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AIが医師の視診とは異なる、心不全の前兆を発見。これからの医療の最先端となるかー?

こんにちは、翼祈(たすき)です。
私はnoteに幾つか、AI✖️医療という記事を書いてきました。AIは誤った使い方をしなければ、医療を助ける、大事な補助的な役割を十分に担えます。この記事でもそれを証明した記事となります。

大阪公立大学の研究チームが、胸部のレントゲン画像から心臓の病気や障害を発見するAIを開発したと明らかにしました。胸部レントゲン画像は主に肺の疾患の診断に活用されていますが、AIは医師が見つけていなかった特徴をベースに、心臓の弁の障害や心不全などを高精度で発見できたとします。

研究成果は、2023年7月7日付のイギリスの医学誌[ランセットデジタルヘルス]に掲載されました。

今回はAIが発見した心不全などの全容について特集します。

AIが見つけた心臓の病気とは?

健康診断などで撮影する胸部レントゲン画像には心臓が映っていますが、心臓の病気の診断には大半が活かされていません。心不全などの心臓の検査では普通では超音波での心臓エコーが使われますが、高度な技術が必要だけじゃなく、技術者が不足している問題も生じています。

そこで大阪公立大学の研究チームは、2013~2021年に大阪府内の4つの病院で、心臓エコーを検査した後に撮影された胸部レントゲン画像およそ2万2551枚を収集しました。人の脳のメカニズムを応用した「深層学習」という技術で大量の画像をAIに学習させていって、心臓エコー検査とで胸部レントゲン画像で見つかった病気の関係を洗い出していきました。

すると、AIはレントゲン画像から、心不全に至る心機能の悪化や、心臓の弁の障害を持つ心臓弁膜症などを68~86%の精度で発見できました。研究チームのIVR学・放射線診断学が専門の植田大樹・大阪公立大学研究員は「臨床現場で胸部レントゲン画像は撮っていることがほとんどで、このAIモデルを活用すれば、迅速ぬ心機能に関連する情報を獲得も可能です」と主張します。これから、このAIの実用化が目標です。

一体AIは画像のどこに着目して、心臓の疾患を発見できたのでしょうか?発見した結果を分析して、AIが着目した領域を可視化すると、AIは医師とは全く異なる箇所を見ていたことが分かりました。

臨床現場では、胸部レントゲン画像を活用して、疾患での心臓の拡大を確認するケースがあります。胸の最も広い部分と心臓の横幅の比率を確認する手法ですが、精度はあまり良くなく、実際はほとんど活用されていません。

その反面AIは、心臓の収縮力を示す「左室駆出率(さしつくしゅつりつ)」の悪化を判断する時、医師の視診と異なる方向の心臓の幅に着目していました。また心臓弁膜症の1つである「僧帽弁逆流症」では、心臓の4つある部屋の中で、左心房や、周りの血管に注目しているみたいでした。それ以外の心臓弁膜症である「大動脈弁狭窄症」では、大動脈弁付近にAIは着目していました。どのパターンも医師が普段は注目しない箇所でした。

参考:レントゲン画像で心疾患を発見 医師とは異なるAIの「目」 毎日新聞(2023年)

これからのAIの活用で心臓疾患の発見で得られるものとは?


医療の現場でのAIを活用する動きは、特に画像診断の分野で加速し、診断の一部をAIに委ねて医師の負担軽減を図っています。これは、医師とAIが同水準の判断基準で診断する典型的なパターンです。

その上で、今回の大阪公立大学の研究はAIの目でしか発見できない特徴を用いて、診断に無限の可能性を拡大させる新たな試みです。医学部の学生時代にプログラミングを独学で習得し、臨床を継続しながら医療でのAIの活用を研究する植田・大阪公立大学研究員は「私の研究テーマは、AIにしか発見できない世界をどんどん拡大していくことです。それで、これまで成し遂げられなかった医療の領域に達して欲しいです」と語っています。

私は最初の記事でAIが怖いと書きましたが、この3週間、AI✖️医療の記事を書いて来て、「使い方をきちんとすれば、本当に医療分野において最強の武器になる」と気付くことができました。

まだ紹介できていないだけで、どんどんAIを活用した医療が進んでいることでしょうね。


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