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剣闘文学トーナメント

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記事一覧

剣闘文学トーナメント:決勝戦

剣闘文学トーナメント:決勝戦

お詫び:前回ではシータとシントを混同したアクシデントが発生しました。担当者には修正してもらったのち、うなぎのタレ工場研修に送りました。

⚔️

『CHANCE CHANCE WAR WAR WAR、ピンチこそ滾るぜ!いよいよこの日がやって来た。今日、この場で、数々の戦いを制した男の中の男が二人、その中から、note界の剣闘チャピオンが決まる!それではご登場願おう。心が弱い観客の方どうか心を強く持

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剣闘文学トーナメント:準決勝戦

待たせすぎたな。すまなかった。いよいよ二回戦やるぞ。これまでの戦いか下の記事でチェックしておこう。

準決勝一戦目:

VS.
小説とエッセイの異種格闘だ!

「両選手ともに入場。まずは人間とアムールトラを繋ぎ合わせた冒涜的生体兵器!生きたキマイラ!シーータァァァ!!!人間の二の腕とトラの四本足を駆使して悠々と登場!六本の足による異形の歩き方は直視だけでも正気対する挑戦!自動生成観客に中はすでに昏

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通りすがりの魚屋さん外伝【閉鎖圧制都市ネオサヌキ】 #NGLT

通りすがりの魚屋さん外伝【閉鎖圧制都市ネオサヌキ】 #NGLT

(これまでのあらすじ)
ネオサヌキ自治区沖合である漁船が謎の沈没を遂げた。自治区はクジラとの衝突事故であると対外的に発表したが、その裏には巨大な陰謀が渦巻いていた……。

――ネオサヌキ大コロッセオ――

「続いて入場する剣闘士は……おおっと見た事ねぇ顔だぜ!飛び入り参加だ!!」
黒服に金髪を逆立てた悪趣味な男が観客席を煽り立てる。

その女性はレオタードじみた露出の高い密着型衣服の上に薄く透き通

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グラディエーター ~戦国群雄伝~

グラディエーター ~戦国群雄伝~

 日本国内。その所在地どころか所在そのものすらも極秘とされている円形闘技場『殺死愛夢(コロシアム)』。

 その地下。薄暗い6畳ほどの小部屋、闘士控室。
 
 一人の男が粗末な石のベンチに腰掛けたまま、じっと己の拳を見つめている。
 年齢は30歳前後。よく鍛え上げられた肉体に比べ頭髪が非常に貧相ではあるが、逆にそれが精悍さを醸し出しているともいえた。

 タンクトップにオレンジ色のショートスパッツ

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鉄仮面探偵とドラ焼き屋敷

鉄仮面探偵とドラ焼き屋敷

 帰りの総武線の席に座ると、しばらくして杏子先輩は魅々子の鉄仮面をこんこん、と叩いた。
「なんかさ、最近流行ってるんだって。」
 先輩がスマホを魅々子に傾けると、小さなピラミッドと大学生が映し出された。
「ピラミッどらって言ってさ、今人気なの。」
「どら……。コレどら焼きなんですか。」
 魅々子は鉄仮面がぶつかりそうなほど画面に顔を寄せる。
「なんでも、店主がエジプト帰りのトレジャーハンターらしい

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スレイド・オブ・グラディエーター【大会報告、期間延長】

スレイド・オブ・グラディエーター【大会報告、期間延長】

「市民たちよ、聞けィ!」

 皇帝席で、剣闘王(スターライトクイーン)エンペラー・グレイウォーターは自動生成観客に向けて発話した。大きな声を出すために腹に力を入れ、その腹筋が切れている。

「現時点で、剣闘文学トーナメントに参加する作品は五つになった。ようやくトーナメントらすくなってきた!しかし残念なことに、あと三日で、トーナメントが終わってしまう」

