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好きな物語たち。

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僕が読んで感想書いた文です。 まとめてみました。 読んでいただけると幸いです。
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記事一覧

頼られるなんてなかった人生。

今日読んだ物語のコソ泥達のセリフ。

そんな奴らが悩みを解決していく。

相談に乗っている、
なんて微塵も感じないほどの乱暴な言葉、幼稚な言葉。
時には相談者を罵倒するほどの激しい言葉を使って。

でも、それは下を知っている人の言葉だと僕は思う。
僕はその下を知っているなんて言える立場の者ではないんだけれど。
心底思うけれど、足りていないことを知っている奴は強いんだと思う。

勝手にすればいい、な

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課題図書って。

歳の離れた弟がいる。その弟に借りた本がある。その本を読んでみた、「105度」。帯には魅力的な本編からの引用文。主人公がパートナーと言い合いになってどうしてと思っている時におじいちゃんからかけられた言葉。

「人間なんてのは、だれだってだれかに寄りかかって生きてんだよ」

題名の「105度」ていうのは人と人がもたれあって出来る奇跡の角度だって。そして人間がイスにもたれて心地よいと思える角度。っていう

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静かに読んでるはずなのに音が聴こえてくるような。

静かに読んでるはずなのに音が聴こえてくるような。

主人公が魅力的過ぎて本屋さんにあった試し読みの小冊子を読んだ後、第1部完結までの10巻を大人買いをした。

BLUE GIANT
たった一人でどこまでも行ってしまいそうな青年がどこまでも行く物語

久しぶりの感覚だった。
ページをめくる手が止まらない涙が止まらない。複雑でどうしようない感情が溢れて溢れて止めれなかった。
感動したことを簡単に、泣いた、泣けるという「涙」で表現したくないと常々思ってい

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あと10年、長いか短いか。

振り返ってみれば10年なんてあっという間だ。小学校卒業からだらだらと今まで過ごし、人より回り道した僕でもあっという間だと思う。
でも、これから先の10年を考えたとき長いと思ってしまうのは何故なんだろうか。不安とか焦りとか期待とか全部抱えて考えていかないといけないからなのだろうか。
僕は10年後をすぐだと思えない、でも、ここにはこの先の10年を長いと感じれなかった女の子がいたと話してくれた本があった

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僕のあこがれの職業。

書店員さんってめちゃくちゃかっこよくないですか?
学生時代に何度かバイトの募集に応募したけどシフトが完全に主婦の方向けで断念しまくった。11時から16時のシフトって微妙すぎでしょ・・・。
そんなこんなで憧れつつ一度も足を踏み入れれなかったのでより憧れが強くなってもはや崇拝しそうである。
そういえば丁度、先週探していた本が検索機能で調べた棚になかったので書店員さんに聞いたらそれは昨日出てしまってない

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勝負しようぜ。

本気で勝負することは怖くてできなかった。
へらへら笑って、「だって俺なんもやってないもん、そんなんでお前に勝てるわけないじゃん」。必死にやった勉強もなかったように自分は同じ土俵にすらあがってないと自らを下げて心の安寧を保った。負けず嫌いの勝負嫌い。
だから、この物語の中の人たちはこんなにも真摯に勝負に向かい続けてる姿を見て逃げんなって胸倉掴まれてぶん殴られてる気持ちになった。
大言壮語だと思われて

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希望のための一週間。

物語の始まりは余命宣告されて、自分にそっくりな悪魔がでてきてやりたいことなんですか?って話しかけてくる。そんな始まり、ぶっ飛んでる。まともな物語だとは思わないよ。極めつけは悪魔が言う「あなたは明日死にます。でもこの世の何かを消せばあなたは一日長く生きることができます。しますか?」
そこから始まる、何かを失い、換わりに自分の命を得る日々。最初は命のやり取りをしているはずなのに悪魔の軽いキャラのせいな

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ぐっとためて。

最初から力をためる始まり方、力をためざるを得ない始まり方。
天才の兄貴。天才の親友。しっかりと見てる。主人公を応援してる。
それぞれの応援の仕方は全然違うけれどその応援の仕方がぎこちなくて現実的で容易に情景が浮かぶ。深入りせず見守る兄貴、認めて当たり前の様に自分に追いつくと信じてる親友。
そんな人たちに囲まれているのが幸せか不幸せかなんて断言できない、けれど焦りは人一倍あるだろう。考え方でそれがと

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葬式って誰のためにやるのだろう。

ゆっくり休んでね、あっちでも元気でね、今までありがとうね。
もういない人に、もう会えない人に、なんて言葉をかけるのが正解なのだろう。そもそも、もう届かないその思いを言う必要があるのかさえ思えてしまう。だからこの本を読み終わった後、それが無駄ではないと思えた。

葬式がただの手段だとは分かっていたはずだが、そつなくこなさないといけない、参列者に失礼のないように何事もないように帰ってもらわないといけな

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あなたの中に名作はいますか?と言われた気がする。

圧倒的読書量の差がここにあるな。
僕の大好きな森見登美彦さんとの差はえげつないものがあると実感させられる物語。あの名作たちを全部自分色に染め上げることが出来るほど僕は読み込めていない。もちろん名作を読んでいることが読書量の証明にはならないが、もしも僕が誰かの作品を「新釈」してみろと言われてもここまでのものはかけないであろう。

また、舞台が京都の町になっていて「走れメロス」では事細かに描写が書いて

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逃れた先の世界。

「ちょっと今から仕事やめてくるわ」

この言葉を言えるようになるまで時間が本当にかかった。仕事を辞めたら何もなくなる、何もできない証拠。当たり前のことを当たり前にできない証拠。それが本当に怖かった。人生の終わりだと思っていた。
でも、大切な人たちにたくさんを教えてもらった。最後、自分の人生って何のためにあるかを気付くことが出来たから言えた。
誰かの助けなしでは生きていけないのに自分1人で生きている

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月が綺麗ですね。

夏目漱石が「I love you」をそう訳したみたいだがそれに続く言葉なのかなって僕は勝手に思ってしまった。

「君の膵臓を食べたい」
ヒロインは最期の言葉にそれを残して言った。冒頭付近でふざけ半分で言われるその言葉とは意味合いが違う。しっかりとした意味がある。
自分を持っている主人公にひそかな憧れを持ち無茶なわがままを言い続けた。彼女のわがままだけが二人の関係を取り持つものだった。関係性を「なか

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何回転んだっていいさ。

何回でも転べる人生は良いもんだ。
周りに恵まれている、こればっかりは運なんだなって思う。親、兄弟、友達、ライバル、指導者、全員が何回転んでも許してくれる。お前は大丈夫だ、お前は俺についてくる、だからこの失敗は屁でもねえぞ。過度な期待はその人を滅ぼすかもしれない。でもそれも含めての信頼。わかってる、全部みんな見てた、乗り越えてこれた、だからこその期待だ。もし迷ってしまったらその血を見て戻ればいい。B

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コミュ症ってなんだろうね。

容姿端麗な主人公、古見さん。一見なんも苦労しないような感じなんだけど人と話すことが苦手で声も出せずに自己紹介が終わってしまう。でも神がかり的なクラスメイトの謎解釈で難なく自己紹介をクリア。でも、隣の席の只野君には気付かれてしまった。それから協力して友達を作る日常が始まる。
1年生が終わった10巻。1年前には思わなかっただろう感情。このクラスが終わっちゃう寂しさで複雑な終業式の数日前。

良かったね

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