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しっかり者の友がいる
A型の友とO型の自分
血液型で全ては語れるわけではないが
40年以上友に頼りっぱなしで
ここまできた
今となっては大した言葉はいらない
一緒にいるだけで昔の自分に戻れる気がする
車に乗り込むもいい
土いじりするのも楽しい
そんな友が病気になった
以前ほどの体力がもう戻らないという
こんなことは今までなかったのだが
重たい荷物を代わりに運ぶ手伝いをした
こんなことなら何でもない
たかが半日の運
小さなことから遠慮せずに
奈良へ
同行した二人と離れて
少しの自由時間
若い頃なら見向きもしなかった場所
赤い鳥居に誘われて
足を踏み入れる
お邪魔します
手水鉢に水はなかった
お賽銭を入れて
初めましてのご挨拶
なんで
こんな些細なことが
今までできなかったのだろう
自分の身から
少しばかりの小銭が消えたわけだけど
代わりに
プライスレスな充足感
迎えてくれた青い空
少し空気が違うことに気づく
きてよかった
またひとつ歳を重ねた
朝早くにLINEから通知
旧友からの誕生日を祝うスタンプ
つるむでもない
毎日会話するでもない
40年以上前に同じ時を過ごしてきた友だ
覚えてきてくれたこと
そして
相手の誕生日が思い出せない自分
少し恥ずかしい
たわいもない会話とスタンプの応酬をして
朝の時間が過ぎた
友はこれから会社に行くのであろう
程なく航空会社から誕生日を祝うメールが来た
そう
この機会に友のすむ街まで
行ってみよう
半分明るく 半分暗い
馴染みのお店のマスターが代替わりして数年後
そのマスターが逝去された
店では偲ぶ会が催され
弟子たちが何人も集まった
もちろん常連客も献花に訪れる
どこか同窓会のような
湿っぽさはどこにもなく
ただ普段ではない寂しさがそこかしこに
一人の女性がポツネンと
誰だろうと思ったらマスターの娘さんだった
少し話をしていたらわかったこと
アイスクリーム好きだということ
苦虫を噛み潰したような顔で家族に甘