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好きな物語たち。

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僕が読んで感想書いた文です。 まとめてみました。 読んでいただけると幸いです。
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2018年10月の記事一覧

無意味上等!

帯に書いてあることそのまま引用させてもらった。さぼりではない。
本当に大学生の生活なんて、ほとんどは無意味でも全然かまわないと思う。世の中の意識の高くて天才だと思われている人はそれでは満足しないのかもしれないけど僕はそれでいいんだと心から思う。
僕の大学生活なんかその最たる例だ。部活とかサークルとか飲み会とかめんどくさいから全部パスって気の合う人と一緒に茅ヶ崎のビーチに行って氷結飲んで側転やってガ

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偉人もアホやった。

東野圭吾さんのエッセイを読んだ。もう中学生の時だ。めちゃくちゃ昔のことだ。実家の本棚にあったこの本を見つけた。エッセイなんてあの頃に読んだことが無かったからなんだこの日記みたいな本は!すげえ人は日記までも本になってしまうのかと感心しつつこんなアホでいいんかと良い意味で失望もした気がする。でも、ちゃんと人間が書いてんだなって思えた作品でもありますね。
当時は国語の先生と笑いながら読んでいた。特に仲良

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バケーションってタイトルとして絶妙にダサいような気がする。

僕はPHSを使ったことが無い。もともと携帯も持つ必要性を感じなかったから同世代の人からしたら買ったのは遅いほうだ。スマートホンの方が親しみがある。だから、PHS自体あまり知らない。
僕の両親も離婚しているけど浮気でとかじゃなくてバンドとかでよくある方向性の違いとからしく、この物語の父親が浮気をしたとかではない。そういった形で別れる家族のギスギス感は分からない。物語の中では満員電車で生活した方がいい

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残り全部バケーション!

「実はお父さん浮気をしていました」

そんな現実だったら不謹慎だと言われるようなことをさわやかに言ってのける。最後の家族会議、秘密の暴露をしあおう。と母が言う。それで父親が言ったセリフになのだが、浮気が原因で崩壊した家族に言うセリフではない。いまさらだとやはり娘は言うのだが、それもそうだと僕も頷くしかなかった。それでも母は動じずそれはダメという、秘密でもなんでもないから、と。そこなのかと、母よ、そ

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大げさなヒーローなんて必要ない。

ほとんどジャケ買のような形でレジに持って行った。
高層ビル群を闊歩するペンギンと空を飛ぶ飛行船に吊るされたラジオ。そんな中を通常通りに自転車を漕ぐ女の子。不思議な世界観が表現されていて引き込まれた。作者名を見ると「伊坂幸太郎」。「死神の精度」や「オー!ファーザー」で伊坂ワールドに入った僕はまた少し飛んでいる主人公が出てくるものだと思った。
だけど違った。そこにはあくまでも日常が描かれていた。僕が体

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家族が揃って朝食を食べること。

僕の家では家族が揃って朝食を食べたことが無い。
朝が遅い僕が食べるのは決まって、誰もいない家のキッチンに用意されたラップがかかっている冷えたごはんだ。それでも用意してくれているのは本当に感謝しかない。
一人暮らしをしていたころの朝食といえば「カロリーメイト」か「食べない」の選択肢しかなかったものだ。ドラッグストアで時々大安売りをしているものを買い込むことをしてたのを思い出した。その頃と比べると健康

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そっちはどうですか?

葬式に参列したことはまだ数えるほどしかないけれどもうこりごりだなあっと思うのです。あの独特の雰囲気がどうも苦手で逃げ出したいとも思うのです。
まだ両親とか祖父母とかの葬式が残っているのでまだまだ行かなきゃいけないのですけどね。

ところが、お墓参りは好きだったりするんです。静かに語りかけれるという感じが好きなんです。この年になってから簡単に人に言えないことが増えてきて人ではない彼らに受け取ってもら

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優しい世界。

すごい優しい世界が繰り広げられている絵本を読んだ。
「どうぞのいす」という本だ。うさぎの男の子がみんなに休んでもらいたくて作ったイス。それを見つけた動物たちが違う解釈をしたのだが結果的にみんなが笑顔になった話である。読んでいた僕もついついつられて笑顔になるほどほっこりした。あとこんなにやさしい世界の話をよく考え付くよなとも思った。
それと少し似ている気持ちになれる本を見つけた。やっと今出ている単行

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誰かのおかげじゃないぜ。

the pillowsというバンドの歌詞の一部。
「スケットダンス」という漫画の中でこれをとてもよく表現した話があった。
誰かの為にいつも動く助っ人集団。ボッスン、ヒメコ、スイッチの三人。その集団が起こしたもはや事件みたいな物語たち。その中の一つ。

文化祭の行事の中に入っている有志でのロックフェス。そのトリを務めることになったスケット団。一曲だけ真剣にやるから聴いてほしいというリーダーのボッスン

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誰かのための犠牲は良いものか。

やっと終わった。
もともとアクションゲームはやってこなかったためかとても苦労した。ポケモンは永遠とやっていられるのにマリオの二番目のステージほどでコントローラーを投げ出すほどゲームは下手くそで普通の人の何倍も練習というか続けないと最後までいけない。
ましてや今回はスマホの無料アプリゲーム。気に入らなかったらすぐアンインストールしてしまえばいいみたいな考えが頭の隅にある。案の定、僕は何回もこのゲーム

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努力、友情、勝利。

ジャンプ漫画を一番やっていると思う漫画がある。
「努力、友情、勝利」
それがどのジャンプ漫画にも込められている。それが一番強く色濃く反映されているのは「バクマン。」だと思うのだ。
個人的にNHKで最終話までアニメ化もして、最終的に佐藤健さんと神木隆之介さんが主演をしサカナクションが主題歌まで歌った映画化までするという未来は全く想像つかなかったので、そこにも勝利の部分があると思う。

ひょんなことか

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不器用で優しい。

語り手がコロコロ変わるこの小説は少し不器用だなと思った。ただ分かりやすいようにしっかりと特徴をもって文体を変えてくれている。その技法がとても優しいと思ってしまった。
それがこの小説の優しさ。読んでいて心温まる。十六歳が書いた文章だとは思えない作品だった。

この物語の中の登場人物はみんな誰かのことを考えているのにどこか不器用で伝え方が本当にぎこちないように思える。
どうかお前たちにはあなたたちには

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力を持った少年は。

正しい力の使い方なんてあるのだろうか。まあ間違いなく僕は力に溺れるタイプなのだと思う。現実のお金という力にもすぐに手を出そうとするのだから。(すぐ本を買ってしまう癖直さないと本当に積読増えるだけ)

僕の話は置いておいて、物語の主人公の話をしよう。
好きな子をひどい目に遭わせて心を壊したイカレタ犯人に報いをと、自分の持っている力を使おうとする。それは条件と罰で縛り、ほとんどの確率で自分の言いなりに

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ただのいつも通りを。

一日かけて、静かな夜を徹して歩く。それだけ。
いつも通りに、学校に行くように、家に帰るように、友達の家に遊びに行くように、ただ歩くだけ。いつも何気ない行動である歩き。
それが特別なことになる日。

賭けをした少女がいた。
誰かに思いを寄せる男の子がいた。
遠い異国の地から親友を思う秀才がいた。
誰にも屈することができない意地っ張りな男がいた。

歩くだけでこんなにもいろいろな気持ちを知れるとは思っ

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