藍沢迷@読書と創作

藍沢まよゐ(@AizawaMayoi) 27歳。趣味:読書。 主に小説やエッセイを書い…

藍沢迷@読書と創作

藍沢まよゐ(@AizawaMayoi) 27歳。趣味:読書。 主に小説やエッセイを書いています。 これからも、読者の心に寄り添うような物語を届けられるように、精進してまいります。

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「問い」を学びたい人におすすめの本【厳選10選!!】

この記事にたどり着いた方は、何かしら「問い」について関心がある方だと思います。そこで、今回はタイトルにあるように、「問い」をテーマにした本を10冊紹介していければと考えています。 はじめにそもそも、なぜこんなにも「問い」が注目されているのでしょうか。 イギリス・ロンドン出身の推理作家であるギルバート・キース・チェスタートン(1874~1936)は、『ブラウン神父の醜聞』にて次の言葉を残しています。 「解決策がわからないのではない。問題がわかっていないのだ。」 この言葉

    • 映画と音楽の調和とは:主題歌「Carolina」が彩る『ザリガニの鳴くところ』

      テイラー・スウィフトが映画『ザリガニの鳴くところ』のために書き下ろした楽曲「Carolina」は、その深い歌詞の意味合いと独特の音楽性によって、聴く者を魅了する作品となっています。 早速ですが、この楽曲の魅力を以下の観点から詳しく見ていきたいと思います。 1. 映画の世界観:カイアの心情を描写「Carolina」の最大の魅力は、映画『ザリガニの鳴くところ』の世界観を見事に音楽で表現している点だと考えます。 テイラー・スウィフトは原作小説に深く共感し、その物語の本質を捉えた

      • 【待ち合わせの新定番?】デートの始まりに書店を活用する!推しポイント5選!

        デートの待ち合わせ場所で悩んだことはありませんか? 私は結構あります。「〇〇駅集合ね」と簡単に約束したものの、いざ当日になると様々な疑問が浮かびます。改札の中なのか外なのか、北口なのか南口なのか。特に都心の大きな駅では、待ち合わせ場所を具体的に決めていないと、お互いを見つけるのに苦労することがあります。 結果的に集合するのにも時間がかかってしまい、せっかく立てた予定が後ろにずれてしまうことも。。。 このような状況を避け、スムーズで楽しいデートをスタートさせるための待ち合わ

        • 【コラム】スペインによる新大陸の征服と植民地化

          調べ始めると知らないことが増えていく。 ルネサンスの3大発明として「火薬」「活版印刷」と並び「羅針盤」が取り上げられている。 「火薬」が当時のヨーロッパの軍事面に与えた影響や、「活版印刷」が当時の情報面に与えた影響はなんとなく想像できると思う。 実際に、『世界を変えた火薬の歴史』によると、「火薬」はヨーロッパに大きな軍事力をもたらし、社会構造に重大な変化を引き起こしたことが述べられている。 具体的な影響としては騎士の没落と軍事バランスの変化が挙げられる。火薬を用いた鉄砲

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          幽玄とは:奥深き日本の美的感覚

          1. はじめに幽玄は、日本の伝統的な美意識を表す重要な概念の一つである。この概念は、日本文化の深層に根ざし、芸術、文学、建築など多岐にわたる分野に影響を与え、日本の美意識の核心を形成している。 2. 幽玄の起源と定義幽玄(ゆうげん)は、「幽」(かすか)と「玄」(奥深い)という漢字で表される。もともと中国の仏教や老荘思想に由来する言葉で、深遠な神秘を指すために使われていた。当初は「哲理や仏教のさとりの境地が深遠、微妙であること」を意味していたが、日本では美的な意味に発展した。

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          羅針盤が変えた世界:経済と文化の大変革

          1. はじめにスマートフォンを手に取り、地図アプリを開く。目的地を入力すれば、ルートが瞬時に表示される。この便利な機能に慣れた私たちは、かつて人類が直面していた「道に迷う」という問題をほとんど忘れかけているように思う。 しかし、この問題を解決し、人類の探検と発見の歴史を大きく前進させた発明がある。 それが「羅針盤」だ。 「活版印刷」や「火薬」と並び、ルネサンスの3大発明として知られるこの小さな道具。一体、世界にどのような影響を与えたのでしょうか。 本記事では、私たちの

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          「常若(とこわか)」の思想とは

          「常若(とこわか)」の思想は、日本の伝統的な考え方の一つで、主に以下のような特徴を持っている。 ①永遠の若さと新鮮さ「常若」とは、文字通り「常に若い」という意味です。これは単に年齢的な若さだけでなく、精神的な新鮮さや活力を指す[1][5]。 ②継続的な再生と更新特に伊勢神宮の式年遷宮に見られるように、定期的に物事を新しくすることで、その本質を保ち続けるという考え方[2][7]。20年ごとに社殿を建て替えることで、常に新しい状態を保ち続けている。 ③伝統の継承と革新の調和

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          【神秘と伝統】伊勢神宮と出雲大社「日本人の心の拠り所」

