【経営者インタビュー#5】社長の働き方
アガットイノベーションと関係の深い経営者に、その職業を選んだ経緯や、起業・独立の苦悩などなど…仕事への想いを語っていただく『経営者インタビュー』企画。
第5弾は株式会社リーガルフロンティア21 代表取締役社長 山田 遣人さんです!
—多様な業界でのご経歴をお持ちの山田さん。歴代の会社で得られた経験の中で、今の仕事にも役立った学びを教えてください。
1つ目は、『新規事業開発』のスキルです。
新聞社が“職種のデパート”と呼ばれていることをご存知でしょうか?
僕も新聞社に勤めていた15年間の中で、本当に色々な部署を経験しました。記者職に始まり、販売局や印刷所でも働きました。洗剤を持ってお家一軒一軒を訪ねたり、ヘルメット被って作業着で輪転機を回したり、広告局を除けば、本当に新聞社の仕事全てを経験したんじゃないかな?笑
そして最終的にデジタル部門へ配属された時に上司から「この会社のすべてを見てきたお前が、うちに眠っている宝物を見つけて、なんでもいいから売れるものに変えてみてくれ」と無茶振りを受けたんです。
このデジタル部門での経験が、『新規事業開発』の本質と楽しさを知るきっかけになりました。
その後、とあるメーカーに新規事業担当として勤めた時は、1日50個以上のアイデアを考えては捨て考えては捨て…を繰り返す毎日でした。ようやく4つの企画が事業化、最終的には2つの事業が日の目を浴びるというペースです。この頃から、新規事業のアイデアを練ることが、ルーティーンになっていました。
この2社での経験を経て、「自分でビジネスの仕組みを作り、最終的な販売までを自ら行う」ことを仕事の土台にしたいと考えるようになりました。
—まさに「社長」としての働き方そのものですね。
2つ目は、『物おじせずに、直接人と話すことの大切さ』です。
これも新聞記者時代に学んだ教えです。記者と聞くと、机に向かって記事を書くことが仕事と思われがちですが、実際に記事を書く時間は仕事全体の1割程度で、残りは取材として『人と話す時間』が大部分を占めています。事件が起これば、周辺の家を訪ねて目撃情報を集めたり、政権が交代するとなれば、街頭インタビューとして通行人に声をかけます。
知らない人にいきなり話しかけるのが、初めは本当に嫌でしたね。
—今の山田さんのフレンドリーな雰囲気からは、想像がつきません!
おかげさまで、人見知りしなくなりました。振り返ってみると、記者時代の経験は財産として、今の自分にとても役立っています。物おじせずに、気になった方には積極的に連絡をとって会いに行くという姿勢は、現在の社長として働く上でも強みです。一次情報源から得られる情報は、ネットで得る情報よりも、正確性や説得力があります。
このスタンスはこれからも崩さないようにしたいですね。
—山田さんは、2019年に、株式会社リーガルフロンティア21の代表取締役社長に就任後、2021年に同社の所有権をご自身で買い取られています。
同じ会社の中で、サラリーマン社長とオーナー社長の両方をご経験された山田さんが考える、両者の働き方の違いはありますか?
20年以上サラリーマンとして働いてきた自分が、まさかオーナー社長になる日が来るとは思ってもいませんでしたし、就任当初はそのリスクをきちんと理解できていませんでした。
サラリーマン社長と言っても、現場のトップという立場ですから、もちろん十分な責任を抱えています。業績回復というミッションに向かって全力で取り組む毎日です。しかし、いざ会社倒産などの大きな事件が起きた時に、自分自身に傷がつくわけではありません。
対して、オーナー社長は会社の全てが“自分ごと”になります。「何か失敗してもお金を使っても、他人のせいには出来ない」という点が、サラリーマン社長とオーナー社長の大きな違いであり、この事実をきちんと自分の中で腹落ちさせられるかが、オーナー社長になるためのターニングポイントだと思います。
—山田さんにとってのターニングポイントはありましたか?
僕はサラリーマン社長の時から『自腹を切ってもいいと思えるお金しか使わない』というルールを決めていました。例えばチラシ5000枚の印刷費として10万円の支払いが発生した時、「この企画には10万円をかける価値があると確信しているので、仮に経費として認められなかったら、自分で払います!」とオーナーに宣言できるかを経費申請の基準としていました。オーナー側も不確定な出費に、自分のお金を使われるわけにはいきませんからね。
サラリーマンという立場であっても、会社の業績回復と価値向上を第一に考え、オーナーにコミットする社長、言うなれば“プロのNo.2”になりきれていたと思います。その成果が認められ、この会社のオーナーになってくれないかとお声がけをいただきました。
なので、社長に就任した当初から「会社=自分ごと」を習慣化できていたのは、結果的にオーナー社長としての心構えに繋がったと思います。
とは言いつつも、オーナー社長に就任してからのプレッシャーは桁違いです。笑
業績が低迷している時には、このままお金がなくなったら…と夜中に考えてソワソワしたり。
—プレッシャーの跳ね返し方はありますか?
