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「京都きもの町」―着物ともっと身近に親しみ、着物をもっと気軽に楽しむ。そんな人を増やしたい。

<編集・記事執筆>
京都外国語大学 国際貢献学部
グローバル観光学科2回生
梅沢小春

「京都といえば?」と問いかけると多くの人が「着物」と答えるほどに結び付きが強い京都と着物。いまでは若者が着物をレンタルして京都を観光する姿も多く見かけます。そんな幅広い世代に楽しまれている着物ですが、着物がいまよりもっとたくさんの人に届いて欲しいと願っている方々にお話を聞いてきました。
それは着物の総合インターネット通販ショップ「京都きもの町」です。
「京都きもの町」を運営していくうえでの思いや、「京都きもの町」が考える着物の魅力など貴重なお話をお届けします。

京都きもの町とは

京都きもの町は、いまからおよそ160年以上前、1850年ごろに創業した京都・五条高倉にある着物総合プロデュース企業「豊彩」が母体となっています。その豊彩が2000年以降、着物の幅広い普及を目的に「京都レンタル着物夢館」を設立。関連して「フォトサロン夢館」や着付けヘアメイク美容部門「夢館ビューティ」をオープンさせたほか、いち早く全国への宅配も開始するなど多岐にわたる事業を展開していました。そして2005年、和装通販事業として設立されたのがインターネット通販ショップ「京都きもの町」でした。京都きもの町ではカジュアル着物と浴衣のオリジナル商品の開発。販売も開始。そこから発展して2009年に「KIMONOMACHI」というオリジナルブランド誕生へとつながりました。
販売している商品のカテゴリーは幅広く、着物や帯、和装小物などはもちろんのこと割烹着や傘などの和雑貨も販売しています。また最近では和装を楽しむ男性も増えているようで男性用着物も数多く販売されています。着物や帯の色柄の豊富さがとても印象的で、「京都きもの町」だけでさまざまな着物を楽しめることが魅力に感じました。
メインとなるターゲット層としてはやはり30〜40代の女性とのことですが、着物は行事ごとに紐づくためその時々でターゲットが変わると是永さんは話します。たとえば成人式の時期である1月であれば成人式を迎える男女、あるいは七五三の時期となる11月は小さいお子さんとその親御さんなど。そのため、「京都きもの町」は行事に合わせて特集を組んだりして、より多くの人に購入してもらえるように工夫を重ねています。
またアメリカやオーストラリアを中心に多くの外国人観光客の利用もあるようで、今後もより多くの海外の人々に利用してもらいたいとお話されていました。

「京都きもの町」が今後挑戦してみたいこと

そんな京都きもの町では、これから取り組んでいきたいことがふたつある。そう是永さんは教えてくれました。
1つ目はいまよりも伝統工芸とのつながりを強くして、日本の伝統を守っていきたいということです。現在の伝統工芸は需要の低迷や後継者不足、原材料・用具等の不足などから衰退してきています。職人の技術を守っていくためにも、今後はより伝統工芸の工房や作家との結びつきを強くして伝統的な製法や技術を使った商品開発ができるようにしていきたい、とお話しされていました。
2つ目はもっと幅広い方々に着物を楽しんでもらいたいということです。いまでもワンピース感覚でかんたんに着られる着物をコンセプトとしていますが、着るのがかんたんというだけではなく、もっと着物を身近に感じられるようにならないかと試行錯誤しているそうです。たとえば卒業シーズンで活躍する袴だったらきっちりとした固めの素材からもっとふんわりとした柔らかい新しい素材を使って、着ることにあまり抵抗感がないようにすることなども考えられていました。私自身も着物や袴を着ているときは体全体が重たく動きづらいと感じることも多いため、着る前には気合を入れるような気持ちになることがあります。素材が軽くて着やすい新しいものに変われば気軽に着物を着られるようになる人が増えるだろうなとお話を聞いて感じました。
「京都きもの町」は、着物への入り口のハードルが下がることを願っていて、自身の役割としてその一端となれるように試行錯誤を続けています。

「京都きもの町」の商品でレトロな着こなし

今回、私たちは外国人観光客向けの英字フリーペーパーの撮影用に、京都きもの町の商品を使ってオリジナルのコーディネート提案をさせていただきました。お借りしたアイテムはKIMONOMACHIオリジナルの羽織「矢羽根に菊 赤紫色」。こちらの商品をお借りして私たちはレトロ風なコーディネートに挑戦しました。

お借りした羽織は通常はお着物の上からサッと羽織る着方が一般的なのですが、今回わたしたちは着物のように胸前で重ね合わせ、黒のロングスカートの中にたくし込んで袴のようなスタイリングにしてみました。またベレー帽やブーツなど洋服のアイテムを組み合わせることでモダンな着こなしに仕上げてみました。京都きもの町さんによれば、この羽織をつくるにあたってはレトロ・大正ロマンをイメージしたものだそうで、羽織の中にある紫色はレトロ感のある昔らしい色にするために苦労されたそうです。

純粋に和装としてはこの羽織のみで、ベレー帽やロングスカートにブーツという洋服のアイテムとの組み合わせであるにも関わらず、全体の仕上がりは和装感がしっかり出せるので、日常的に着物を楽しみたい方や海外の方で自分の国でも着物を楽しみたいという方々にとっては羽織1枚で手軽に楽しめるコーデとなっていると思います。ぜひ参考にしてみてほしいです。

着物の魅力とは

ひと口に「着物の魅力」といってもいろんな考え方があると思いますが、京都きもの町にとっては「幅広いコーディネートを楽しめるところ」だとおっしゃっていました。洋服と比較して和装は、型という点では着物+帯というふうにほぼ決まっているものの、逆に色・柄については無限といっていいほどにたくさんあるので、どんな組み合わせにしようかと考えることが本当に楽しいのだそうです。また着物と帯だけでなく帯留めや帯締め、半衿などの小物も組み合わせていけば、よりコーディネートの幅が広がります。最近では若い世代の方々が着物をレンタルすることも多いなか、着物の下にレースのインナーを合わせてレトロ風に着こなしてみたり、推し活として好きなアイドルなどのイメージカラーに合わせたオリジナル着物コーデを楽しんでみたりと、さらに着物のコーディネートの幅が広がったようにも思います。むしろ洋服よりも組み合わせは多いのではないかと話されているのを聞いて、着物の無限の可能性を感じられました。

お話を聞いてみてわたしが感じたこと。

京都きもの町の是永さんと岡本さんの、着物への思いをたくさん聞かせていただいて、着物をより多くの人に楽しんでもらいたいという思いがとても伝わってきました。この記事を通して、私たちが考えたコーディネートのように手軽に着物を楽しむことができること、そして着物に幅広いコーディネートがあり、いろんな組み合わせを楽しめる魅力があることが伝えられていたら嬉しいです。
みなさんにもぜひ着物を手に取ってもらい、自分で考えたコーディネートで着物を着ることの楽しさを感じてもらえたらと思います。


店舗情報

有限会社 京都きもの町

京都府京都市下京区高倉通五条上る亀屋町164番地
電話番号:075-354-8511
営業時間: 10:00-17:00
定休日:土・日・祝祭日
●公式サイト:https://www.kimonomachi.co.jp/
●Instagram:https://www.instagram.com/kyoto_kimonomachi/
●Facebook:https://www.facebook.com/kimonomachi.co.jp
●X(旧Twitter):https://twitter.com/kimonomachi



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