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なんでもない。

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記したつもりが消えていくもの。
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#一期一会

そういうものはそういうことだから。

そういうものはそういうことだから。

 季節的にも、今頃だっただろうか?
うつらうつらとしていたら、あの日のベンチに座っていた自分を手繰り寄せていた。

 確か、杉並区の妙正寺川の近くの公園。
あの時は、精神的にズタボロだった。精神的に追い詰められて余裕がなかった。笑顔なんて嘘のように忘れて、高校時代に読んだシェイクスピアの登場人物のように、苦悩に満ちた表情をして生気を失っていた。休みだから、髪はボサボサで化粧っ気なしのすっぴんにキャ

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記憶に残る。

記憶に残る。

 時に神様は粋な悪戯を与えてくれるものだ。

 大ホールで聴いたピアノの演奏の余韻が残る中、冷めやらぬ感情の畝りを隠しながら悩んだ。一期一会。これも何かの縁ならば、これを機に連絡先を聞いてもいいのかも知れない。出会いは必然。でも、素敵な想い出は、そのままの方が美しく強く濃く留まるものだと相場が決まっている。

 未来を望まなければ、失望することも無い。

 もうすっかり夕闇に包まれた上野駅前の広場

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馬を水飲み場までは、連れて行けるが、その馬が水を飲むかは、その馬が選択するんだよ。

馬を水飲み場までは、連れて行けるが、その馬が水を飲むかは、その馬が選択するんだよ。

★子どものことを「あなたが生まれてきて良かった。私の宝ものだよ!」と言って抱きしめてあげることが大切。

★自分の親に「ありがとう。元気でいてね」ときちんと言うこと。

★子どもは親の言うとおりに育つのではなく、親のするとおりに育つもの。

★きちんと叱る事は、褒めることと同じ。むしろ大切。

★夢は自分で叶えるもの。子どもに夢を託してはいけない。

★たくさん褒めて、育てる。美しい言葉とともにち

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Automatic。

Automatic。

スタイリストの補助をしていた頃。

衣装を運び込む作業の途中で、
ある女性と少女を見かけた。
少し手前で止まり、通路を譲った。
二人は、ドアを開けられて、入室して行く。

小柄ながら、背筋の伸びたスタイル
あの強い眼差し。自分の親世代。
リアルタイムには知らないけど、有名な歌手だと
いうことは分かっていた。

その後ろから、線の細い、大人びた少女が、
戸惑いを隠せないような雰囲気で付いて行く。

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