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読書ノートvol.1〜『生命式』村田沙耶香〜

凝り固まった常識や倫理観で満たされた脳に手を入れられて脳内の肉を捏ねくり回されたような衝撃。あまり読まない類の本。

自分の中で読書は孤独に対する薬であると捉えている節があり、現実では得られない感動や心の機微を物語に求めてしまう傾向があるからだ。自分が読書に求める人間讃歌がひどく表面的であったと感じずにはいられない。

しかし、自分の想像力の幅を広げてくれたようにも思える。本書は美しさや感動を求める読書というより、読後にあれこれ考えるスイッチを入れてくれる読み物。心に響くというより、頭と胸にくる。

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