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「サンタさん」は静かに過ごしたい

クリスマスが終わりました。

あんなに華やかに飾られていたツリーやらライトアップやらがお役御免で撤去され、急に「日本の正月」ムードを前面に押し出してくる。商業施設の変わり身の早さにはいつも驚嘆します。

日本人は節操がない? いやいやそんなことに目くじらを立てるよりも、不条理満載の激務を耐え凌いだスタッフの奮闘を称えましょう。本当におつかれさまでした。皆さんこそサンタさんです。

大らかな国民性は悪いことばかりでもないし、みんなが幸せなら問題ないという見方もできます。面白ければいい、楽しめればいい、ビジネスになればいいと。尤も稼いだお金の多くが誰の懐に落ち着くかはまた別の話です。聖なる夜に働いていない連中が大半を掠めていくのかもしれない。

「ねえ、サンタさんのプレゼントは誰があげるの?」小さなお子さんが両親にそう訊ねる光景を見ました。素晴らしい感受性。一瞬だけ疲労を忘れました。

そんな私が今年のクリスマスにヘビロテした曲はこちら。

忌野清志郎 + 坂本龍一の「い・け・な・い ルージュマジック」です。

クリスマスソングじゃありません。ただのはっちゃけたロックです。なぜ? 答えは歌詞の中にあります。「他人(ひと)の目を気にして生きるなんてくだらない事さ」

家で厳かに祝うのも自由、外で楽しむのも自由、カネ儲けに励むのも自由。他人の目など気にしなくていい。だったらひとりで静かに過ごすのも自由。ですよね? 恋人や家族の有無とはかかわりなく。

光り輝くクリスマスを過ごせた人へ心からの祝福を、そうじゃなかった人には伊坂幸太郎「AX(アックス)」に記された名言を贈らせてください。

「暗いというのは、単に、静かに日々を楽しむことができる、ということですよ」

元気が湧き上がる小説です。頑張った自分へのちょっとしたプレゼントにぜひ。

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