恣意セシル

小説家。現実であるような、現実でないような、曖昧な小説を書きます。はっきりとしない、で…

恣意セシル

小説家。現実であるような、現実でないような、曖昧な小説を書きます。はっきりとしない、でも確かに色づいた世界。

マガジン

最近の記事

20240422

身体は強いが自律神経が弱いので、気圧により午後を過ぎるまで頭がまともに回らなかった。 午後遅いかな? という時間ぐらいでやっと頭がクリアになって来てそういえば最近、五苓散を真面目に飲んでいなかったなあと反省した。 夕飯どうする? 問題で、久しぶりに電車に乗って居酒屋に行ってきた。 そこは懇意というか、私にとっては実家のような存在の居酒屋である。 私は血の繋がった家族とは上手くいかなかったので、大変ありがたい場所なのだけれど、引っ越してしまって電車にのるか自転車を30分漕がな

    • 20240421

      この日記はいつまで続くか解らないけれど、やはり文字を綴るのは楽しい。 今日は朝の6時まで飲んで、9時半に起きて知人の太極拳の発表会を観に行ってきた。 初めは乗り気じゃなかったのだけれど、いざ始まってみると動きはゆっくりながらも優美で美しく、早起きして頑張って観に行ってよかったと思った。 そして「あなたも一緒にやらない?」と誘われたのだが、それは無理である。 身体を動かすどころか、出来れば外にすら出たくないのであるから。 外に出なさ過ぎて、外に引きずり出されているぐらいの状態

      • 20240420

        昼過ぎまで寝ていて、起きてから色々な連絡が来て、そのどれもが大変うれしくありがたいご連絡で、ここまで頑張って来てよかったなー!と思う一日だった。 嬉しいご連絡の内容は、もうしばらく先にご報告出来ると思う。 5000文字程度の掌編を書こうと思い、テーマと発表の仕方を悩んでいる。ネットなどで既に発表してしまっている者ではつまらないし……。 さてどうしようかな。 夜中、やっぱり眠れなかったので、いつものBarに飲みに行った。 週末だけここに来てもいいことにしているから、平日には

        • 20240419

          家から一歩も出ないつもりでいたのだけれど、所要で外へ飲みに出た。 少し酔っているだろうか。どうかな。 昼間、祖母の家に滞在し、一面の凍った大地と樹氷で彩られた景色を眺めて感嘆する夢を見たので、「こんなに美しい夢は吉夢に違いない」と思い調べたら凶夢であった。 悪い夢を見た時は人に話す(=放す)といいらしいので、ここに記し手放させてもらうことにする。 しかし、あんなに美しい光景だったのになあ……。 今住んでいるのは築60年の一戸建てなのだけれど、私は祖母の家でしか一戸建てで生

        マガジン

        • 小説
          2本
        • 花に嵐
          4本
        • 5本

        記事

          20240418

          昨夜はなんだか眠る気になれなくて朝方まで起きて深酒してしまった。 そのお陰で色々ためになるお話が聞けて、たまには夜更かしもいいものだな、と思い、そういえば十代の頃は明るい時間が苦手で(強い不眠もあったからなのだけど)、夜更かしばかりしていたことを思い出した。 夜更かしばかり「していた」、というよりはせざるを得ない状況だったのだけれど。 朝起きて、そういえば今年の年明けに応募した小説の一次選考がそろそろ発表になるのではないかと思い調べてみたらまさにその当日で、ありがたいことに

          20240417

          日記を書こう書こうと思いながらもなかなか重い腰が上がらず、 書くほどのことが日々にあるかというとそれもなかなか難しいのだけれど、 まずは不定期で日記を書いていってみようかと思います。 基本的に私はお家から出たくない人なのですが(昼間は紫外線があるし夜は寒いし)、今日は昼間に参加している小説サークル「いなげな」のメンバーとちょっとした打ち合わせをしてきました。 お互い初めての試みだったのですが、お互いに有意義な時間になっていたらいいなあと思います。 その際、小学3年生の国語

          そのスピードのままで。

          大人の遠足に行った。 コンビニでトリスの缶ハイボールを買って、コロッケをふたつ。 午後6時に、奥多摩は柳沢峠へ車で向かった。 もちろん、運転手はノンアルコール。 いつもなら助手席の私も遠慮するが、これは遠足なので、はしゃいで1本だけ、お酒を買った。 丁度帰宅ラッシュで混んでいる青梅街道を走り、途中で新青梅街道に入る。あとは真っ直ぐ走るだけ。 徐々に減っていく車を横目に、私たちは他愛ない話をしながら、夜を切り裂くようにヘッドライトで前方を照らして走る。 星を観に行きたかった

          そのスピードのままで。

          西荻窪

          思いのほか、住んでる所から近いと言うので散歩がてら、西荻窪へ遊びに行ってきた。 道中、スマホで西荻窪のオススメスポットを捜し、自分の興味が湧いた場所を保存しておく。 今回は文房具や雑貨屋さんを目当てに行くことにした。 西荻窪は、細々した通りにぽつぽつと個性的なお店が点在している。 目的もなくただ散歩するのにうってつけの街だ、と毎回思う。 今回は後に予定が入ってしまったので2、3時間くらいしか居られなかったけれど、チョコレートプディングをイメージしたブラウンの万年筆インキ、

