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【書評】 ユニクロ

ユニクロ

田舎の商店街から世界へ!ユニクロ創業者・柳井正の情熱と苦悩を描いた「柳井正 一代で世界企業を作った男」

誰もが気軽に手に取れるカジュアル衣料の店を作れないか

1972年、高度経済成長期の最後の盛り上がりを迎えた宇部。幼少期を過ごした銀天街は往時と変わらない賑わいを見せていました。

家業のメンズショップ小郡商事の実態は変わっていませんでした。店は当時と同じ2店舗。紳士服とVANというブランドを中心にマクレガーやラコステなど男性向けのカジュアルウェアを扱っていました。

しかし、若き柳井正はすぐに疑問を抱きます。この商売で、自分はこれからずっと生きていかなければならない。

でも、本当にこれでいいのか…。そう考え始めた時、幼い頃からずっと眺めてきた小郡商事の商売のアラが見過ごせなくなってきたのです。

金の鉱脈を見つけた男

もがき続けた10年間。柳井は自分自身と向き合い、ノートに「できないことはしない」「できることを優先順位をつけてやる」というシンプルな思考法を記しました。

そして、父から受け継いだVANのようなカジュアルファッションの可能性に目を向け、誰もが気軽に手に取れるようなカジュアル衣料の店を作ることを決意します。

ヒントとなったのは、アメリカで見た大学ショップでした。店員は話しかけてくるわけでもなく、もっぱら陳列棚の整理やレジ打ちに専念している。学生たちは思い思いに必要なものを手に取ってレジに並んでいく。

ユニクロ1号店、そして金の鉱脈

1984年6月2日、広島の繁華街である袋町に「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」という新しい店のコンセプトでユニクロ1号店をオープン。3万もの在庫をうたい、そのほとんどが1000円か1900円。やはり安さが売りでした。

大きなガラス扉を開けてお客を迎え入れると、売り場に客が殺到して陳列棚から奪い合うようにして服を手に取っていく。

あっという間に商品がなくなり、店員たちが補充に走る。柳井もこの時ばかりは興奮を隠しきれなかった。「僕たちは金の鉱脈をつかんだんだ」

金の鉱脈は幻だった!?

しかし、金の鉱脈に見えたユニーク・クロージング・ウェアハウスは2号店が失敗。当初は飛ぶ鳥を落とす勢いだった1号店にも陰りが見え始めました。

失敗から学ぶ男

このピンチに「僕は失敗の原因を考え続ける」という柳井は、すかさず次の手を打った。失敗の理由を因数分解した上で、繁華街がダメなら郊外で勝負してみてはどうかと考えた。

結果は郊外店の圧勝だった。ユニクロの郊外店には暮らしに余裕ができた子育て世代がクルマに乗って続々と訪れたのです。

暗黒の10年の末に見つけた金鉱脈

こうして、柳井は暗黒の10年の末に見つけたユニクロという金鉱脈を、徐々に軌道に乗せていったのです。

田舎の商店街から世界へ

本書は、田舎の商店街の小さな紳士服店の2代目として働き始めた柳井正氏が、ユニクロというコンセプトを創造し、成功と失敗を繰り返しながら、世界的なアパレル企業にまでたどり着く物語です。

柳井正という男

柳井正氏は、情熱と行動力、そして失敗から学ぶ力を持つ人物です。田舎の商店街の小さな紳士服店の2代目という決して恵まれた環境ではなかったにもかかわらず、常に新しいことに挑戦し続け、ユニクロという世界的な企業を創り上げました。


本書を読んだ感想として

柳井氏が田舎の商店街からユニクロという世界的ブランドを築き上げた物語は、非常に興味深く、学びの多い内容ですね。

柳井氏の成功の背後には、数々の失敗や困難があったことが鮮明に描かれており、その克服の過程が起業や経営において大いに参考となります。

柳井氏が経営を始めた1972年当時、小郡商事は安定しているものの、大きな成長の兆しは見られなかったとあります。

年商は1億円でしたが、利益はかろうじて出る状態でした。このような状況で、柳井氏は自身の性格や仕事の進め方を見直し、シンプルな思考法「できないことはしない」「できることを優先順位をつけてやる」を確立しました。

この考え方は、現在のビジネスパーソンにも大いに参考になるものでしょう。

また、柳井氏が海外視察を通じて得たインスピレーション、特にアメリカの大学ショップのシンプルな運営スタイルから「いつでも誰でも好きな服を選べる巨大な倉庫」というユニクロのコンセプトを生み出したことも興味深いです。

この発想の転換が、ユニクロの成功の鍵となりました。

1984年のユニクロ1号店オープン時のエピソードも感動的です。開店早々、商品が飛ぶように売れ、「金の鉱脈をつかんだ」との柳井氏の興奮が伝わってきます。

しかし、その後の2号店の失敗や1号店の陰りなどの困難に直面しても、失敗の原因を徹底的に考え抜き、繁華街から郊外への戦略転換を図るという柔軟な対応力も見事です。

柳井氏の経営哲学や行動力は、単なる成功談に留まらず、多くの失敗から学び続ける姿勢が成功の根底にあることを教えてくれます。

この物語は、読者にとってビジネスの参考書としてだけでなく、自己成長のための指南書としても非常に価値のあるものです。

私自身、この物語を読み進める中で、柳井氏の絶え間ない挑戦と成長の姿勢に深く感銘を受けました。起業や経営に関心のある方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。


本書を特におススメしたい人

  • 起業や経営に興味がある人

  • 何か新しいことに挑戦したい人

  • 挫折を乗り越えたい人

  • 柳井正氏やユニクロに興味がある人


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本書のまとめ

本書は、山口県宇部市の商店街で小さな紳士服店を経営する家業を継いだ柳井正氏が、ユニクロという革新的なアパレルブランドを創造し、世界的な企業へと成長させるまでの物語を描いています。

田舎の小さな店がいかにして大成功を収めることができたのか、柳井氏の経営者としての思考や行動を通じて、その秘密が明らかにされています。

物語は、柳井氏が東京での自由奔放な生活を終え、1972年に故郷の宇部に戻るところから始まります。

当時、家業である小郡商事は大きな変化もなく、年商1億円程度の規模でかろうじて赤字を免れている状態でした。

柳井氏はこの状況に疑問を抱き、将来への不安を感じ始めます。

周囲に相談相手もいない中、柳井氏は自宅で自分自身と向き合い、自らの性格をノートに書き記すことで、シンプルな思考法に辿り着きます。

この地道な作業を通じて、小郡商事の業績は徐々に回復し、地元での店舗拡大へと繋がっていきました。

柳井氏は、自身の模索を続ける中で、カジュアルファッションの可能性に目を向けます。

特に、アメリカの大学キャンパス内の大学ショップで見た無人のセルフサービス形式の店舗にヒントを得て、「いつでも誰でも好きな服を選べる巨大な倉庫」というコンセプトに行き着きます。

1984年、広島の繁華街にオープンしたユニクロ1号店は大成功を収めますが、2号店では失敗を経験します。

この失敗を通じて、柳井氏は繁華街ではなく郊外に店舗を展開する戦略に切り替え、これが功を奏します。

郊外店は子育て世代の家族に人気を博し、ユニクロは次々と郊外店をオープンさせることで成長していきます。

本書は、柳井氏の数々の挑戦と失敗を通じて、事業を成功させるために必要な要素や戦略を学ぶことができる内容となっています。

また、経営における自己分析の重要性や、シンプルな思考法の有効性についても触れられており、起業や経営に関心のある読者にとって非常に参考になる一冊です。


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