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2022年3月30日
日々が散漫なので久しぶりに日記をつける。今日はクローズまでシフトを入れていなかったので、いつもよりも早めにバイトを上がることができた。浮いた時間に、書店にでも寄ろうと思いつく。近頃はすっかり足が遠のいてしまっていた。社会的な生活を送ることにリソースが割かれすぎている。学生生活とアルバイトだけですらこの有様なのだから、社会人にでもなった日にはより悪化するのだろうと思われた。いざそうなってしまえば、
もっとみる2021年9月30日
手が空いている人間がいなかったのでレジのフォローに入ると、どうやら店の前に客がいて、その人が呼んでいるという旨を別の客に伝えられた。俺が働いているバイト先は地下に店があるから、入店するには階段を降りなければならないのだが、何やらそのお婆さんは足が悪いようで、下まで降りてくることができないらしかった。
なるほどと思い上まで階段を登り、注文を取る。するといきなり横柄な口調で、いま店内には何の在庫
書物書簡 七通目 安部公房『方舟さくら丸』
2021年3月21日
沖鳥灯さん、瀬希瑞世季子さん、Takuさんへ
近頃はあまり本を読めず、投稿が遅れてしまったことを初めにお詫びしておきます。「最近は全く本を読めない」という言葉を会話の度に繰り返していて感じたのですが、自分にとって元より読書という行為は日常的ではなく、本を読むことが可能なコンディションというのは特異な状態であるように思えてきました。
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小説の主人公<モグラ>は物語
書物書簡 四通目 上田岳弘『ニムロッド』
2021年1月25日
沖鳥灯さん、瀬希瑞世季子さん、Takuさんへ
言葉が鳥のように晴れた空を飛んでいる
東京に溢れるこのくだらない信仰のなかで
僕らは議論を白熱させるくせに、
あの太陽が偽物だってどうして誰も気付かないんだろう
プラトンの「洞窟の比喩」について書かれた前回の書簡を読んで、思い出したのはPeople In The Boxの『ニムロッド』という曲だった。洞窟に鎖で繋がれた人々
2020年9月27日
無駄な一日を過ごしたので日記を書く。何もない日でも日記を書けば何かを為した錯覚を得られるからだ。
何もできなかったのは、何をすればいいのか分からなかったからだろう。「何をすればいいか分からないときは、とにかく何でもいいから手を動かすべき」だとか、「やる気なんてものは行動してから湧いてくるもの」だとか、経験則に照らし合わせてもそういった言説は真理だと思う。けれど一方で、何をすればいいか分からな
日記(2020年6月14日)
時間はその気になればいくらでも捻出できるはずだが、気力のリソースを食われて何もできずに終わる日々が続いている。予定が入っていること、忙しいことの難点はそこにある。ただ時間を使うだけでなく、日に使えるエネルギーまでもがそこに持っていかれるため、例え数時間の予定だとしても、それを熟したらもう何もできなくなっていることが多い。カレンダーを隙間だらけにするか、或いはエネルギーの総量そのものを増やす必要が
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