【ハロウィンレシピ】母から繋がるたすきリレー・家でカステラが作れるなんて|かぼちゃカステラと母の想い
小さい頃、母はこわい人だと思っていた。
少し潔癖で、干してある洗濯物に少しでも触れると怒られた。
梅干しが嫌いだったのに、出された梅干しを食べるまで学校にいけず、遅刻したこともある。
他にもいっぱい思い出があったはずなのに、なぜこんなことばかりよく覚えているんだろう・・・。
ハロウィンが近いから、かぼちゃで何かお菓子を作ろう。
かぼちゃプリンにかぼちゃクッキー。
何か他には・・・。
探してみたところ
「カステラ」
の文字が浮かんだ。
(カステラが家でできる!?)
(本当かな?)
どうしても気になったので、挑戦してみようと思った。
戸棚からお菓子作りの道具を出してくる。
戸棚の中にはお菓子を作るためのケーキ型、タルト型、プリン型、マドレーヌ型、型抜き、パウンド型、スポンジ台、粉振るいにスケッパー。
他にも何に使うかすらわからない道具も含めてたくさん入っている。
一度も使ったことのないものもかなりある。
(よく卵を泡立てるためにはハンドミキサーがないとね)
たくさんの道具の中から取り出したのが
大きなボウルにハンドミキサー。
かなり古ぼけたハンドミキサーを見て気づく。
「母も昔、お菓子を作ってくれてたんだ」
というのも、これだけ豊富なお菓子作りの道具は、結婚した時に母から譲り受けたものだった。
今でこそ100均でキッチングッズは手軽に買えるようになったけれど、当時はけっこうなお値段だったはずだ。
あまり裕福でもなかった我が家で、パートもしながら忙しそうにしていた母が、こんなに道具をそろえていたということ。
正直、あまり記憶にはないんだけれど、母がお菓子作りをしてくれたことは明白だ。
*
父は長いこと単身赴任だった。
ちょっとおとなしすぎる男の子と
ちょっとひねくれた女の子。
少し、いやかなり手がかかったかもしれない2人の兄妹を、母は一生懸命育ててくれたんだ。
2人の子がいる母になった私。
今なら母の苦労が”身に染みる”ほどよくわかる。
たまにしか帰ってこない父。
ヤクルトレディーをしながら、一人で家事を全部担っていた母。
大変だったよね。
頑張っていたんだよね。
なのに、これだけのお菓子作りの道具があるということは、そんな大変な中でも子どもに手作りでお菓子を作ろうとしてくれたということ。
母はこわい人なんかじゃなくて、愛情深いお母さんだったということ。
母になった私が子どものためにお菓子を作る。
それを繋いでくれたのは、母。
母が昔使っていた
かなり年季の入ったハンドミキサー
から伝わる”母の記憶”
20~30年以上前のものなんだろう。
それはそれは重いハンドミキサーを持ちながら、”母の想い”に寄り添う時間。
母の想いを子どもは知らないかもしれない。
でもこうしたモノやふとした出来事からじんわりと伝わる母の想い。
私の子どもたちが大きくなったとき、思い出すのはどんな母親像かな。
こわい母さんではなくて、もっと別の何かが伝わるといいな。
そういう想いを込めながら、重いハンドミキサーで卵を泡立てるのだった。
甘くて優しい思い出が
彼と彼女の心に
少しでも残りますように。
そしていつか
彼らが困ったときに
背中を押す力になりますように。
かぼちゃカステラの作り方
【材料】
強力粉 50g
卵 2個
砂糖 50g(きび砂糖や甜菜糖)
はちみつ 10g
かぼちゃ(マッシュしたもの)80g
ざらめ(あれば) 5g
※17㎝×17㎝の耐熱性容器を使用
【作り方】
準備:
耐熱性の容器にオーブンペーパーを敷き、ざらめがあれば底に散らす。オーブンは170℃に余熱。
ちゃんとペーパーの4隅を切って型に入れると綺麗に敷けますが、入れてガサガサはしっこを折っただけ。根っからのずぼらなもので。
ざらめは5gでこの量。もっと入れても良かったみたいです。多い方がザラメ感を楽しめます。
1、ボウルに卵・砂糖・はちみつを入れ、軽く泡だて器でほぐす。湯せんにかけながら混ぜていく。
フライパンに水を張りその中で湯せんしました。(ボウルがデカすぎて鍋に入らないから)
2、砂糖が溶け、一肌くらいの温度になったら湯せんからはずす。
これが骨董品のハンドミキサー。重い。
なぜか「Beautiful」と書いてあるのがウケる。
なぜビューティフルなん?
3、ハンドミキサーを高速で、1.2倍くらいの量になるくらいまで泡立てる。
4、低速に切り替え、じっくり丁寧に泡立てていく。すくいあげた生地が、落ちた時に数秒間跡が残るくらいまでひたすら泡立てる。
低速にしてから8分程度。ひたすらに混ぜ混ぜ。
5、かぼちゃのマッシュを加えてさらに泡立てる。
黄色くなった!
6、強力粉をふるい入れ、泡だて器ですくいあげるように、滑らかになるまで混ぜる。
5、容器に流し入れ、170℃に予熱したオーブンで30分焼く。
ふわっふわな生地。これは期待が高まる。
6、竹串を刺し、何もついてこなかったらオーブンから取り出す。生地が縮むのを防ぐために、一旦トンっと容器ごとテーブルの上に落とす。
7、完全に冷めたらラップでくるみ、翌日までなじませる。
できあがり
実食
翌日。
(今回はちゃんと翌日まで待ちました。)
(大概待ちきれずに、先につまみぐいする人がここにいますよ~)
ふわふわな生地を
包丁でつぶさないように丁寧に切る。
子どもたちの期待のまなざしを一心に受けながら。
さぁできた。
(ペーパーに残ったざらめを恨めしそうに眺めつつ)
ではみんなで一緒に
いただきます!
「カステラ!」
「うん!カステラ」
そりゃそうなんだが。
「おいしいね」
「うん!ほっぺたがおちちゃいそう♡」
垂れるほど
ぷっくりとしたほっぺの娘が
にっこにこ笑顔で言う。
まさかカステラが家でできるなんて思ってもみなかったので感動もひとしお。
かぼちゃもふんわり香る。
ヘルシーさがスイーツへの罪悪感を少し和らげてくれる。
一晩待ったおかげもあり、生地もしっとりしている。
口の中の水分を一気に奪われる
カステラとは一線を画す
手作りカステラ。
わがままを言えば、もう少しざらめを多めにした方がよかったかな。
いやしかし、十分合格レベル。
美味しいよ~^^
なかなか手作りはハードルが高いというあなた。
綺麗道イチオシカステラ記事を召しあがれ☕
甘い記憶が優しく染み込んでいきますように。
それではよい週末をお過ごしくださいませ
おしまい
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