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読書感想文集

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徒然なるままに書く読書感想文。基本的にネタバレは無しで、ネタバレする時は事前に予告します。
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2023年6月の記事一覧

読書感想文(317)荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はエッセイです。
タイトルが気になったので、借りて読むことにしました。

読書感想文は一日に一本しか投稿しないことを原則としていますが、月毎の読書を振り返りやすくするために、今日は二本目を投稿します。

感想思っていた内容とは少し違いましたが、読んでよかったです。
「まとまらない言葉を生きる」というタイトルから、永井玲

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読書感想文(316)恩田陸『まひるの月を追いかけて』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は恩田陸さんの作品です。
今年は恩田陸さんの本を一番読んでいて、これで13冊目です。

感想とても良かったです。
読み終えた直後の感覚としては、『三月は深き紅の淵を』と同じくらい好きかもしれません。
恩田陸さんの小説は、いつもなんとなく心に引っかかっていて、ふとした時に思い出されます。今回も読みながら、『三月』の一節を

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読書感想文(315)三上延『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はビブリア古書堂の事件手帖シリーズの第三巻です。

感想今回も面白かったです。
謎については、一つだけ推理が当たったので嬉しかったです。

今回一番印象に残ったのは、第二話の『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』です。
終わり方がほっこりするのがいいなぁと思いました。
ただ、この作品は栞子さんを含めて、家庭内で

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読書感想文(314)汐見夏衛『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら。』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はオススメされた本です。
汐見夏衛さんの本は初めて読みますが、最近人気だそうです。

感想どちらかといえば、小学生〜中学生向けかなと思いましたが、とても良かったです。
現代の日本では、戦争について真剣に考える機会はあまり無いように思います。
もちろん、テレビで海外で起こっている戦争についてのニュースを観たり、学校の日本

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読書感想文(313)香月日輪『僕とおじいちゃんと魔法の塔』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はオススメされた本を読みました。
昔小学校の図書室にあったのでタイトルは知っていましたが、読んだのは初めてです。

感想とても良かったです。
この本をもし小学生の頃に読んでいたら、自分はもう少しくよくよせずに生きられていたかなぁと思いました。
他人と違うことが、もてはやされたり、貶められたり、変な世の中ですよね。

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読書感想文(312)岡本太郎『自分の中に毒を持て』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回でちょうど今年100冊目になります。
100冊目は毎年どれにしようか迷って選ぶのですが、今回は岡本太郎の本を選びました。
この本は昨年読んだ本の中でも特に感銘を受けた本で、あと残り約半分となった今年をしっかりと生きるために、気を引き締めようと思って手に取りました。

感想やはり良かったです。
しかし、正直に言うと昨年初

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読書感想文(311)湯本香樹実『夏の庭―The Friends―』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は夏らしい本の再読です。
この本は確か中学生の頃、クラスメイトにオススメされて初めて読みました。
とても良かったことは覚えていたのですが、10年以上ぶりだったので流石に細かい所は結構忘れていました。

感想とても良かったです。
この本は小学六年生が主人公ですが、なんというか、こう、子供の成長というと安易ですが、濃密であ

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読書感想文(310)朝井リョウ『正欲』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は初めて朝井リョウさんの作品を読みました。
きっかけは夜中に「正しいってなんだろう?」と考えこんでしまい、その答えの一つを知りたいと思って真っ先に思いついたのがこの本だったからです。

感想久々に重たい小説を読んだなぁという感じです。
安易に「正しい」の答えが知りたいと思っていた自分の浅はかさを痛感しました。
「正しい

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読書感想文(309)『作家の履歴書;21人の人気作家が語るプロになるための方法』(著者:阿川佐和子、石田衣良、江國香織、大沢在昌、荻原浩、角田光代、北方謙三、北村薫、小池真理子、桜庭一樹、椎名誠、朱川湊人、白石一文、高野和明、辻村深月、藤田宜永、誉田哲也、道尾秀介、皆川博子、森村誠一、夢枕獏)

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は作家の考え方を知ろうと思い、この本を手に取りました。
かつて、『和泉式部日記』を読んで感銘を受けた私は、歌詠みの気持ちは歌詠みにしかわかるまい、と思って、下手くそながら和歌を詠み始めました。
すると、やはりわかってくることが沢山あるのです。
同じように、最近は小説を沢山読んでいるので、より深く理解するために自分も書い

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読書感想文(308)板野博行『眠れないほど面白い百人一首』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は、数年前に読んだ本を読み直しました。
久しぶりに百人一首を読もうかなーと思ったことがきっかけです。

感想改めて、百人一首ってやっぱり良い歌が多いよなぁと思いました。
全てに感激するわけではないのですが、表現が秀逸で美しかったり、歌意が非常に的を射ていたり。

今回最も印象に残ったのは「つき」こと「月見れば千々に物こ

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読書感想文(307)江國香織『きらきらひかる』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はまた江國香織さんの作品です。
先日『思いわずらうことなく愉しく生きよ』を読み終えたちょうどその日にこの本をオススメされたので、読むことにしました。

感想ストーリーはどう捉えれば良いのかわからないのですが、表現は相変わらずきれいでした。
アル中の妻は色んな物を投げたりするので動きは激しいはずなのに、流れている時間はど

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読書感想文(306)江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々の江國香織さんの作品です。
江國香織さんの作品は『東京タワー』と『つめたいよるに』を読んだことがありますが、『東京タワー』が特に好きでした。

感想やっぱり江國香織さんの文章はとてもきれいだなと思う一方、登場人物があまり好きになれなかったのでモヤモヤしながら読み進めました。三女の育子やその恋人となる正彰、あとは治

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読書感想文(305)青柳碧人『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は以前読んだ『むかしむかしあるところに、死体がありました』と同じ著者の作品です。
これがとても面白かったので、同じ趣向のこちらの作品も読んでみました。

感想とても面白かったです。
ミステリーなのでネタバレができないのがとても辛いです。
これを読んだ人とあーだこーだ言い合いたい……。

個人的には、ミステリーとしては『

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読書感想文(304)安部公房『砂の女』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は安部公房の作品です。
安部公房の作品は高校生の頃に授業で「鞄」だけ読んだことがあります。
殆ど覚えていないのですが、重くなったり軽くなったりして、何かを暗示していたような気がします。
ともかく難解なイメージがあったのですが、今回積ん読になっていたこの本を読むことにしました。

感想とても面白かったです。
本の印象とし

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