見出し画像

アルセーヌ・ルパンの事件現場を巡る⑦-ルパンとビクトワールが出会った本当の場所-

みなさん、こんにちは!

今日も、アルセーヌ・ルパンの事件現場を、聖地巡礼本に沿いながら、パリを旅したいと思います。

今回取り上げる物語は、私の大好きな『水晶の栓』です。

『水晶の栓』のあらすじについては、過去記事もしくは拙著をご覧ください(過去記事は沢山ありすぎて、全部リンクを貼れないので、一番最初の記事だけ貼っておきます)。↓

アルセーヌ・ルパン『水晶の栓』その1-怪盗の首領としてのルパンが暗躍!スリリングな冒頭はルパン作品で随一!-|西本亜希子 (note.com)

さて、『水晶の栓』は、個人的にアルセーヌ・ルパン作品の中でツートップのうちの1つになるくらい、大好きな作品です。

悪徳代議士ドーブレックから、”水晶の栓”を奪うことは出来るのか、そして手下のジルベールを処刑から救うことが出来るのか、この2つの大きなメインストーリーを中心に物語が展開します。

『水晶の栓』のルパンは、一番怪盗らしいルパンが描かれているように感じます。

で、聖地巡礼本を読んでいて、おやっ⁉と思った箇所があるんですが・・・。

まず、ルパンは、乳母ビクトワールを、ドーブレック邸にスパイとして送り込んでいるんです。

余談ですが、この『水晶の栓』では、ルパンとビクトワールの関係が詳しく描かれていて、それこそルパンが世界で最も信頼している女性はビクトワールなんじゃないか?と思わせる場面が多いんです。

ビクトワールは、ルパンの乳母ですが、ほとんど母親と言っても過言ではない存在。

ルパンが一番愛した女性は、ビクトワールなんじゃないの⁉って、思わせるくらい2人は仲が良い。

ルパンとビクトワールの関係も考察したら面白いかもしれませんね。

話をもとに戻します。

ある大型食料品店(グランドエピスリー)で、水晶の栓を手に入れたビクトワールがルパンにそれを手渡し、ルパンはあまりのあっけなさに面くらう、という場面があります。
(もちろん、これは本物の”水晶の栓”じゃなかったんですが・・)

そのシーンが、本では、パシー通り80番地の大型食料品店と記載されていて、ぬぁに~~!!!とびっくり😲!

いやいや、絶対その場所じゃない!

だって、ルパンは、(ドーブレック邸がある)ラ・マルティーヌ広場から離れたビクトル・ユゴー通りのベンチに座っていて、その前をビクトワールが毎朝同じ時刻に通ることになっている。

だから、断じてパシー通りではない。

パシー通りは、ビクトル・ユゴー通りから離れすぎているし、この後、ルパンとビクトワールはジャンソン高校の裏で落ち合う約束をするんです。

まとめると、

①ラ・マルティーヌ広場から離れたビクトル・ユゴー通りのベンチでルパンとビクトワールが会う

②少し2人で歩いてから、大型食料品店に入り、そこでビクトワールは”水晶の栓(とこの時は思っている)”をルパンに渡す。

③どこか人通りの少ないところでもう一度落ち合う約束をし、ジャンソン高校の裏(ここは本にも書かれている通りエラン通り)で、2人は再び会う。

この工程から考えると、パシー通りが出てくることは考えられない。

そこで、私、地図を見ながら、探し出してみました。

ルパンが座っていたビクトル・ユゴー通りにあるベンチですが、恐らくビクトルユゴー広場まで行かない、その手前あたりだったのではないかと思います。

因みに、このビクトル・ユゴー通り、めちゃくちゃ長い!!!

ビクトル・ユゴー通り

ドーブレック邸があるラ・マルティーヌ広場から、なんと凱旋門まで続いている!!

パリで一番長い通りなんじゃないの⁉と思ってしまうほど長いです。

このビクトル・ユゴー通りはラ・マルティーヌ広場から凱旋門まで続く通りですが、その中間地点にビクトル・ユゴー広場があります。

その広場の手前あたりのベンチだったんではないかと推測します。

なぜなら、その後、ルパンとビクトワールは少し歩いて、ある大型食料品店に入るから。

で、私、そのベンチから少し歩いたところに、現在大きなショッピングモールがあることに気づきました(赤丸)↓

ルパンとビクトワールが歩いた行程

地図の赤丸部分には、ショッピングモールの他に、モノプリをはじめとしたスーパーが3件ほどあるんです。

ここからだと、人通りの少ないジャンソン高校(青丸)の裏手まで、そんなに離れていないので、2人は再びすぐに落ち合えたはず。

私は、この道筋をルパンとビクトワールが歩いたんじゃないかと思っていますが、どうでしょう?

次回パリに行ったときに、この道を歩いてみたいと思います。

でも、私、聖地巡礼本を読んで、『水晶の栓』のこのシーン、さらっと読んでいて、すっかり頭から抜け落ちていた!ということに気づきました💦

そうか、そういえばこんな場面あった!と、思い出させてくれたこの本は、本当に有難いです。感謝!

また引き続き、ルパンの事件現場を、こちらのブログでご紹介していきたいと思います。







この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?