会社で生き残るのは正しい人ではなく文化に合う人
厚労省の統計調査によると、人間関係は離職理由として特に大きなものです。会社という場所は生活の糧を得るために色々な人が集まっているため、どうしても合う合わないがあったり、性格が悪い人がいたりします。
なんであいつがのさばっているんだ?という意見も聞きますし、私ものさばっている腹立たしいヤツ認定されたことが何度かあります。
一方で私は嘘つきや他責的・保身的な人が大嫌いです。そういう人からケンカを売られることはよくあります(そういう人は色々な人にケンカを売っているものですが)。でもそういう人でも生き残っていたりするのが会社です。
それではなぜ人間関係のトラブルが多い人でも、性格が悪いくてケンカばかりする人でも、もっと言うと姑息な人でも会社という場所で生き残るのでしょうか?私は文化がキーワードではないかと思うのです。
腹立たしい人はどうしてもいる
残念ながら会社という場所には性格の悪い人や相性の悪い人はどうしてもいます。自分が昇進・昇格したときに、そういう人の嫉妬を買って攻撃されることもあります(私もありました)。
ライバルとの競争に勝って昇進し、ライバルが懇意にしていた外注先との取引を停止したなんて人もいました。エゴ感がすごいですが、出世競争があるがゆえですね。
こういう人が社内で目立っていることもあります。でもこういう人からしたら私やあなたが目立っていて腹立つ人である可能性もあります。
人が沢山集まれば相性の問題が発生します。それゆえこういういざこざはどうしても発生します。
だからケンカを売って来た人がのさばることもありますし、相手からしたら腹立たしい人がなぜ優遇されているんだ!と腹を立てていたりします。
ましてやサイロ化が進んだ組織では、部署が違うだけであいつらは敵とか、なんであいつらは評価されているんだという不満が出てきたりします。
しかしこれらはいずれも個人のエゴでしかありません。個人の好き嫌いで会社を動かしてはいけません。
あるべき論は理想論
私はケンカを売ることは悪いことだと思っていますし、出世競争で他人をわざと蹴落とすことはフェアじゃないと思っています。
しかし性格が悪い人は排除、ケンカを売った人は排除では人がすぐに減ってしまいます。またそういうことする人は欲深く保身に積極的なことが多いため、被害者ぶって労基署に駆け込んで、報復するかもしれません。
しかしすべての人にケンカを売る人はいません。ケンカばかりしている人でも仲がいい人は少数ながらいたりするものです。これもまた相性ですね。
Aさんから見たらBさんは腹立たしい、でもCさんから見たらBさんはいい人。こんなことが起こるのが人間関係です。嫉妬したくなる相手、意見や価値観が合わない相手であることも含めて相性問題です。
現実的な解
人間関係のトラブルをよく起こす人でも、相性の合う人は少なからずいます。だから現実的には相性が悪いと解ったら引き離して、別々の場所で活躍してもらうのが現実解です。
会社に嫌いな人がいるという人は少なくないと思います。人間関係の不満は離職理由で長年一番です。
合わない人がいたら上司と相談しましょう。間違ってもケンカを売ったり悪口を言ったりしてはいけません。
それでは上司から面倒な人だと思われますし、社内の人からもあの人は感じ悪いという印象を持たれます。結果的に自分で自分の居場所をなくすことになります。
自社の文化を知ろう
会社の文化によっても人間関係は変わります。
人間関係があまり重要でない会社もある
個人主義(ソロプレイが多い、歩合制、派遣型など)や競争重視の会社では、社内の人と人間関係を築く必要性があまりないため、性格が悪くて人間関係のトラブルをよく起こす人でもあまり問題になりません。
こういう会社では個人の業績で評価も会社の売上も決まります。よって協調性よりも競争意識や負けず嫌い、切磋琢磨などが重視されます。
そのため好戦的な人や協調より競争という人が集まることもあります。また競争を積極的にする人のい方が意欲が高いとみなされることもあります。
特に成績や社員等級を公表して競争を煽ったり、外発的動機付け(要するに金銭的報酬)を重要視していたりする場合は気を付けましょう。
こういう職場は人間関係よりも自己実現に重きを置いています。人間関係よりもスキルアップや報酬獲得を重視する人に合った職場です。
またプロジェクト型の仕事が中心の会社も、人間関係があまり問題にならない可能性があります。プロジェクトは期間がありますので、相性あるいは性格が悪い人と一緒に仕事をするのは一定期間だけです。
すると相性あるいは性格が悪くてケンカしても、他のプロジェクトに移せばいいとか、プロジェクトがもうすぐ終わるから我慢しろという話になります。
人間関係が重要な会社もある
チームワーク中心の会社、いつも同じメンバーで仕事する職場では、協調性が重要です。そのため人間関係を上手くやれる人の方がよいです。
こういう会社で性格が悪くてケンカを繰り返すと、その度に別の場所に異動させられ、最終的には居場所がなくなって辞めざるを得なくなります。
ただしこういう会社が人間関係が必ずしもいいわけではありません。比較的いい方だと思いますが、相性問題はどうしても発生します。
また古参社員で性格が悪い人が実権を握っているケースがたまにあります。この人には誰も逆らわないみたいなことになっていて、この人の部署だけ雰囲気が悪い、あるいは離職率が高いというケースがあります。
文化への適合性を考えよう
以上から会社の文化に合うかどうかは重要なのです。文化によって合う合わないが大きく違うのです。
会社の文化に合った人は古参社員と息が合うため、多少の問題があっても評価されやすくなります。それがまたあいつはなぜ優遇されているという不満につながることもあります。
そもそも自分が会社の文化に合っているのかも考えてみましょう。無理に自分を抑えたり曲げたりしても、苦しいだけです。仕事内容よりも文化へのマッチングが大事です。
まとめると下記のようになります。文化に合う合わないは、長所と短所は裏返しと似ているのです。ある人の評価が(主に人格面で)人によって大きく変わるのもこういう相性や長所・短所の裏返しがあるのではないかと思います。
人は自分を基準に考える癖があります。自分に合う/合わないで正しい/間違っているを決めてしまいがちです。
しかし会社においては文化というものがあり、社員個人にとって正しいかどうかではなく、会社にとって合う/合わないが意外と重要です。
終わりに
会社にとって、個人の好き嫌いよりも会社の都合が大事というのが現実です。だから会社の文化に合えば生き残るし、合わなければ辞めていきます。
個人の好き嫌いや相性、価値観で一概に言うことはできません。確かに人間関係でストレスはありますが、それは主観的なものです。
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