匿名で寄せられた不可思議な実録 『親友①』
春風が頬を撫でる日。私は、高校の入学式で1人ぼっちだった。
父が仕事の都合でX県に転勤が決まり、家族もそれに付いていくことになった。だから私も、X県の高校を受験し、新天地で高校生活を始めることになった。新しい高校は、名門校とは言えないが、毎年それなりに進学実績のある高校だった。
入学式が終わり教室に戻ると、クラスメイトたちが複数の集団を作り、各々の時間を楽しんでいた。入学前から付き合いがある友達がいる子たちは、友人関係に困ることはないだろう。でも私は……。顔だってそんなに可愛