんなあんま食べないか?

ところで今パッと調べたところ、マグロの消費量全国1位は静岡県らしい。漁獲量も1位。2位は山梨県。2位が海なし県なんだってのは意外じゃないか。上位に群馬や栃木もいるので、マグロは輸送しやすい魚なのかもしれないね。

そういうことを考えながら、夕食にはカツオのお刺身を食べた。カツオは、たたきになっていた方が好きだ。セメントの中では、カツオもギリお肉判定な気がする。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?