Oh……と観客席からため息の合掌が聞こえた

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剣士と鍵師と不夜城の主

剣士と鍵師と不夜城の主

月夜の邸宅は、静けさと得体の知れない暗闇に包まれていた。
月光の差す廊下。壁際に等間隔で並ぶ燭台が、湿っぽく淀んだ空気の翳りにぽつぽつと仄赤い灯火を揺らしていた。
観音開きの扉の前に、人影が二人。背高の人影は扉と正対して身動きせず、背の低い人影は頭を振って、不安そうに辺りを見回していた。
肩までかかる人参色の髪、掘りの深い髭面の奥に無感情な濃緑の瞳が光り、色褪せた暗褐色のマントに身を包み、澱んだ雰

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剣闘小説論:その発生

前提0、ほぼWikipedia情報と妄言です。何も信じるな。俺も信じるな。

前提1、剣闘小説とは何か
それは小説であり、エッセイだ。akuzumeが書いている。

一連の作品群は、アイカツ!、アーケードゲーム、古代ローマを生きる剣闘士の姿、そしてakuzumeという一人の男を描く。受け入れろ。お前が「アイドル 剣闘」で検索したとき目にするのはakuzumeの記事だ。ジャンルはすでに確立されている

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『白と黒』

『白と黒』

 どこまでも、どこまでも白い平原に、白い嵐が吹きすさぶ。
 目に映るのは全て白――もっとも、目を開けていられる者など、この嵐の中では皆無だったが。
 ここはギィタリス大陸の北の果て、後の世に「北絶」と呼び習わされることとなる、今は名も無き、雪と氷と死の大地――だからこそ、不動の姿勢で屹立する大機神は、異質としか表現し得ない存在であった。
 淡く光る半透明の体躯を、精緻な細工の全身鎧に包み込むその姿

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#NGLT エントリー作品紹介所兼闘技場

ようこそ。私はnote剣闘文学の第一人者、エンペラー・グレイウォーターである。ここは私が主催した剣闘文学トーナメント、縮めて#NGLTに応募した作品を紹介していく。そして一組の作品が揃ったと同時に、戦ってもらう。敗者はすべてを失い、勝者には次の試合が待っている。最後まで生き残った者だけが栄光と5500円を手に入れる。ではまず、Aグループから見て行こう

Aグループ:

私が認めたnote随一の日本

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寂滅のエシュトザガン

寂滅のエシュトザガン

 ダマル・ガは、一人静かに佇んでいた。

 風が、その美しい髪を揺らしている。見つめる空は黄昏れて、ゆっくりと、落ちゆく陽が世界を赤橙色に染めていた。その黄昏のなかを、白きラルの群れが羽ばたいていった。その光景は美しく、そして悲しい。ケェケェと寂しげな鳴き声が聞こえてくる。

(あぁ、お前たちは……)

 ラルたちは去ろうとしているのだ。このエシュトザガンの階層世界を。滅びゆくこの世界から、安住の

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踊る人虎とヒヤシンス、或いはテセウスの祈り、若くは追悼の怪物

踊る人虎とヒヤシンス、或いはテセウスの祈り、若くは追悼の怪物

 傷が癒えるたびに「あなた」は人の形を忘れていき、徐々に悍ましい獣になっていく。そうして「あなた」がかつて人間だった頃の残滓を失っていくのだと教えたら、「あなた」はどう思うのだろう。
 「あなた」は怒るだろうか。私を憎むだろうか。「あなた」は私がしたことを、私を、赦すだろうか。
 たとえ「あなた」が私を忘れていたとしても。

 生い茂る葉のせいで鬱蒼とした熱帯雨林は闇の密度が濃いように思える。中南

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剣闘文学トーナメント開催の知らせ #NGLT

剣闘文学トーナメント開催の知らせ #NGLT

3/8はアイカツ重大発表がある。たぶんローマ編だろうと思っている。ドーモ、noteの剣闘王(スターライトクイーン)、エンペラー・グレイウォーターである。

そして先月で私が剣闘士やり始めて一周年となった。時期的にはニンジャスレイヤー222と被っていたので大きな動きができなかった。私もそっちに応募するため動画撮ったり編集ソフトを学んだり忙しかった。

こうしてオンパレードも今週ではタイトルを回収して

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