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#循環
そういうものはそういうことだから。
季節的にも、今頃だっただろうか?
うつらうつらとしていたら、あの日のベンチに座っていた自分を手繰り寄せていた。
確か、杉並区の妙正寺川の近くの公園。
あの時は、精神的にズタボロだった。精神的に追い詰められて余裕がなかった。笑顔なんて嘘のように忘れて、高校時代に読んだシェイクスピアの登場人物のように、苦悩に満ちた表情をして生気を失っていた。休みだから、髪はボサボサで化粧っ気なしのすっぴんにキャ
Automatic。
スタイリストの補助をしていた頃。
衣装を運び込む作業の途中で、
ある女性と少女を見かけた。
少し手前で止まり、通路を譲った。
二人は、ドアを開けられて、入室して行く。
小柄ながら、背筋の伸びたスタイル
あの強い眼差し。自分の親世代。
リアルタイムには知らないけど、有名な歌手だと
いうことは分かっていた。
その後ろから、線の細い、大人びた少女が、
戸惑いを隠せないような雰囲気で付いて行く。