【映画感想文】生涯にわたる友情の尊さ『ロケットマン』
🏆第92回アカデミー賞:歌曲賞(2020)🏆
🏆第77回ゴールデングローブ賞🏆
主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)
主題歌賞
『ロケットマン』
🎞️音楽と友情の物語🎞️
✴︎エルトン・ジョンの光と影
映画『ロケットマン』は、イギリスのロックスターであるエルトン・ジョンの伝記的ミュージカル映画である。本作は、主人公であるエルトンの盛衰が生々しいままに表現されているという意味では、他に類を見ないヒューマン映画と言えるだろう。
✴︎幼少期の孤独と音楽との出会い
幼少期から父親のネグレクトを受けていた主人公レジー(後のエルトン・ジョン)。孤独を感じていた彼は音楽と出会い、自らの才能を開花させていく。彼の音楽の才能は早くから認められ、7歳で正式なピアノレッスンを受け始め、11歳でロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックのジュニア奨学金を獲得した。しかし、家庭環境は厳しく、父親の愛情を感じることはなかった。
✴︎バーニー・トーピンとの出会いと友情
エルトンの人生において最も重要な出会いの一つは、作詞家バーニー・トーピンとの出会いである。1967年、エルトンとバーニーは音楽雑誌の広告を通じて出会い、すぐに意気投合する。バーニーが作詞し、エルトンが曲をつける。二人は、友人としてもビジネスパートナーとしても関係を深めていった。バーニーはエルトンの多くのヒット曲の作詞を手がけ、その中には「Your Song」や「Rocket Man」などが含まれている。
✴︎ロックスターとしての成功とその代償
音楽を続けていく中で、レジーは「過去の自分を捨てるんだ。なりたい自分になるために」という助言をもらう。そして、エルトン・ジョンとして生まれ変わり、ロックスターとして成功していく。
しかし、成功してもエルトン自身は、父親からの愛を感じることはなかった。父親は別の家庭を築き、自分には向けなかった愛のある眼差しを、新しい家族には向けていたのである。同時に、同性愛者であったエルトンは社会からも受け入れてはもらえなかった。
その孤独感から逃れるために、エルトンは薬物依存、アルコール依存、買い物依存などに陥ってしまう。そして、彼の自己破壊的な行動は、彼のキャリアと人間関係に深刻な影響を及ぼす。遂には友人であるバーニーとも決別してしまう。
✴︎バーニーとの決別と再会
ロックスターとしてのエルトンはどんどん堕ちていった。やがて、ピアノを弾くことすら恐れてしまう。しかし、最後に彼を救ったのは友人バーニーであった。出会った頃のやりとりを想起させる、これに曲をつけてくれよと貰った1枚の詩。エルトンは友人の詩を眺めている内に自身の中に湧き上がる曲を表現するべくピアノに手を伸ばした…
✴︎感想
友人愛。生涯を通した友人がいるということはなんとも幸せなことだろうか。エルトンとバーニーの関係は、まさに生涯を通じた友情の象徴だ。苦楽を共にした友人と出会えることは、本当に貴重である。この映画を見ていると、愛情や友情が儚いものであることを想起させられると共に、尊いと感じずにはいられない。
✴︎まとめ
映画『ロケットマン』は、エルトン・ジョンの光と影を描いた物語である。彼の音楽と友情、そして自己破壊的な行動からの再生の物語は、多くの人々に胸に響くだろう。この映画を通じて、エルトン・ジョンという偉大なアーティストの人生を深く理解することができる。彼の音楽とともに、彼の人生の物語もまた、永遠に語り継がれていくことだろう。
✴︎編集後記
『ロケットマン』を見たよという方がいましたら、気軽にコメントをいただければ嬉しいです。
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