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徒然日記

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#読書

徒然日記~久しぶりの読了

誉田哲也の『ソウルケイジ』読了。
ここ数ヶ月で、新しい小説を最後まで読みきる、ということがなかったような気がする。
とにかく、「原稿」のことばかり考えていて、資料以外の本を開くと、頭に原稿のことが戻ってきて、集中できなかった。
物語の世界に頭まで浸かること、自分をとにかく引っ張ってくれるだけの力を持つ物語体験が欲しかったのかもしれない。
そう考えると、映画館というのは、とにかく物語と向き合うための

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徒然日記~マンガ『舞子さんちのまかないさん』

 サンデーうぇぶりで、5巻分が無料配信中の漫画『舞妓さんちのまかないさん』を、何気なく読み始めたら止まらなくなってしまった。

 実は連載が始まった時、第一回をちらりと雑誌で見たことがある。
 その時は、「ほっこり系のグルメ漫画」の一種で、舞台設定が変ってるなあ、などと思ったものだった。
 「美味しそうなものの出てくる」話は、もはや一つの大きなジャンルを成している。
 またか、と正直思わなくもなか

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徒然日記~梶よう子『東都の藍』を追いかけて

最近のマイブーム、と言って良いのかどうかはわからないが、エンタメ系文芸誌のバックナンバーを図書館で探しては捲っている。

きっかけは、絵師(画家)を主人公にした小説が読みたいと思ったから。
そういえば、梶よう子さんが『東都の藍』で広重を書いていた、ということをふと思い出して調べてみれば、すでに連載自体は終わっている。
が、単行本になるのはいつか・・・が、まだわからない。
その時点で、待てない、と感

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徒然日記

明日、新しい案件について、一度先方と会う予定。
どうなるのか。
私に何をもたらすのか。
「未知の事態」を目の前にして、「道が開けている」ことに対するワクワク半分、おののき半分、といったところか。
その状態で、この一週間を過ごしてきた。

さて、どうなる。
気がつけば、そのことで自問自答してばかりいる。

落ち着かせるためには、何か夢中になれるものがあれば良い。
例えば、読書。
読んでいるのは、高山

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徒然日記~イヤミス

何でまた、と自分でも思うが、イヤミスブームが私の中に来ているらしい。
真梨幸子さんの短編連作を二冊読了したところだ。
最近の私にはちょっと珍しいペースかもしれない。
湊かなえは、一冊一冊の内容が濃すぎて、胸焼けしそうなくらいだったのに。
だが、新しい作家さんを開拓できるのは良いことと思う。
そして、こうも考えることがある。
「私が小説書いたら、イヤミスっぽいのが少なくとも一篇は書きそう」

徒然読書日記~額賀澪『転職の魔王様』を読みながら

思い切って、額賀澪さんの『転職の魔王様』を、キンドルで購入。

通勤電車の中で読み始めたが、思った通りはまった。

読んでいると、身につまされる内容が多い。

例えば、

・「必要とされたい」という実感を求めることは、すなわち「他人の物差し」に自分を預けること。

・転職したい、と思っている人で、「自分が何を求めているのか」がはっきりしていない人は多い

どちらも、わが身に当てはまりすぎる。

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読みたい本~『転職の魔王様』

読みたい本~『転職の魔王様』

「あ、新刊出たんだ…」

その本を見つけたのが、原稿にひと段落つけることができた日の帰り道だったのは、偶然だろうか?

額賀澪さんの新刊。

彼女の本は、『タスキメシ』とその続編『タスキメシ箱根』、『競歩王』、『完パケ!』そして、『できない男』、と何冊か読んできた。

まだ手を付けていない作品の方が多いのが現状だが(これは額賀さんに限らない)、好きな作家を挙げろと言われたら、間違いなく彼女の名前は

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恩田陸『木曜組曲』を読みながら

恩田陸『木曜組曲』を読みながら

 『木曜組曲』は、私が初めて触れた恩田陸作品だった。

 恩田陸のデビュー作である『六番目の小夜子』については、「面白い」らしいとは聞きながらも、なかなか手に取れなかった。

 理由は、中高生を主人公にした青春小説というものに苦手意識を抱いていたから。それは、今でもあまり変わっておらず、額賀澪さんの小説も、名前を知ってから手に取るまでに1年くらいかかった。

 それに対し、『木曜組曲』をすんなりと

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徒然日記~古きをたずねて

恩田陸の『木曜組曲』を、行きの電車で読み始める。

この小説は、大学院生の頃に図書館で借りてはまり、手元に置きたくなって購入。表紙がボロボロになるまで、持ち歩き、読み返していたのも、今では思い出。

数年間、手に取らず、本棚の片隅にあり続けた。

特にここ最近は、とにかく新しい本(コンテンツ)を開拓しようとする傾向が強かった。

あれもこれも、とアンテナに引っ掛かること自体が良い、と思っていたが、

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徒然日記~『八重の桜』

 今更ながら、『八重の桜』にはまりそうだ。

 今、ノベライズ版『八重の桜(一)』を読んでいるのだが、ストーリーにどんどん引き込まれていく。

 大河ドラマの放送当時、ほとんど見ていなかったのが悔やまれる。が、見方を変えれば、当時は私にとっては「出会うべき時期」ではなかったとも言えるだろうか。

 今年8月、NHKで、大河ドラマの穴埋めとして放送されていた『麒麟が来るまでお待ちください』で、『八重

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徒然日記~日記エッセイについて

 好きな本のジャンルの一つに、日記エッセイがある。
 特に好きなのが、幻冬舎文庫から出ている小川糸さんのエッセイ。
 読んでいて暖かいからだ。
 せかせかした日常を送りがちな中で、ほっこりと優しい灯りを点してくれる。
「ちょっと一休みしてごらんよ」
 と暖かいスープの入ったカップを差し出されるかのよう。
 疲れて、何も考えたくない(考えられない)、なにもやる気が起きないなあ、という時に、彼女の日記

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徒然日記~美味しい小説

 図書館が昨日から開館。
 私の出勤は今日からなのだが、やはりというか疲れた。
 こういう時は、何か暖かくて美味しい物が欲しいな、と思う。
 何と言おうか、手作り感がある、そう、お弁当。

 せめて想像の中でも感じたい、味わいたい・・・そんな思いから、帰宅後、『弁当屋さんのおもてなし』シリーズの一巻目を読み始めた。
 短編連作という形式がちょうど良いし、何よりこのような食べ物系の小説は、美味しそう

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徒然読書日記~ロスジェネの逆襲

 異動1日目。
 これからのことも考え、確実に混む、1、2本は見送らざるを得ないであろうバスを避けて、徒歩で新しい職場へ。(新しい、と言っても、実際は「出戻り」だが)
 覚悟はしていたが、ユニフォーム一式も抱えて10分以上歩くのは楽ではない。そうでなくとも自分がもっとサクサクと歩けないのがもどかしい。

 ・・・しかし、このような時間があったからこそか。
 昼休みに、本を開いた時の喜びは大きかった

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