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国内大学院プログラムについて(USCPA取得後の選択肢)

こんにちは。べえたです。

これまで、このnoteでは、USCPA合格後の選択肢の1つとして、ロンドン大学の会計学修士プログラムについて、ご紹介してきました。

今回は、USCPAの資格や学習経験を学業に生かす、もう1つの選択肢として、国内大学院プログラムをご紹介したいと思います。


国内大学院プログラムの魅力

ロンドン大学の会計学修士プログラムは、当然のことながら全ての講義や教材が英語で構成されており、修了するための最大のハードルが語学力となります。

この語学力のハードルをクリアすれば、

  • 短期間で修了可能

  • 低価格で受講可能

  • 柔軟なスケジュール

という、大きなメリットを得ることができるのですが、USCPAの試験とはまた異なるレベルの英語力が求められるため、実際にはかなり苦労する場面が多くあると考えられます。

この点、国内大学院であれば、主たる言語は日本語でのやり取りが可能であり、そのハードルは大きく下がると考えられます。

また、日本国内での知名度は日本の大学のほうが高いケースも多いため、この点でも、国内大学院は有力な選択肢となります。

では、ここから、実際のプログラムを紹介したいと思います。

京都大学 経営管理大学院

東京大学と並び称される、日本を代表する大学である京都大学のMBAプログラムを受験することができます。

プログラムの名前は、ファイナンス・会計プログラムの1年半コースです。
通常、MBAを取得するためには2年間の学習期間が必要ですが、このプログラムは名称からもわかる通り、1年半での修了が可能です。

ファイナンスや会計のプロフェッショナルとしての実務経験が求められており、それらの実務経験に加えて、以下の資格を保有していることが出願要件となっています。

【出願要件資格一覧】

  • 公認会計士2次試験合格かつ実務経験1年以上の実務経験者

  • 税理士 資格取得後3年以上の実務経験者

  • 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

  • 日本アクチュアリー会 正会員

  • 国家Ⅰ種試験合格者で金融庁、財務省主税局、国税庁・各国税局(各税務署を含む)、(旧)大蔵 省主税局・銀行局・証券局に3年以上の勤務経験者

  • 米国公認会計士 資格取得者

  • 米国証券アナリスト登録者 Chartered Financial Analyst (CFA)

  • 米国アクチュアリー登録者 member of American Academy of Actuaries (AAA)

  • 国際公認投資アナリスト(CIIA)登録者

かなりの難関資格と並んで、USCPAが出願要件の資格として指定されていますね。

もちろん、出願すれば誰でも入学できるわけではなく、出願後には、以下の配点で選考が行われます。

  •  第1次選考(書類選考)の成績 (配点200 点)

  • 英語力検定試験(TOEFL・IELTS・TOEIC)スコア (配点100 点)

  • 面接の成績 (配点200 点)

取得できる学位は、経営学修士(専門職)となります。いわゆるMBAですね。

日本を代表する大学のMBAであり、受験要件の専門資格も極めて難易度が高いものが指定されているため、選考の競争も激しいと予想されますが、ファイナンスや会計の分野でプロフェッショナルとしての第一線でのご経験がある方にとっては、一考の価値があるのではないでしょうか。

なお、京都大学のMBAプログラムは、修了のためには平日昼間の単位取得も必須となるため、フルタイムで働かれている方は、職場との調整が必要となる点について、ご注意ください。

また、京都大学によると、2025年度以降は、現在のプログラムを発展・再編した形の新プログラムを適用する予定とのことですので、このプログラムにも変更が生じる可能性がありますので、実際の出願前には、必ず最新情報を確認いただければと思います。

公式サイトは以下のリンクからアクセス可能です。
1年半コース | 京都大学経営管理大学院 (kyoto-u.ac.jp)

青山学院大学 会計プロフェッション研究科

近年は箱根駅伝での活躍でも知られる名門大学の青山学院大学が設置するプログラムである、会計監査/税務マネジメントプログラム(リカレント・コース1年制)をご紹介します。

このコースも、プログラム名に記載がある通り、1年間での修了が可能であり、USCPAの資格を活用して受講期間を短縮できる効果があります。

【出願要件資格一覧】

  • 公認会計士

  • 税理士

  • 米国公認会計士

  • 弁護士

  • 公認会計士試験論文式試験合格者

  • 税理士試験(5 科目)合格者

  • 米国公認会計士試験合格者

先ほどご紹介した京都大学のプログラムと同様に、日本の難関資格に加えてUSCPAが出願要件資格となっていますね。
また、ライセンスを取得していない、試験合格者でも出願が可能であるのも特徴です。

出願後には、以下の内容で選考が行われます。

  • 書類審査

  • 口述試験
    (日商簿記2・3級の範囲の専門用語の意味、会計処理や仕訳等)

また、青山学院大学のプログラムは、フルタイムで働いている社会人を対象として念頭に置いていることもあり、平日夜間と土曜日の単位のみで修了することが可能です。
働きながらの修了を目指す方にとっては、大きなメリットのあるプログラムですね。

取得できる学位は、会計監査修士(専門職)または税務マネジメント修士(専門職)となります。
監査と税務のプロフェッショナルとなる方にとっては、魅力的な学位を得られるプログラムだと言えるでしょう。

余談ですが、青山学院大学 会計プロフェッション研究科は、この他のプログラムでもUSCPA受験者の学習支援プログラムを設定しているなど、大学としてもUSCPA取得に力を入れています。
大学当局からも、USCPA取得者がリスペクトされているのは嬉しいですね。

公式サイトは以下のリンクからアクセス可能です。
||| リカレント・コース1年制 - GSPA<青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科> ||| (aoyama.ac.jp)

まとめ

今回は、USCPA資格を受験要件として活用できる、国内大学院プログラムをご説明しました。

これまでご紹介してきたロンドン大学のプログラムとは異なり、出願準備の負荷が高いこと、出願後の入学が保証されていないことや、1年以上の学習期間が必要となる点などには留意する必要があります。

しかし、日本語をベースにして学習を進められるというメリットがあり、国内での大学の知名度をそのまま生かしやすいという点も魅力的ですね。

全体の3分の2の単位をUSCPA資格で補完できるロンドン大学ほどではないですが、いずれのプログラムも資格取得者の修士号取得負荷を軽減する措置が取られており、この点も大きなメリットと言えるでしょう。

ご自身の経験を生かして学業を通じても専門性を高めたい方は、USCPA合格後の選択肢の1つとして、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

このnoteでは、英語と会計両方を学ぶ、ロンドン大学会計学修士プログラム(MSc in Professional Accountancy)や米国公認会計士(USCPA)を中心に、概要のご紹介や学習法アドバイスなどを発信しています。

もしよろしければ、これまでの記事や今後の記事もご覧いただけると嬉しいです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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