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教育

つまりこの先に
未来なんてないってことさ

私の口が取れて立ち
そう言っている

晴れやかに青空を背負って
むしろ希望に満ちているのだ

力のなかった口角は上がり
こぼれる様に笑っている

そんな口を私の口を
私は軽蔑して見ている
悲しいくらいに
忌み嫌って見ている

その様を
私は破く

いつ描いたって
私の肖像は醜い

真っ白いキャンバスに
たった一度で
寸分違わぬ正解を描きたい
それが「正しい人間」だから

めり込まんばかりに
顔をキャンバスに近づけて

何かが一雫
落ちていく

そうやって
表現は奪われていく
何も言えなくなっていく

何度だって
筆を染め
何度だって
筆を置けばいい

描き足してゆけ
点を置けば位置が分かり
線を描けば道が見える
塗り重ねてゆけ
闇を描けば光が見え
色を塗れば想像が拡がる
思考を重ね
心の色を変えてゆけ

そうやって自分を描き
更に世界を描いてゆけ