転職市場|補助金に振り回されている業界
医療施設の建設が変更に継ぐ変更でバタバタなのは、
発言権が事務方、先生、看護師とばらばらであることが原因と前回述べたが
よく考えてみると
根本的にもっと大きな原因がある。
それは補助金である。
補助金の支給条件が設計条件であり、
絶対条件なのだ。
その額は半端でない。
経験的には建設費の半分は普通で、
8割補助金の時もあった。(@_@)
これは毎年でなく、政府の方針による。
緊急課題の年はよりたくさん配布される。
特養問題、保育園問題、感染問題、半導体不足、、
など、など、
建設業界は補助金に振り回されている業界なのである。
九州の台湾合弁の半導体工場なんて、
8000億の建設費のうち半分の4000億が補助金であったと報道されている。
(さらに翌年以後も追加されてたゾ)
びっくりな額なのである。
まあ、これも中国や台湾、アメリカなどの国の施策が
8割支援なのに比べて、日本はそれでも5割と少ないので、事情通からすれば、驚くことではない。
額云々ということではない。
補助金事業は無視できないということだ。
思い起こせば、私もたくさんの事業に関わってきた。
東日本大震災の時には、
停電の大ピンチに対応した。
私の仕事は、非常用発電機の設置であった。
海外から非常用発電機がコンテナ(船便)で送られてくるのだが、、船が到着するまでになんとか申請も済ませて設置できるようにしてくれという命題である。
船が到着するまでに建ててくれっていつまでよ~。
地震直後から余震の中、
人々の電気確保のために、走り回った。
感染問題では、
薬を海外から緊急輸入するための
保管庫、ラベル貼り場、隔離場など、
関連施設を緊急に建設した。
みんなが感染を避けて、
在宅している間、
外出しまくっていたのが
建設業の実態である。
(気を張っていたせいか感染しなかったケド)
保育園不足問題では、
既存のビルの改修では、避難距離や採光不足になるため、法律も変更された。
発端は保育園だが法律適応範囲はオフィスやマンションなど一般建築物にも及ぶので、
現場は大混乱である。
(規制緩和で設計はますます難しくなるヨ)
半導体不足の問題は
それまで10年以上
国内対策を放ったらかしにしていたから、
ニッチすぎて部品需要がなく、
国内部品メーカーが衰退していたところに、
急に補助金である。
下請け業者の取り合いの末
結局国内対応できずに
海外調達頼みだ。
補助金は海外に流れてしまっている。
今は森林保護といって、
木材の活用推進キャンペーン中だ。
燃えない木を使える業者業態がどれほどいるか、
結局大手しか扱えない。
私にはただのポーズにしか見えないのだ。
補助金に左右された30年であった。
しかし、考えてみたら、
たくさんの種類の建物を建てられたし、経験も積めた。
法律すら変えてしまう
国のキャンペーンの圧力、権力はすごかった。
お尻を叩かれなかったら、
こんなに夢中になって仕事をしていなかっただろう。
バタバタは迷惑だったけれど、
よい思い出かもしれない。
今日はここまで