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わかりやすい文章を書くための気づき
『新しい文章力の教室』の要点
◉良い文章とは何だろうか
『新しい文章力の教室』はひとつの答えを提示してくれる。良い文章とは、「完読される文章」であるというものだ。
もちろん良い文章の定義は、人それぞれ異なるだろう。しかし、本書の切り口である完読されるかどうかは、実は当たり前だが重要な観点だ。
なぜなら、文章は読まれなければ伝えたいことが何も伝わらない。文章は読まれることによってはじめて意味を持つのである。
◉「完読される文章」という目標
今まで目指す方向性がわからないまま推敲をして、何が伝えたいのかわからない文章を書いてしまった経験はないだろうか。
「良い文章」というのは抽象度が高く、人によってイメージもバラバラで漠然とした概念に近い。具体的な輪郭すら掴めないままでは、「良い文章」を書こうとしても書けるわけがない。
文章作成で迷路に入ってしまったときこそ、「完読される文章」という目標は、文章の品質を向上させる羅針盤として機能する。
「完読される文章」を目指して文章を磨くことで、文章の完成形をイメージしながら推敲することが可能になるからだ。
ぜひ推敲する際に『新しい文章力の教室』を手に取ってみてほしい。新しい発見や修正したい箇所が見つかるかもしれない。
細かな学び
①「こと」「もの」の重複
単語を名詞化できる「こと」「もの」は、単語同士を簡単に繋げられるため多用しがち。しかし、重複すると文章を読みづらくするので注意が必要。
②作品・企画という曖昧な言葉は、文脈に沿った具体的な名詞で書くようにする
※下記のワードは要注意
企画、作品、楽曲、物語、コンテンツ、ストーリー、ステージ、プロジェクトetc...(p150より)
③「〇〇的」のようなボカす言葉も要注意
例外があることを示唆する、「基本的に〜」「一般的に〜」は含みを持たせるために多用しがち。明確に主張が伝わらないこともあるので、使い方には注意したいワード。
①〜③は主に抽象的なワードに対する警鐘である。抽象度が高い言葉は使い勝手が良いため文中に何度も出てくる手グセのようなものだ。他者が読んだ時に立体感のない文章に思えてしまうため注意が必要である。
◉とにかく重複は避ける
◉今まで以上に抽象表現の具体化を意識
④文頭の接続詞や主語への読点は小学1年生の作文のように感じることがある
話しながら続きを考えている時のような間だと感じる人がいる。
まとめ
◉完読を目標に文章を磨く
『新しい文章力の教室』では、「良い文章とは何か」を「完読される文章」と定義し、それを一つの軸に文章を推敲してみると視界が開けてくるという提案をしてくれる。
抽象度が高いワードは使い勝手が良いため、無意識のうちに乱発してしまう傾向がある。特に断定を避ける性格の私は要注意。
おわりに
実用的な作文は、創作や芸術ではなく、サービス業だと考えてください。
この一文にかなり納得。
実用的な文章を書く行為≒サービス。
自分の中で分かりやすくリタイトルするなら『サービス業としての文章術』。とてもダサいと感じるが、的は得ているのではなかろうか。
文章作成においても、読者目線を忘れないというメッセージが「サービス業」という言葉に表れているように感じる。
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