          熟すということ。

          髪の毛を染めて、前髪を切ってきた。 今は仕事をしていないので髪色は自由だ。 とはいえ、あまり原色にするのは好きでは無いので、くすみカラーとかいうやつにしている。 白髪が随分目立ってくるようになったので、部分的にブリーチしてピンクのハイライト+ピンクベージュに染めてもらい、伸ばしてる髪はそのまま、前髪だけパツンと思いきり短くしてもらった。 前髪はいつも短くしてもらってる。 長くなってくると鬱陶しいし、自分が自分じゃないような気持ちになるからふしぎだ。 ずっと眉ぐらいの長さにし

          熟すということ。

          お化粧

          久しぶりにお化粧というものをして外出した。 といっても、外出先とは犬をシャンプーしてもらうためだけのお出かけで、夕方だったから陽射しもなく、日焼けを気にする必要はなかったのだが。 なんとなく、久しぶりに、きちんと身なりを整えて出掛けたいと思ったのだ。 年末から年明けにかけて、なんだかんだ人と会う約束が多かったり原稿書いたりゲラチェックしたり忙しかったので、この一、二週間滅入っていた。 犬の散歩以外は絶対外に出ないぞ! と決意するほどに。 (実際は恋人の買い物に付き合ったり、

          抱擁

           川端康成に「抱擁」という作品はあっただろうか。読んだ記憶はないし、調べても出てこない。  しかしそれは私の夢の中に現れ、私の体験として形になった。  概要はぼんやりとしか覚えていないが、芸子が主人公と恋に落ち、駆け落ちしようとしたところ、何故か殺人事件に発展してしまうというものである。  身も蓋もない夢で内容も薄いのだが、夢の中、それはとても美しい色と言葉に彩られ、私は恍惚としていた。

          逃げる恥だが役に立つ。

          今の家に引っ越してきて、もうすぐ一年になる。 知っている人も多い町ではあるが、道はまったくわからないし、 お店も前に住んでいた場所より少ないし、家から駅も遠い。 だから今でも結構頻繁に、「前に住んでいた家に戻りたい」などと思ってしまう自分がいる。 今の生活に不満があるわけではない。 私が寝たきりで動けない間、恋人はそっとしておいてくれるし、 小説もばりばり書けるようになったし、 悪夢を見てうなされることも減った。 (前はしょっちゅう大声で叫んだりしていたらしい) だから、色

          逃げる恥だが役に立つ。

          ローレライ

           車のヘッドライトがカーテンの隙間から部屋の中へ忍び込んでくる。照らされた天井がその光を受けて白く揺らめくので、まるで水底にいるみたいだ。  魔法は使えないけれど、魔法のような言葉なら持っている。  ローレライ。  そっと呟き目を閉じれば、今夜も君に逢えるような気がした。毛布を引きずり上げ、僕は目を閉じる。  いち、に、さん……数えて。数えているうちに眠りに沈んで。そして僕は、君を探すんだ。  夢の中、手を伸ばせば水の抵抗を感じた。口元から零れる泡がきらきらと天井に昇っ

          ローレライ

          鼠の話(20160429)

          花々の花粉で煙っているように思える空気と半月を過ぎた朧月。 どこからかやって来る藤の花の香りが鼻先をくすぐる。 気持ちのいい、春の宵。 いつも行く飲み屋で美味しいお酒とご飯を楽しんで、ほろほろと心地良く酔っ払って辿る、家路の途中だった。 「あ」 立ち止まって、足元を見る。 そこには、車にでも轢かれたのだろう、鼠の礫死体が転がっていた。 今、死んだばかりのようだ。 街灯の光を受けたピンク色の内臓がぬめるように光っていて、血が沢山出ているはずなのにそれはアスファルトの黒と

          鼠の話(20160429)

          夜の涯てに青が溢れる(20160422)

          君の首筋を噛んだら、朝が死んだ。 朝日の落ちる余韻が背骨に響いて、星々の囁きが迫るように聴こえだした。 いったいどうしてこんなことが起きたんだろう。 僕たちはふたり、いつものようにまどろみながら睦みあっていた。 「朝が来なければ、ずっと一緒にいられるのに」と君が言った後、半分夢の中にいた僕の頭の中で「彼女の首を噛んだら願いが叶うよ」という声がして、それをなんとなく実行しただけだ。 最初は何かの間違いか、これこそ夢に違いないと思ったけれど、待てど暮らせども朝は来ず、それがど

          夜の涯てに青が溢れる(20160422)

          祖母の食卓(20160415)

          四月に吹く風を身体で浴びるたび物悲しくなるのはきっと、その風が舞いあがらせる冬の死骸がもう手の届かないところへいってしまった大事な人たちのことを思い出させるからなんだろう。 * 祖母が死んだのは冬の初めだった。 祖母の庭で遊んだのはいつも真夏だった。 それなのにどうしてだろう、彼女の事を思い出すのはきまって、冬と春のあわいにあるこの曖昧な季節。 曇った空は心なしか明るく、景色は瑞々しさをたたえてこの時期特有の希望めいた予感に溢れている。 春を迎え入れるために人々は明るい

          祖母の食卓(20160415)