          伊勢神宮と出雲大社はどんなところなのだろうか? 『世界のなかで自分の役割を見つけること――最高のアートを描くための仕事の流儀』を読んで、伊勢神宮と出雲大社が日本人にとって特別な存在であることを知った。しかし、その時は自分自身にとって特別であるという実感を持つことができなかった。関東出身である私にとってはどちらも馴染みのない場所であり、旅行で訪れるという機会もなかったからだ。 実は先日、伊勢神宮に行ったこともあり、以前にnoteで書き散らかしていたこちらを改めてまとめてみよ

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          【映画感想文】人生の転換点、自分の原点を描く「帰らない日曜日」

          ●余韻が漂う作品物語の展開や登場人物の心情を、過剰に説明することなく、観客の想像力に委ねる絶妙な間合いが印象的だった。 特に、ジェーンとポールの関係性や、彼らを取り巻く時代背景などが、直接的な説明ではなく、表情や仕草、沈黙の瞬間を通じて巧みに描かれている。 曖昧でありながらも、余韻を残す表現によって、多くの人に小説を読みたいと思わせる動機に繋がったのではないでしょうか。 また、この映画は1924年、1948年、1980年代と3つの時代を行き来する構成になっており、それぞれ

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          【映画感想】圧巻の映像美、『ザリガニの鳴くところ』の魅力とは

          はじめに2022年、映画界に静かな衝撃を与えた傑作「ザリガニの鳴くところ」。当時はそこまで大きな話題になっていなかったと記憶している。この作品は当時の私の心を掴み、2024年現在でも鮮やかな余韻を残している作品の一つである。「2022年に見た映画で1番良かった」といっても過言ではない。美しくも荒々しい自然、孤独な少女の成長、これらの要素が絶妙に絡み合い、観る者を魅了してやまない。 本作は単なる映画を超え、一つの体験ともいえるであろう。ノースカロライナの湿地帯を舞台に繰り広げ

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          2024年3月に読みたい1冊

          ①『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』ガブリエル・セヴィン(2023/10/6発売)★4.5 2016年本屋大賞翻訳小説部門第1位を獲得した『書店主フィクリーのものがたり』の著者の最新作。 著者の筆力もさることながら、「ゲーム×文学」のエンタメ作品として最高峰だと翻訳小説好きが絶賛。 少し気持ちは早いけれど、2025年本屋大賞翻訳小説部門にノミネートされるかもしれない。 ②『地雷グリコ』青崎有吾(2023/11/27発売)★4.7 2023年末に出版さ

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          読書欲を刺激する、あるいは、加速させてくれる体験

          大人になってから新しく何かにハマることがある。 コーヒー、ウイスキー、日本酒、ワイン。 飲み物ばかりだな。 それはコーヒー、日本酒などの飲み物かもしれないし、読書もその一つだと思う 食わず嫌いでいたウニを大人になって食べた時に、感動で好きになってしまう体験に似ている この体験のもとになるのは、違いの把握 だと思うのです

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          ミステリーを読む、頭を解剖してみたい

          プロローグ街の片隅にある小さな図書館が好きだ。 とにかく人が少ない。今日は私しかこの図書館を利用していない。独り占めだ。私だけのために用意された楽園にすら思えてくる。くふふ。 ページを捲る音、遠くでヨガをする人の会話、チクタクという時計の秒針。 部屋は広すぎず観葉植物まで用意されている。 最高すぎる。くふふ。 閑話休題 ミステリーを読みはじめて思ったことこのミステリー小説が面白いという書店のポップ、SNSからのレコメンドを参照して、手元には話題の1冊がある。 本

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          読書ノートvol.1〜『生命式』村田沙耶香〜

          凝り固まった常識や倫理観で満たされた脳に手を入れられて脳内の肉を捏ねくり回されたような衝撃。あまり読まない類の本。 自分の中で読書は孤独に対する薬であると捉えている節があり、現実では得られない感動や心の機微を物語に求めてしまう傾向があるからだ。自分が読書に求める人間讃歌がひどく表面的であったと感じずにはいられない。 しかし、自分の想像力の幅を広げてくれたようにも思える。本書は美しさや感動を求める読書というより、読後にあれこれ考えるスイッチを入れてくれる読み物。心に響くとい

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          /silent おやすみ〜世界はこんなにも美しい〜

          2024年2月7日 少しだけ死にたくなって、でもまだ死んではいけないと思う。 死んではいけないから、私はまだ生きているのだろうか。 そんな倫理観、いつから自分に備わったのか。 それとも死んだら親が悲しむからか。どうなんだろう。 悲しむのかわからない。想像力が欠如しているのか、もはや感情が正常に機能しないだけなのか。疑問だらけだ。 ただひとつわかることは精神状態が少しだけ澱んでいるということ。 一体何を書こうとしていたんだったか。今となっては忘れてしまった。 脈絡のない

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          わかりやすい文章を書くための気づき

          『新しい文章力の教室』の要点◉良い文章とは何だろうか 『新しい文章力の教室』はひとつの答えを提示してくれる。良い文章とは、「完読される文章」であるというものだ。 もちろん良い文章の定義は、人それぞれ異なるだろう。しかし、本書の切り口である完読されるかどうかは、実は当たり前だが重要な観点だ。 なぜなら、文章は読まれなければ伝えたいことが何も伝わらない。文章は読まれることによってはじめて意味を持つのである。 ◉「完読される文章」という目標 今まで目指す方向性がわからないま

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