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名前を呼ばれることが、こんなにうれしいだなんて、noteするまで知らなかった。

今年も更けてゆく。ほんとうに終わってゆくんだなって。

今年初めに見た映画があって。

初めに見たのに今年のわたしの中のベストワンだと

思っている映画があった。

その映画のことを、書きたいと思っているのに

うまく書けないことも、薄々わかっていたから

そのまま寝かしておいた。

久々だったのだ。

映画を観て、ああよかっただけじゃなくて。

この物語は終わってしまうなんて、残酷だよ、と。

置いてきぼりをくらったのは。

1980年の夏のイタリア。

男の人と男の子の避暑地での物語。

出逢ったその人と別れて冬を迎えていた男の子。

ひさしぶりに電話でその人の声を聞く彼。

主人公である彼は、話をした後ひとり取り

残されたことを、さっきの電話のことばを

リフレインしながら知ろうとする。

暖炉の灯のゆらめきを、頬に映し出されながら、

じわじわとその人の不在感がまだじぶんのものに

なっていないことも知りつつ、暖炉の灯りを、

みつめてる。

そして彼の後ろでは、食卓の準備をしている食器を

セッティングしにきた母親になんどか名前を呼ばれて。

母親に呼ばれている時、彼の顔には暖炉のオレンヂ色の

灯りが灯されてゆく。

わたしは彼の名を呼んでいた夏の避暑地での彼の声を

思い出して、せつなくなった。

その声を背中に受けながら、エンディングになる。

母親に名前を呼ばれた時、主人公だけではなくて

観ているわたしたちも、ゆるやかに現実を知らされて。

いまという時間の薄紙をゆっくりと剥いでゆくと、

そこには、甘美な記憶にまだならないままの、

記憶すら消してしまいたいような時間が戻って

きてるというような。

映画って。

まるでじぶんの記憶になってゆくからすごいって

今さらながら打ちのめされていて、

その打ちのめされ方が尋常じゃなかったから

今年の1月だというのに今年の観た映画ベストワンに

してしまいたくなっていた。

わたしはnoteをはじめてから、ゼロの紙と名乗るようになった。

本名はもちろんあるけれど。ゼロの紙になってからいつも

風通しのよさに満足していた。

もともとどこの誰でもなかったし、本当の名前を名乗ったって

別に支障はなかったけど。

新しい名前をつけたかった。なにも想像しない名前をつけたかった。

その時とても参考にさせて頂いたのが彼。

なんて素敵な名前なんだって思って彼のnoteに通うようになった。

shortshortのキレに惚れました。

そしてエンディングを読んだ後また最初から読みたくなるような

仕掛け。

とどめを刺されているのに、またとどめを刺されに行きたくなる

ような魅惑の言葉たちに惚れて。

すぐにゼロの紙と名付けました。

ゼロは好きな数字。

いつでもゼロであるってちょっといいなって。

そして紙も好き。

ゼロと紙ならなにも想像できないだろうなって。

男とか女とか子供とか大人とかじゃなくて、ただ存在として

このnoteにいたかった。

ひととしていたかった。

ただそれだけの理由でした。

はじめてゼロちゃんと言ってくれたのは彼女です。

ちゃんって呼ばれるの何十年ぶりだろうって感じで

とてもうれしかった!

そして、次に名前を呼んでくれたのは彼女です。

この時もはじめてのコメントでそう呼んでくれて

すごくうれしかった。

次から次へとゼロちゃんって呼ばれるようになって。

コメント欄などで、そう呼びかけられるたびにわたし

ゼロちゃんなんだ。ゼロちゃんって呼ばれてる。

名前を呼ばれてるってこんなにうれしいことなんだって。

心の底から感じていました。

リアルでは名前を呼ばれてうれしいだなんて、ほんとうに

なかった。

そしてすこしずつ、わたしのこころのこわばりがとれて

きたのかもしれないです。

コメント欄ではほんとうにたくさんの人達にやさしさを

頂きました。ほんとうに感謝しています!

わたしの記事にスキをくださってほんとうにありがとう

ございます✨✨

そしてコメント欄でいつも、遊んでくれたみなさんありがとう

ございます✨✨

いつも書いている記事よりも、まなざしを遠くに放って言葉を

贈ってくれたみなさんがいてくれたから、今のわたしがいるん

だなってほんとうにしみじみそう思ってます。

2020年は大変な年でしたが、個人的にはこのnoteの街に住んで

こんなにかけがえのない出会いに恵まれたこと、忘れられません!

いつかこのnoteでの日々を愛おしく思い出すんだろうなって。

みなさん、どうぞよいお年をお迎えくださいね🎍

そして、また来年もどうぞよろしくお願いいたします。

では今年最後のYouTubeです。

主語のない 物語のページ めくられてゆく
駅名が 長いひとつの 名前だったとしたら



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