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「知識」を「知恵」に育てたい

職場の新書担当に「何か良さげな新刊ある?」と訊かれたので↓を勧めました。未読ですがAmazonで内容紹介を見て興味を惹かれていたのです。入荷したら買おうかな?

落語を生で見たことは一度もありません。業界の事情も詳しくは知りません。漫画「どうらく息子」をコミックスで集めていて、あとは立川談春「赤めだか」を読んだくらい。前座時代の苦労話が刺さりました。私も営業会社で働いていた時代に少なからず体験した「理不尽極まりない」下積みの日々が赤裸々に記されています。

篠崎にある書店「読書のすすめ」のサイトでも落語の本を紹介していました。↓です。目次に書かれた「落語のルーツ=私説落語論」というフレーズに目を奪われました。

「落語とは、一口にいって人間の業の肯定を前提とする一人芸である」

談志さんの発言です。私でも知っているぐらいだから、かなり有名なフレーズなのでしょう。一方で、こういう名言を単なる「知識」として押さえているだけの人が多いと感じます。私がまさにそのひとり。落語の話が出るたびに「つまり業の肯定だよね」とドヤ顔で語っていました。お恥ずかしい限り。

せっかく取っ掛かりになる知識があるのだから、それを膨らませて本物の「知恵」にまで育てたい。己の血肉としたい。その意欲が芽生えたときこそ読書のタイミングなのかもしれません。

そしてこういう本に触れた後は、やはり実際にライブで楽しむのがいちばんでしょう。プロレスラーについて書かれたノンフィクションを読んで面白かったらプロレスを、プロ野球選手の著書に感激したらプロ野球を見に行くのが素直な好奇心というもの。頭でっかちにならない姿勢が逆説的に「知恵」の質を高めてくれると思いませんか?

というわけで、近い内に寄席へ行ってみます。楽しみです。

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