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旅の記録と記憶

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ヌエバ行きのフェリーの上で

ヌエバ行きのフェリーの上で

 アカバ湾の満点の空の下、ヌエバ行きのフェリーのデッキで、拓郎は東京のJUNから届いたメールを読んでいた。ヨルダン唯一の海岸の町アカバは、政府の後押しもあり、リゾート化された街だった。免税店に洋酒が並んでいるのはいいが、他の地域に比べ物価が高かった。このメールをインターネットカフェで、一枚プリントアウトするのに1ディナールは、ふざけてやがると思いつつ、丁寧に四つ折にしてこの紙を手帳に挟んでおいた。

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5次元的感覚な午前 (バンコク・小樽・カイロへと同次元に存在するパースペクティブ)

5次元的感覚な午前 (バンコク・小樽・カイロへと同次元に存在するパースペクティブ)

2001年 タイ・バンコク 時空座標(5,080,−3,285)

カンボジアのシェムリアップからバンコクへ到着した次の日、私は進君へ現在の自分の旅の状況をメールで報告した。

それから2,3日後、(つまり私が杉本彩似のタイ人のオカマと2日間ソンクラーンの喧騒の中で熱い夜を過ごした後に)進君からラオスを旅しているという内容の返信メールを受け取った。私はバンコクの夜遊びにはまりながら、昼夜逆転生活を

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ヒッチハイクの旅 1999

俺は、1999年の大学3年の夏休みに、その前年に引き続き日本縦断のヒッチハイク旅行をした。
大学2年の夏休みの時は、バイトの予定を断りきれず、結局5日間しか、ヒッチハイク旅行はできなかったが、それでも札幌から大阪まで行くことができた。

前回の反省を生かし、コンビニ、ラーメン屋、家庭教師のバイトを調整して、2週間半の休暇を確保した。
今回は大阪よりもっと南、沖縄まで行けいなとしても、最低でも九州の

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