2021年2月4日

 私の身体はとても細い。何かの間違いで増えやしないかと毎日のように体重計に乗っているが、目盛りが45kgを超えたことはない。高校生の頃に学校で献血を行う機会があったのだが、体重が45㎏以上でない生徒はそもそも参加できなかったので、私には縁のない話だと笑っていた記憶がある。女性にしてもこの体重は痩せている部類に入るだろうが、男性ときたらこれはもう生命の維持に支障をきたすほどで、実際にここ半年くらいは身体がほとんど動かない日が何日も続いた。

 さすがにこれではまずいだろうということで、Switchのリングフィットアドベンチャーを買ったのが既に半年以上前だろうか。ようやく開封したのが十日前だ。その日以来、時間がずれることが多々あれど何とか毎日運動を継続することができている。初日は死を覚悟するくらいには疲労困憊したが、三日目以降は身体が慣れてきたのか、そこまで追いつめられることはなくなった。

 最近はそれなりに忙しくしている中で十日も運動を続けているのは自分でも不思議に思うのだが、おそらくゲームの側が私の身体を管理してくれているのが要因だろう。筋トレをしようと思い立ったことはこれまでも何度かあったが、筋トレメニューを決めるのがとにかく面倒だったし、運動によってどれだけのカロリーを消費して、どの部位が鍛えられているか、というのも判然としないため、自分がやっていることの形が確かめられないのが不満で継続が困難だった。それに対してこのゲームは明確に自分の運動量を可視化してくれるため、報酬が明瞭な上、効率的なトレーニングをしているという実感を得ることができる。その恩恵に与ったことで、『ファイトクラブ』や『ハーモニー』に対して疚しさを感じるようになった。今の私は、とにかく自己の身体を誰かに管理してほしくてやまないからだ。

 もう一つ要因を挙げるのならば、それは他人の目を利用していることだろう。コロナ禍に入ってからというもの、私を含めた友人4人ほどのグループをディスコードに作り、暇な時間はそこでゲームや課題を消化しながら雑談する、という生活をおよそ毎日のように続けてきた。おそらく一人であれば、運動をしてもしなくても誰も見ていないのだから、簡単にさぼることができただろう。けれど現在はその場にいることで他人の抑止力というものが存在し、また誰かが見ていると思うことで多少はやる気も生じるものだから、継続のモチベーションを保つことができている。


 YouTubeを見ていたら、こんな動画がレコメンドされた。ちなみに投稿者のかものはしという実況者の動画は3~4年ほど前にシャドバをやっていた頃によく見ていて、懐かしいという気持ちと、リングフィットを1ヶ月続けたらどの程度の効果があるのだろうという好奇心で動画を再生した。

 動画内ではダイエット中の自身の食生活などを交えてカロリーや栄養素の話をしていて、どうしたら筋肉が付けて代謝を向上することができるか考える上で参考になった。その中で基礎代謝量と活動代謝量の説明をしていて、どうやらネットで簡単に計算ができるようなので、私のそれを数値化してみた。出力された値は基礎代謝量がおよそ1300kcalで、活動代謝量がおよそ2000kcalだ(体重が低いので、おそらくこの値も平均に比べてかなり低い)。活動代謝量というのは運動量を加味した実際の代謝量、基礎代謝量というのは生きていくのに最低限必要な代謝量なのだが、ここ数ヶ月はおそらく一日の摂取カロリーが基礎代謝量にすら満たない生活が続いていて、エネルギーが無くて立ち上がることすらままならないのも当然だ。具体的な数値にされるまで、自分がどれほど不健康かという自覚すら持っていなかった。

 それはともかく、どうやらダイエットのためには摂取カロリーを消費カロリーが上回るようにすれば良いらしいのだが、私は体重を増やしたいと望んでいるため、その逆を行う必要がある。食が細い私には、痩せるよりも太る方が遥かに困難なことに思えてくる。それに、筋肉をつけるためのたんぱく質も特に意識的に摂取してこなかったから、その辺りもこれからは考慮すべきだろう。結局のところ運動をしても、それに見合う量を食べなければ効果が出ないのだから、食生活の面も見直さなければならないだろう。

 動画を見た後、深夜にコンビニに訪れ、何か食べるものを買うことにした。夕方に目が覚めて以来食事を取っていなかったから、とにかく空腹で、目に映る食べ物が、きちんと全て食べ物に見えた。何を言っているのかと思われるかもしれないが、私は食事に対してとにかくネガティブな意識を持っているものだから、特にコンビニなんかの食べ物は、まるで無機物が陳列されているようにしか感じないのが常であったのだ。目に付いたものを適当にカゴに放り入れ、精算を済ましたら会計が三千円を超えていたのには驚いた。

 高価だという印象を抱いているのと、ココアやミルクの類が苦手という理由で、プロテインを買う気は起きなかったのだが、どうやら世の中にはプロテインバーという便利なものが売っているらしい。チョコの菓子のようなものにたんぱく質や必須アミノ酸が含まれているので、これなら私にも食べることができそうだと思い購入した。味はまあまあだった。百円と少しの値段で買えるため、水に溶かすタイプのものよりも安価だと感じたが、よく考えてみればそういった種類のものは一ヶ月分の値段であるため、単価に直すとそう値段は変わらなかった。

 運動をすると、シャワーで済ませずに、きちんと湯船に浸かろうという気になる。大抵は早朝にリングフィットを起動して、人々が目を覚ます頃に入浴するのだが、今日は深夜の零時頃に昼寝にあたる睡眠を取ったため、これから風呂に入るところだ。もういっそのこと一周して夜まで起きていた方が良いのだろうか。

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