この状況を『楽しむ』ことです。
自分が仕掛けたことが、狙い通りにヒットして、会社の価値が上がるというサイクルがうまく回り出した途端に、本当に楽しくなってくるんです!最近では、自分のお給料のために働くという感覚は薄れてきましたね。それ以上に、会社が儲かることで、給料が増えて嬉しそうな社員の姿が見られた時の喜びが強くなりました。
—山田さんの周りの経営者も、仕事を楽しんでいる方が多いですか?
そうですね。皆さん悩みながらも、結局は楽しそうに働いています。逆に、このプレッシャーを楽しめない人は、経営者としては生き残れないと思います。自分の判断が会社の将来を左右するという状況に、苦しさを感じてしまう人には、厳しい世界です。
—ここからは、リーガルフロンティア21の新規事業『LEGALUS Masters Club』についてお話を伺います。
—まずは『LEGALUS Masters Club』発足のきっかけを教えてください。
人が人のために時間と手間をかけるアナログな事業を始めたいと考えたのがきっかけです。今の時代、デジタル商材を手がける会社は非常に増えていますし、我々も2016年にLEGALUSという法律相談・弁護士検索のポータルサイトを開設しています。デジタル商材は、サービスとしての拡張性が高く、顧客の目にも留まりやすいというメリットがあります。しかし、制作から販売までがインターネット上で完結してしまうが故に、お客様が商品本来の価値を実感しにくいという欠点もあります。
—確かに、サービスにかかっている労力や費用が、顧客側からは見えにくい構造ですね。
実はアナログなお仕事の方が、労力が目に見えるので、お客さんとしても価値を感じやすく、納得してお金を払ってくれるのでは?と気が付きました。
このアナログ要素と、弁護士支援プログラムを掛け合わせたのが、『LEGALUS Masters Club』です。
専門知識のない方が、弁護士を見つけようとインターネットで検索しても、膨大な数の弁護士事務所が出てくるだけで、本当に良い弁護士を見極めるのは難しいですよね。美味しいディナーのお店を探すために、食べログを見てGoogleマップのレビューを読んで…と情報だけがあっても本当に美味しいお店なのかは分からない。そんな時に、一番手っ取り早く確実な方法は「有識者に直接聞く」ことです。我々の長年の法曹業界での情報と人脈を活かし、優秀な能力と人格を持つ弁護士の集団『LEGALUS Masters Club』を作ることで、弁護士探しに困っている方のお手伝いになればと考えております。そして、弁護士さん自身も『LEGALUS Masters Club』に参加することで、ご自身のブランド価値を高めていただく、そんなサービスを目指しています。
—『LEGALUS Masters Club』の特徴の1つに、“リーガルフロンティア21が認定した全国で計100名の優良会員弁護士だけ”が所属している会員制クラブ が挙げられます。
この“優良”の基準を教えてください。
僕らが選んで人におすすめしたくなる先生は、やはり『誠実』な方です。弁護士としてのスキルや実績・知識は、誠実であれば後からでも必ずついてくるものです。
自分が請け負った仕事に、真摯に対応できる『誠実さ』を何よりも重要視しています。実際にお会いして、弁護士という職業を選ばれた経緯や、今のお仕事への向き合い方を伺う中で、人柄は自然と見えてくるものです。弁護士さんの中には、お一人でコツコツと頑張っている方も大勢います。そんな方々が『LEGALUS Masters Club』に所属することで、光が当たったり、励みの1つになれば幸いです。
—新聞社では事件裁判・法曹取材の担当記者として、現在は弁護士・法務支援サービス会社の代表として、多様な側面から法曹業界に関わる山田さんが考える「良い弁護士」像を教えてください。
弁護士というのは、法治国家の根幹を担う法曹三者“裁判官・検察官・弁護士”のうちの1つ、いわば国家システムの一部とも言える職業です。この責任感と自覚を持っている先生こそが「良い弁護士」と言えるのではないでしょうか。
経営者が感じているプレッシャーとは比べ物にならない遥かに重い責任を背負われているはずなのに、朗らかでその重圧すらも楽しんでいる先生達を見ると、本当に魅力的で「良い弁護士」だなと思います。
—最後に山田さんの経営者としての目標を教えてください。
一番の目標は、この会社を強力により潰れにくく、儲かるようにすることです。
自分自身の目標としては、『あの会社のおかげで社会がちょっと良くなったよね』と思ってもらえるようなサービスを作ることです。
駆け出しの新聞記者時代の私は「俺たちがこのペンの力で国を守るんだ!」と社会正義に燃えていました。しかし記者という仕事では、直接社会を動かすことは出来ません。自分の書いた記事で、間接的に世の中の動きが変わることはあっても、どうしても評価評論の立場で止まってしまう。ところが、経営者は社会に直接関わることができます。
世の中にないサービスを自ら生み出して社会に貢献できる経営者という仕事は、
やりがいがありますね。
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