ある日のこと。 学校から帰ると 母の姿はなく、祖母が待っていた。 「今日からおばあちゃんたちと暮らすんだよ」 何が何だか分からず、手を引かれて祖父母と叔父夫婦の営…
自由奔放な母と 振り回される両親、つまりわたしの祖父母。 母が身勝手に産んだ小さな女の子は 記憶の中でも 賢い子どもだった。 父親のないシングルマザーなんていう言…
一番古い記憶。 シングルマザーの道を選び 祖父母と兄夫婦の営む飲食店で働き始めた母。 そこからほど近い小さなアパートにちいさなわたしと暮らしていた。 ある日の夜…
忘れないように。 覚えていることを 少しずつここへ残しておきたい。 いい歳になり、これまでのことを 恨みもなく、受け入れられるようになった。 きっとわたしにとっ…
あんころ
2023年7月29日 19:06
ある日のこと。学校から帰ると母の姿はなく、祖母が待っていた。「今日からおばあちゃんたちと暮らすんだよ」何が何だか分からず、手を引かれて祖父母と叔父夫婦の営む飲食店の上の住処へ。この日から 母は帰ってこなくなった。事情もわからないけれど聞いてはいけない気がして当たり前のように 従兄弟たちとテレビを見て、食事をして祖母の隣で眠ることになった。祖父は この頃外へ勤めに出てい
2023年7月25日 18:21
自由奔放な母と振り回される両親、つまりわたしの祖父母。母が身勝手に産んだ小さな女の子は記憶の中でも 賢い子どもだった。父親のないシングルマザーなんていう言葉もない頃、「片親」のわたしは 近所で有名だった。「可哀想な子」の割に母は わたしに「可愛いお洋服」を着せることに喜びを感じ「父親」から わたしを着飾るための金銭を無心していた。そのお金でオーダーのワンピースや数少な
2023年7月15日 09:39
一番古い記憶。シングルマザーの道を選び祖父母と兄夫婦の営む飲食店で働き始めた母。そこからほど近い小さなアパートにちいさなわたしと暮らしていた。ある日の夜、わたしを連れてでかける。ダンスホール(?)というのが正しいかわからないけれど。そんなところへ。大人たちがお酒を飲む中、ホールの真ん中で小さな女の子は 得意げにツィストを踊ってみせる。たくさんの拍手や笑い声が嬉しくて。母が
2023年7月7日 12:21
忘れないように。覚えていることを 少しずつここへ残しておきたい。いい歳になり、これまでのことを恨みもなく、受け入れられるようになった。きっとわたしにとって必要なことばかりだったとやっと振り返ることが怖くなくなった。産まれるべくして母のお腹に命を宿し何事もなくスクスクと育った。物心つくまでのわたしはきっと祖父母からも母からも「愛しい」存在だったはず。赤ちゃんてそう
2023年7月7日 11:45
わたしのことを書いてみる1960.9.23 多分午前中。おそらく 名古屋の地で。古ぼけた桐の小箱に入った臍の緒が 母とわたしを繋いでいた証。その時、母は1人だったのか父であろう人がそばにいたのか、それとも祖父母がいてくれたのか、今となってはもうわからない。