見出し画像

【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】さつまいもで美ボディ!?

『いしやーーきいも、やきいも~ ♪ 』冬の風物詩、焼き芋屋さんの車がだんだんと近づいてくる音がしてくる。
やいきもといえば、以前はよく焼き芋屋さんの車を見かけましたが、今ではあまり見かけることがなくなり、スーパーやコンビニでの販売のほうが多くなったような気がします。

鍼灸治療では、症状の改善に役立てる、日常的な養生の方法のひとつとして、食生活上で気を付けることをお話することがあります。
今回は、そんな食養生の中から、『さつまいも』をとりあげ、そのヒミツ、さつまいもパワーのすごさをご紹介していきます。
『5.さつまいもの簡単レシピ』では、さつまいもを使った簡単レシピ【さつまいものフレンチフライ】をとりあげています。
では、最後までお楽しみください。

1.さつまいもの由来

さつまいもは、ヒルガオ科に属し、別名を甘藷(かんしょ)と呼びます。
中米熱帯域、南米のペルーあたりを原産とし、日本には中国の福建省を経て、1698年に薩摩(現在の鹿児島)に伝来して、江戸時代から栽培が始まりました。
日本での産地では、鹿児島、茨城に続き、なんと千葉は3位につけ、全国シェアは12.5%となっています。
あらためて、筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』が位置する千葉という土地は、全国でもトップクラスの生産量を誇る、さつまいもの生産地なのです!

2.千葉とさつまいも

鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市千葉駅の近くにありますが、周りのスーパーには様々な種類のさつまいもが並んでいます。
千葉で生産されている、さつまいもの品種は非常に多く、ベニアズマ、大栄愛娘、さわらっこ、べにはるか、シルクスイート、などと呼ばれるものがあり、甘さの強いもの、ほっこりとしたもの、ねっとりとしたものなど、それぞれに特徴を持ちます。

千葉でサツマイモが栽培されるようになったのは、江戸時代(元文年間)、八代将軍吉宗の命により、飢饉を救うためのさつまいもの試験栽培が、青木昆陽(あおきこんよう)によって現在の千葉市幕張で行われた、という古い時代に由来します。
その後、数年をかけ栽培は成功し、その後全国に広がり、飢饉に苦しむ農民たちを救ったという、言い伝えがあります。
今では、その昆陽の偉業をたたえて、昆陽神社(別名「芋神さま」)が、千葉の地の幕張に設立されています。

3.栄養学としての効能

さつまいもは、アルカリ性食品で、食物繊維、ヤラピン、ビタミンC、ホルモン様物質を含むことが、栄養学的な特徴です。
食物繊維は水溶性と不溶性にわけられますが、さつまいもに含まれる食物繊維は、セルロースという細胞壁の主成分であり、腸内でもほとんど分解されないことから、腸壁を刺激して整腸作用を発揮し、便秘解消が期待できると考えられています。
ヤラピンは、さつまいもを切った時に出る乳白色の汁に含まれる成分で、これも便秘解消の予防に効果があるといわれています。
さつまいもに含まれるビタミンCは、加熱に強い特徴をもちます。
ホルモン様物質は、肌の老化を遅らせる、美肌作用が期待できます。

このように、読者の女性の皆様にとって、整腸作用と美肌作用を持つさつまいもは、美ボディを手に入れる、とっておきの食材であることが、おわかりいただけましたでしょうか!?

ただし、さつまいもの食べ過ぎは胃酸の高まりによる胸やけを誘発しますので、ご注意くださいネ!

4.東洋医学的な効能

東洋医学的には、さつまいもは以下のような属性と効能をもちます。
【性質と味】 甘、平
【関連する臓腑経絡】 脾・腎経

①補中益気(ほちゅうえっき)
胃腸を丈夫にして、消化吸収能力を高める。
胃腸の弱り、栄養不足・栄養不良、消化不良、下痢、浮腫みに効果的。

②生津(せいしん)
口の渇きを伴う咽頭痛に効果的。

③瀉下(しゃげ)
腸の調子を整え、便の乾燥、習慣性便秘に効果的。

④養肺(ようはい)、潤肺止咳(じゅんぱいしがい)
衰弱した肺の機能を高めて、肺を潤して咳を防ぎます。
慢性的な咳と喘息、気管支炎に効果的。

5.さつまいもの簡単レシピ

さつまいもを買ってきたけど、焼く、蒸す以外の食べ方がわからないで困ってしまう人、案外多いようです。
そんな方へ、とっても簡単でおいしい、さつまいもを使ったレシピをひとつご紹介します。

【さつまいものフレンチフライ】

1.下ごしらえ
さつまいも適量、揚げ油、塩 を準備します。
さつまいもは、好みに応じて皮をむき、短冊状(スライスなど、このみの形状でOK)に切りにし、水にさらした後、キッチンタオルなどで水分を切ります。

2.揚げる
揚げ油できつね色になるまで揚げます。
きつね色になったら油を切り、お皿に盛り付け、塩をふりかけて完成です。
揚げ油を用意するのが面倒な時は、フライパンにサラダ油(ごま油でも風味がでておいしいです)をひき中火で熱して、さつまいもがかりっとするまで揚げ焼きにするのも、簡単でおすすめです。

塩のかわりをのりしおやコンソメにしたり、七味マヨネーズやケチャップなどのディップにしてつけて食べてもおいしいですよ!

日本では、フレンチフライといえば『じゃがいも』ですが、筆者がアメリカ旅行に行った時には、さつまいものフレンチフライも、じゃがいもと同じくらいよく見かけました。
その時に初めて食べた、ほくほくして甘くて塩味が少しきいた、あの独特のおいしさの体験は、今でも忘れることができません!

食べきれずに残っているさつまいもありませんか?
ぜひ一度簡単レシピをお試しくださいね。

そのほか、インターネット上には、さつまいもを使ったレシピがたくさん出回っています。
それらを活用して、さつまいもを上手に食生活にとりいれて元気になりましょう!

なお、最後においしいさつまいもを選ぶためのコツですが、
以下のようなポイントを参考にしてみてください!
①皮は色が濃くて、つやつやとしている
②ずっしりと重量感がある
③表面の毛穴が浅い
④切り口からヤラピンがでている

いかがでしたでしょうか?
『さつまいもで美ボディ!?』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸ほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

https://ayakazari.com/

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?