海水の女神【ペンドラゴン・サーガ:オリジンより】 #むつぎ大賞
一機の宇宙船が音もなく海岸近くに着陸する。
「青い海に緑の森……故郷の星と同じ。本当に美しいと思わない?」
船内で背の高い女性が銀色に輝く髪をかき上げ感激している。
「確かにそうですけど、任務を忘れてはしゃぎ過ぎないでくださいよ」
同じく銀髪の若い男性が念を押す。女性が丈高いのも相まって、彼はまるで少年のように見えた。
「わかってるわよ。じゃあわたしは野外調査してくるから機材の準備は頼んだわね」
「仕方ない人だ……」
女性が船外に出ると迷彩機構が起動し、宇宙船は岩塊にしか見