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水平線に僕が立ったら

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読み返したい、個人的に好きな記事を集めています。
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#エッセイ

この世で、たったふたりぼっちの世界だった。

生まれる時も、死んでゆくときも ひとりだけれど。 生まれる時に、ひとりなんだけど ひとり…

透き通る月|短編小説

 死のうと思った。今どき心中だなんて笑ってしまいそうだけれど、私はこの人と──伊月さんと…

腹の奥の不幸へ

記事を書き溜めないようにしている。 読み直す、っていうのが疲れるから。 怒りや憎しみが滲…

松永ねる
2年前
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死のうと思っていた。

"死のうと思っていた。" 太宰治の「葉」という作品の冒頭である。おそらく高校生の頃だかに…

賢く麗しく孤独すらも突き放せば、

感染症はいろんな型に変化してまだまだ完全終息には程遠く、いい加減飽きたなあと思いながらも…

K.
2年前
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「恋」と「憧れ」の違い|デミロマンティックの私に見える世界

私は、あまりにも人を好きになる頻度が少なすぎて、自分の「恋」の定義が間違っているのでは?…

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笛の音が聞こえたら、どこでも飛んでいくから

実家の僕の部屋には、木で出来た笛が置いてある。 吹くと、フクロウの鳴き声に似た音を奏でる。 もうかれこれ20年程吹いていないけど、それは僕にとってかけがえのない宝物だ。 『親友の証な』 そんな言葉と共に笛を僕にくれたのは、小学校の同級生だった。 彼は3年生の頃に転校してきた。 僕と仲良くなったのは5年生の頃。出席番号が一つ違いだった僕達は、自然とよく話すようになった。 話してみると、不思議なくらい気が合った。 友達グループ3、4人で遊ぶこともあったけど、2人で会うこ

記号のようなもの

 生物学的な性別を、実感する瞬間がある。  それは、月に1度のはずだった。  スマートフォ…

水野うた
3年前
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セックスとジェンダーの海に浮かぶ孤独なラッコとしてのわたし

セックスとジェンダーを思うとき、わたしのまぶたの裏にはいつも海が映し出される。その海の端…

伊藤チタ
3年前
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もう感情に最適解を求めない

生身の人間の感情に、"適切さ"も何もあるもんか。むしろそんなものあってもらったら困る。常に…

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あの日、鍵をかけた言葉を

 おはようございます。気温も下がってきて、しみじみと感性が揺れ動く秋が待ち遠しいですね。…

atom.
3年前
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夏のおわる夜。

「これは絶対私にしか分からない、っていう感情があるんです」 数年前のお盆の集まり、法要で…

Green beans
3年前
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手紙

君に伝える言葉がわからなくて、こうして手紙みたいにして話してみることにしたよ。 僕は、こ…

松永ねる
3年前
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普通ってなんだろう? わたしには、これが普通なんだけど。

 ちょっと!それ失礼じゃない? マジで? 普通、スルーしないでしょ!  そう言ったのは、娘の入部以来なかよく友達づきあいをしている野球部母。わたし、普通じゃなく失礼なことをされたのかな?って思ったら、何となくもやもやした。  いや、別にいいんだー。  時々あることだし、ぜんぜん気にしてないよ。  いやいやいやいや、普通に失礼だって!  本心から言った「気にしてないよ」を、全力で否定された。  もやもやが、さらにもやる。   ❅ ❅ ❅    ことの発端は、プロ