烏賊墨色ノ悪夢 第十一話
「三年前。美墨と一緒に【FUSCUS】の開発に専念するため、二人でこの屋敷に移り住んだ。美墨のためにアトリエも併設したわ。私達の出会ったオスロは港町だったから。海の見える場所がいいなと思って」
「海棠美墨が亡くなるまでの一年間、ずっと【FUSCUS】の開発を?」
「そうよ。美墨の性格、趣味嗜好、画風、記憶、思考パターン、美墨を構成するあらゆる要素を、私は当時開発していたAIに事細かに学習させていった。画風の修正には美墨からの意見を無限に取り入れて、画像生成AIとしての【F