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リメイクとリスペクト


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カズオ・イシグロ脚本がいいです
びっくりするほど
黒澤「生きる」を尊重し
映像、カットワーク、構成見事に
トレースしてるのだけど

ちゃんと英国の映画になっていた
スタッフの皆さんが相当のリスペクトを
持って製作にあたっていたのがわかる

それでも
セリフや小道具のディテールに
洗練が加味されていて
とってもジェントルな映画に仕上がっていた

それはおそらく脚本家による成果だと思う
黒澤「生きる」の主人公が焦ったいほどに口下手なのに対し
ビル・ナイは言葉少なだがきちんとコミュニケーションしている
カズオ・イシグロがそうさせている

だから心地よい後味がある
ハットの形の違い
労働者階級の被る帽子と紳士のそれ
小道具一つにも十分な目配りがされていて
原作の明らかに派手な色の帽子にせずとも
その意図が伝わるものだった
もちろん白黒映画の原作だから意図あるメリハリだったとは
思うのだが

ここまで丁寧にリメイクされていながら
原作よりも時間短く仕上げているのには本当に脱帽した

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